『がらくたストリート』完結というかオシマイから『昔話のできるまで』
最近読んだマンガですごく楽しめたもの。
●山田穣『がらくたストリート』3巻(2014年幻冬舎、630円+税、amazon)
通称「がっくり」第1巻の発売が2008年。1巻についてのわたしの感想がコチラ。→(※)
でもって第3巻の発売が2014年。7年で3巻、本書に限らず、日本マンガの出版サイクルもBDなみになりましたねえ。2012年末に連載中断となって、描き下ろしを加えての最終巻発売です。
ファンのかたがたが待ちに待った最終巻ですが、特別なことが起こるわけではありません。葦原の瑞穂の国=日本そのものである芦原市を舞台に、宇宙人やら怪異現象やら妖怪ハンターが登場するにもかかわらず、男の子、女の子があーだこーだとにぎやかに会話しながら進行するお話。
だって描かれてるのが、運動会、文化祭、遠足、ご近所の散歩、そして温泉旅行ですよ、奥さん。古き革袋に新しい酒を。
ウンチクと会話の楽しさ。地理的にも時間的にも閉じた楽園での永遠の子ども時代。日本マンガのなんとも「退廃的」で「爛熟」な雰囲気を感じるのはわたしだけでしょうか。でもおもしろくて楽しいからOK。背景をもっときっちり描き込んでくれるほうが好きなんだけどなー。
で、同じ作者でもうひとつ。
●山田穣『昔話のできるまで』(2014年集英社、514円+税、amazon)
こちらは短編集。バラエティに富んだ楽しい作品がいろいろ収録されていますが、やはり「がっくり」と通じるところのある、プチ諸星大二郎とでもいうべき表題作がもっとも好みです。
期待のひとなんだけど、さて次回作はいつ読めるのか、のんびり待ちます。
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