« 1968年のまんが道『男の条件』 | Main | 歴史にして現在『有害コミック撲滅!』 »

October 11, 2013

ミロ・マナラのバカエロマンガ『ガリバリアーナ』

 エロティックマンガの世界的巨匠、ミロ・マナラの作品が初邦訳されました。

●ミロ・マナラ『ガリバリアーナ』(鵜野孝紀訳、2013年パイインターナショナル、2200円+税、amazon

ガリバリアーナ

 出版社からご恵投いただきました。ありがとうございます。でかいA4判ハードカバーでオールカラー60ページ超。ただし居間に本を置いてたら、高校生の娘が見るやないかっと妻からえらいこと怒られました。いやまあ性器ほりだしのマンガですから。

 ミロ・マナラが最初に日本に紹介されたのが、エロが控えめで世界中で傑作とたたえられてる『インディアン・サマー』でも『エル・ガウチョ』でもなく、アレハンドロ・ホドロフスキーと組んだ『ボルジア』でもなく、アメリカから請われて描いたX-MENシリーズの一篇『X-Women』でもなく、バカエロマンガ『ガリバリアーナ』であったという。いやー、ミロ・マナラらしくていいじゃないか。

 漫棚通信ではこれまで、ブログやミニコミ誌「漫画の手帖」でミロ・マナラ紹介につとめてきました。現在、英語圏でもっとも有名なイタリア人マンガ家であるミロ・マナラは、1945年生まれ。イタリアのエロティックでダーティなポケット版コミックブックの出身です。1983年の「Click!」というバカエロ作品がありまして、これが絵はメビウスなみの美麗さだけど、心は中学生、というアンバランスさで評判になり、以後マナラはエロティックマンガの世界的巨匠となりました。

 だって「Click!」って、リモコンのスイッチをオンにすると淑女が突然に衆人環視の中で欲情したり、肛門から麻薬をいれられた女性が超能力を発揮したり、屹立する巨大なクリトリスを見た五万人の荒くれ男たちがそれにひれ伏したりするようなマンガなんですよ。わが田中圭一と同じじゃないかっ。

 本書『ガリバリアーナ』は「ガリバー旅行記」の女性版です。小人国に流れ着いた半裸の若き女性ガリバリアーナが小人たちに緊縛されたり、巨人国では酒に酔わされて巨人になぶられたり。

 小人国で下半身裸のガリバリアーナが、大股を開いて立ってる下を小人国の軍隊が行進します。指揮官が「見上げてはいかん!」 ああバカエロマンガだ。

 ミロ・マナラの顔にはもうひとつあって、その卓越した画力で詩情あふれたマンガも描いてるのですが、それらはいずれ翻訳されることもあるでしょう。ここはもうおバカなエロを楽しんでください。

|

« 1968年のまんが道『男の条件』 | Main | 歴史にして現在『有害コミック撲滅!』 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ミロ・マナラのバカエロマンガ『ガリバリアーナ』:

« 1968年のまんが道『男の条件』 | Main | 歴史にして現在『有害コミック撲滅!』 »