のんびりゆったり『いとしのムーコ』『ほどほど日記』
どちらかというとマンガは真剣に気合い入れて読むほうです。だからなのか、ゆるゆるのいやし系マンガというのが、じつは苦手。最近はやりのネコマンガとか。いやそれなりにかわいいんですけどね。
でもなぜかコイツにはやられた。
●みずしな孝之『いとしのムーコ』1・2巻(2012年講談社、各562円+税、amazon)
えー、ゆるゆるのイヌマンガです。山奥のガラス工房で飼われてるムーコ(雑種にまちがいなし!)と飼い主のこまつさんの日常がゆるーく描かれます。
ムーコは元気いっぱい。こまつさんがで好きで好きでたまらない。ひとり遊びを発明するのが得意。お鼻がつやつやなのが自慢(カバーイラストもお鼻つやつや仕様になってます)。
おもしろいのが、ムーコの心の声。マンガ内でムーコは「わんわん」とは鳴きません。いつも大声で叫んでいる。「わー! こまつさーん!」「わー! しっぽ! しっぽ!」「たのしみ! たのしみー!」
もちろんこれはまわりの人間には理解されません。イヌがしゃべるタイプのマンガだけど、その言葉はヒトには通じず、知性は幼児レベル。この手法こそが本作成功のカギだと思います。
自分の内面をつねに大声で世界に発してる。ムーコはなんて自由で幸せそうなんでしょう。
ほんとイヌはかわいいっ。
同じ作者でもう一冊。
●『みずしな孝之のほどほど日記』(2012年デジタル・コンテンツ・パブリッシング/星雲社、905円+税、amazon)
こちらは出版社よりご恵投いただきました。ありがとうございます。
ゆるゆるの四コマ日常エッセイマンガ。Webに連載されたものでオールカラーです。
ご家庭やご近所のちょっとしたことがネタになってて、作者はエッセイマンガをいっぱい描いてるはずなのに、よくもまあいろいろと描きわけられるものだ。
大爆笑したものはひとつもありません。でも作者も読者もそんなことは求めていない。ゆるゆるに身をまかせる快楽。
Comments
出ました、イブニング得意の「箸休めマンガ」。
妙なことにイブニングは「箸休めマンガ」が評判になります。
「鉄工所」マンガしかり。
「山賊ハンター」しかり。
まあメイン・ディッシュが大した事無い、から~。
世間様に最も知られているのがおそらく「もやしもん」ですものね。
Posted by: トロ~ロ | October 13, 2012 12:33 AM