一ノ関圭の絵本『琉球という国があった』
「ビッグコミック1(ワン)」に連載されていたマンガ『鼻紙写楽』が雑誌休刊に伴い中断してしまった一ノ関圭。最新のお仕事は絵本です。
●上里隆史・文/富山義則・写真/一ノ関圭・絵「月刊たくさんのふしぎ2012年5月号 琉球という国があった」(福音館書店、667円+税、amazon)
福音館書店は月刊誌形式の絵本をいろいろと刊行してますが、これもそのひとつ。一ノ関圭としては「月刊たくさんのふしぎ2002年5月号 おおふじひっこし大作戦」以来、二回目の登場です。
絵本は子供向けの沖縄史、とくに貿易に注目して書かれたものです。写真と絵が半々ぐらいで、一ノ関圭の絵はカット的なものが多いのですが、一部にびっくりするような絵もあって、大型ジャンク船や倭寇船をこまかく描いたものは絵画としても図解としてもすばらしい。
那覇港を鳥瞰した絵は登場する十数隻の帆船のデザインがすべて異なるというものですし、那覇市場の絵は『絵本 夢の江戸歌舞伎』を思わせるモブシーン。書影には一ノ関圭の絵が載ってないので絵の一部をちらっとだけご紹介。ああ、モアレが出てうまくスキャンできない。
『絵本 夢の江戸歌舞伎』は八年がかりの労作でしたが、本作も絵を描くのに一年かかってるそうです(→文を書いた上里隆史氏のブログ)。
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