モノクロでは無理『宝石の国』
市川春子の、長編としては第一作『宝石の国』1巻が発売されたわけですが。
●市川春子『宝石の国』1巻(2013年講談社、600円+税、amazon)
市川春子についてはこれまで数回書いてきました。
●新しい才能『虫と歌』
●ちょっと難問系マンガ試験(問題編)
●ちょっと難問系マンガ試験(解答編その2)市川春子作品を読む
本作は、宝石の国に住む身体が宝石からなる28人の娘と、それを採取しにくる月人(外見はまるきり仏さま)の戦いを描いたマンガ。
いつもの市川春子のようにあっさり壊れてしまう肉体を描いた作品です。過去作品では理解しにくかった表現も今回は抑え気味。でも今回は、色がなくちゃわかりにくいったら。
宝石の身体を持った少女が多数登場しますが、モトネタというかモト宝石は以下、出演順。
フォスフォフィライト、phosphophyllite、燐葉石、薄荷色ミントグリーン
モルガナイト、morganite、ピンク色の緑柱石、ピンク
ゴーシェナイト、goshenite、無色の緑柱石、無色
ヘリオドール、heliodor、黄色の緑柱石、黄色
ルチル、rutile、金紅石、赤褐色・金黄色
シンシャ、辰砂、硫化水銀、紅色
ベニト、benitoite、ベニト石、青
ジュード、jade、翡翠、緑
ダイヤモンド、diamond、透明
ボルツ、bort、ブラックダイヤモンド、黒
ユークレース、euclase、透明や青
とまあ、少女たちはその出自となる宝石の性質と色で区別されてるわけです。
書影を拡大して見ていただきたいのですが、緑髪が主人公フォス。その左の長い黒髪がボルツ。右の七色髪がダイヤ。下のピンク髪がモルガ。
見えてませんが表1折り返しの赤髪がシンシャです。というか、これ、わたしが説明するまで家族の誰もわからなかった。実際、わたしもシンシャの髪が赤だとは、シンシャの意味をネットで調べるまでわかりませんでした。
えっとですね、表紙カバーや本誌冒頭数ページのカラーはすばらしいと思うのですよ。でもモノクロが中心となる日本雑誌では(少なくとも本作のような)市川春子作品を掲載するのは不適になってるのじゃないか。本作はオールカラーで発表されるべき作品であったと考えます。
日本モノクロマンガ雑誌の限界が見えてしまった作品、市川春子は日本マンガが発見した作家ですが、これからはカラーの世界に送り出してあげるべきなんじゃないかな。
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Comments
PC作画ならば、後で彩色して、デジタル販売できますね。
手描き原稿でも昨今のアニメ彩色のようにスキャナでデジタイズが可能です。
・・・モノクロ読書用端末だと、デジタル・コミックには不適なのかな。
う~~む。
Posted by: トロ~ロ | August 03, 2013 12:18 PM
http://www.youtube.com/watch?v=3pzIQ54cwiA#at=87
アニメならばOKですね。
Posted by: ギャラット | August 02, 2013 01:08 AM