イタリアーンなマンガ:エッチなツインテール
ここは、みなさまが知りたくもないし知ったからといって何の役にもたたないこと(イタリアのエロマンガ史とか)が書いてあるブログです。
さて本日はイタリアマンガにおけるツインテールについて。
ツインテールって和製英語だそうですけど、後ろでひとくくりにするとポニーテール、両サイドでそれぞれくくるのをツインテールと称するようですね。
英語ではツインテールのことをピッグテイル pigtail と呼びます。
「ブタのしっぽ」は一本なのに、なぜ二本のツインテールをそう呼ぶのかよくわかりませんが、もともと中国の弁髪をさす言葉だったのが、いつのまにやら変化したみたいです。
例を出しますと、チャーリーズエンジェルに出てきたツインテール=ピッグテイルがこれ。
こういうのは三つ編みに編み込んであるから、正確を期すならピッグテイル・ブレイズ pigtail braids というそうです。
さて日本でもそうでしょうが、欧米でもツインテール=ピッグテイルは子供ですよーというサイン、お約束みたいなものです。
ですからあちらのエロ方面には「 ピッグテイル・ポルノ pigtail porn 」というジャンルがあったりします。ああホントどうでもいい知識だ。
エロ方面でツインテールが登場すれば、18歳以上だけど子供と思って見てね、という意味だったり、子供のように見えるかもしれないけど単なる髪形だかんね、という言い訳だったり。法的にはOKでも道徳的にはボーダーラインで、たいへん微妙なところですね。
ツインテールを利用したエロというのは、もちろん最近始まったものではなく、昔から存在しました(さすがにどれくらい昔からあるのかは知りませんが)。
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それでは1970年代、イタリアでの例を。
まずはイタリアエロマンガ界の巨匠、レオーネ・フローロ Leone Frollo が描いたツインテール、『白雪姫ビアンカネーヴェ BIANCANEVE 』。レンツォ・バルビエリ Renzo Barbieri の出版社から、1972年から1978年にかけて全94巻が発売されました。
内容はもちろん、おとぎの国で白雪姫がいろいろとエッチなことをするマンガです。白雪姫のエロパロディというのは世界中に存在するでしょうが、おそらく最大のヒット作。フランス語版やスペイン語版も出版されました。
最初のほうのお話は原作どおり、というかディズニーのアニメーションどおり。途中から巨人や半魚人や鳥人間やロビン・フッドみたいなのがいろいろと登場してきます。エッチを担当するのが白雪姫と継母である悪役の女王、ふたりいるからバリエーションがいろいろありますね。
後半、絵の担当がレオーネから他のひとに交代しますと、エッチ度は上昇するけど絵の魅力がずっと下がってしまいます。
カバーアートは、レオーネ自身が描いたものもありますが、多くは名匠アレサンドロ・ビフィナンディ Alessandro Biffignandi の手になるもので、これが絶品。
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もうひとりのツインテールは『魔女マゲーラ MAGHELLA 』。
マンガを描いたのはディノ・レオネッティ Dino Leonetti です。1973年に週刊誌に掲載されたあと、独立誌となり1981年までに全140巻が刊行されました。ほぼ同時にフランス語版も刊行され、フランスでも大人気。
マゲーラの年齢は作中ではっきりしていて18歳。魔女といっても、かわいい系の魔女ですな。
彼女が住んでいるのもおとぎの国です。ですからお話は基本的に伝説や童話やディズニーのパロディとなります。レオネッティの絵はフローロと比べるとずっとヘタなんですが、なんせキャラが立ってるしエッチシーンはかなり過激です。
さらにカバーアートを担当したアヴェラルド・チリエーロ Averardo Ciriello によるマゲーラが、むちゃかわいくてエロい。もともと映画のポスターとかを描いてたひとですが、マゲーラで有名になっちゃった。
ツインテールというのは、日本におけるセーラー服よりも、エロの記号として有効なのかもしれません。
Comments
三つ編みお下げ髪は「子供です」記号だと思いますが、ツイン・テールは「少女趣味(Girlish tastes)」の記号であるような気がします、なんとなく。
で、少女趣味に呼応するのは、男性では「マチズモ」
成程エロスに行き着くわけです。
全94巻、全140巻のエロスなコミックってスゴイ。
さすがは、マンジャーレ(食べて)・カンターレ(歌って)・アモーレ(恋をして)のお国柄ですなあ。
とはいうものの、本邦にも全100巻を越えてなお連載中のグルメ漫画とか警察官ギャグ漫画とか・・・
Posted by: トロ~ロ | June 25, 2012 04:01 PM