高齢者向けギャグ
みなもと太郎先生から同人誌をご恵投いただきました。最新作は2012年12月31日発行の『風雲児外伝19 桜田門外の変』です。書影はこれ。
公式ファンサイト「風雲児たち長屋」で販売されてます。
みなもと先生、昨年は文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査員主査もされてましたし、あいかわらず精力的に活動されてますね-。
さてこの本の裏表紙、表4にあたるところのイラストがこちら。右は部分のアップ。
わたし、このイラストに大ウケしたのですが、なぜだかわかります?
桜田門外の変の敵役兼主役は、もちろん井伊直弼です。「チャカポン」というのは井伊直弼のあだ名ですね(実話)。で、「チャカポンくん」は、井伊直弼、少年時代のバカエピソードを描いたマンガで、一回五~六ページの四回連載という形式。
「チャカポンくん」は、赤塚不二夫以降に成立した狂騒的な「ギャグマンガ」じゃなくて、それ以前に存在した「ほのぼのゆかいマンガ」のフォーマットで描かれています。というわけで、この表4は、「ほのぼのゆかいマンガ」がまだ存在していた昔の月刊誌の、カラーページふうに印刷されているのです。
かつてのマンガ雑誌のカラーページは四色じゃなくて黒を除いた三色刷りが多かった。三色刷りだとオモ線が微妙に黒じゃないのでそれなりに味がある、はず。
ところがこの印刷はいわゆる「版ズレ」していて、多色刷りが失敗している。ってこういうことは昔の月刊誌には多かったのですよ。というか毎月フツーにずれてました。
ウチの娘は「3D?」とか言ってましたが、ちがいますっ。
高齢者にしかわからないギャグかもしれません。それにしてもカラー印刷を利用したギャグは、もしかすると空前?
Comments
みなさま、コメントありがとうございます。「漫画家超残酷物語」にカラーページってありましたっけ? でも唐沢なをきなら描いてそう。
Posted by: 漫棚通信 | February 27, 2013 11:03 PM
唐沢なをき「漫画家超残酷物語」単行本のカラーページにも色ズレネタがありましたが、あれは黒主線に対して特色がズレてるというものでした。
Posted by: かくた | February 24, 2013 03:47 PM
橋本治さんが、昔「男の編み物 橋本治の手トリ足トリ」という本を出しました。精密な編み込みセーターなどの本です。いろいろ美しいセーターが載っていましたが、その中に「情熱のペンギンごはん」の湯村輝彦さんの絵をそのまま写したものがありました。原画が、わざと?版ずれした絵で、そのずれたところを毛糸の編み込みで表現してあったのです。
Posted by: 高齢者 | February 22, 2013 01:22 AM
おいらも赤色と青色の眼鏡かけると立体、かと思いました。
それにしても、表紙から楽しんで作っているなあ
Posted by: とりとり | February 21, 2013 09:44 PM
これはまるで昔のテクニカラー(赤青黄の三原色に分けてフィルム撮影する色彩撮影のテクニック。カラー・フィルムが普及するまでは全てこれだった。フィルムもキャメラも3倍必要なのだが、年月を経ても色褪せしないという特徴がある。)映画が、再生時にずれてしまったのに似ていますねぇ。
Posted by: トロ~ロ | February 20, 2013 06:46 PM