« メビウスのふたつの顔「ユーロマンガ7号」「ブルーベリー」 | Main | 東西世界マンガ史を書く試み『まんが史の基礎問題』 »

August 16, 2012

九周年

 以前は自分の年齢がわからないヤツなんて…… とか思ってたこともあったのですが、じつはわたしここ数年、自分の年齢がぱっと出てきません。えーと今年は西暦○○年だからー、とか暗算してます。

 ひーふーみーと指を折って数えてみますと、わたしがネット上で漫棚通信と名のりだして本日で九周年となりました。ここまでほそぼそながら継続してこられたのも、コメントを書き込んでくれたみなさま、ふらりと立ち寄ってくれたみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。

 最近は「ブログ」という形式そのものが少し時代遅れになっちゃって、「ブログ始めました」とか書いてあると今ごろ感がただようようになりました。

 でもねー、わたしがネット始めたころ、ネットでのマンガ感想は「おもしろかったー」のひとことだけばっかりだったのですよ。自分がマンガに関する文章をネットで書き始めたのは、この状況なら自分の文章も読んでもらえるかも、と考えたことも一因です。

 ブログの時代を迎えてマンガ感想、あるいはマンガ紹介の表現は変化したと思います。マンガのコマそのものを画面上に表示して、それにあらすじ、感想、評論を加える形式。こんなのはそれまでに存在しなかった。

 批評される対象と批評文が同一の平面上に存在しながら論旨とともに両方がどんどん進行していく。これは文章を書く側にとっては禁断の果実。書籍上のそれとは違う形式を開発して、批評にとってはベストの方式。ネット上のブログはマンガ評論に新しい手法を切り開いたと思います。

 しかしこの手法の最大の問題は著作権。「批評」における「引用」は法律上許されるとはいいながら、おまはんのやっとるそれは、ほんまに「批評」なのかい?

 ネットにおけるマンガ紹介と批評の関係は、それをしている当事者にとっても悩ましい問題です。ネットで文章を書いてるひとたちはみんな同様の悩みをかかえてるはず。

 自分の書いてる文章が「批評」でないのなら、明らかに著作権侵害です。しかし批評と信じられるならそれは正当な行為。先例も判例もないなかで、わたしを含めてみなさんいろいろと大変なんですよー。

 さて漫棚通信の今後ですが、ブログの更新回数が減っております。かつてはほぼ毎日あるいは隔日に更新していたことを考えると、これどやねん、ということになるのですが、最近は、のんびり続けることにも意義があるのかなーといいわけめいたことを思いながら。今後ともよろしくお願いします。

|

« メビウスのふたつの顔「ユーロマンガ7号」「ブルーベリー」 | Main | 東西世界マンガ史を書く試み『まんが史の基礎問題』 »

Comments

毎回本当に楽しみに拝読させていただいています。
描き手に寄り添うような批評や
横どうしの意外なつながりから
異なる地平がみえてくるような紹介に
いつもワクワクします。
おかげで財布はさびしくなるばかりです。
今後も楽しみにしています。

Posted by: Yukio Iwanaka | August 17, 2012 02:15 PM

九周年ですか!
素晴らしい継続力ですね。
今後も、おおいに楽しみにしております。

小生などは、水声社の好意で、たまに
漫画関係の本を書かせてもらう程度。

『桜三月散歩道』なる自伝のあとには
『ギャグ・ナンセンス漫画史』なるものを
現在、仕上げにかかっている程度です。

10ケ月掛けて描きました漫画作品が
<原稿料>のみいただき、社の不調から
本に成れずにいたり~です。

まあ、長いマンガ家生活では
ボツや倒産で、出ない作品になってしまった
ということが、無かっただけでも
幸せかも知れませんね。

もうすこし、漫画の世界で生きたい!
「漫棚通信」は、その生活の中で
欠かすことが出来ないものです。

まだまだ、お暑い日々、
どうぞお元気で!!

Posted by: 長谷邦夫 | August 17, 2012 05:23 PM

コメントありがとうございます。たしかに九年前はこんなに暑かったっけ、というような夏ですね。みなさまお体を大切に。今後ともよろしくお願いします。

Posted by: 漫棚通信 | August 18, 2012 01:27 PM

わたくしはいつからどういう伝手で漫棚通信さんを拝見するようになったのか、もう覚えておりません。
夏目氏のブログ経由だったでしょうか?

たった9年間とは信じられません。
しかしながら、ネット・ワールドで9年間続いているというのは「老舗」といっていいのかも。

いま使っているノートブックPCがすでに10年目。
よくまあ壊れずに動いているものです。
さすがはメイド・イン・ジャパン(?)

たくさんの現代漫画を紹介して頂き、BDまで手を出して、財布は軽くなり、漫画によって部屋は覆われて、いまにも崩れ落ちそう。
諸星大二郎氏の漫画にこういう家がありましたっけ。

近年のヒット紹介は「ロカちゃん」。
いしいひさいち氏の創作意欲が全く衰えをみせていなくて、大変に面白かった。

まだまだお元気で、続々と新作漫画を紹介して頂けます事を、期待しつつ。

Posted by: トロ~ロ | August 20, 2012 09:31 PM

漫棚さん、9周年おめでとうございます。
そうですか、9年・・・・。長いのか、短いのか。
漫棚さんほどマンガ研究関係者にチェックされてるブログはないんじゃないでしょうか? ここで買う本を決める人も多いと思いますね。僕もお世話になってます。イタリアのコミック紹介は、まったく知らない世界なので、じつに勉強になります。これからも色々教えていただきたいです。
9年というと、僕が八卦掌という中国武術を習い始めてからと同じ年数ですね。う~む、長いか。

Posted by: 夏目 | August 25, 2012 11:16 AM

コメントありがとうございます。九年はやっぱ長いです。うちの子供も大学生と高校生です。上の子はそれなりのオタクになりましたが、下の子はそっち方面の素養がないようです。九年の間に書庫は魔窟化してしまいましたし。

Posted by: 漫棚通信 | August 25, 2012 10:38 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 九周年:

« メビウスのふたつの顔「ユーロマンガ7号」「ブルーベリー」 | Main | 東西世界マンガ史を書く試み『まんが史の基礎問題』 »