年末ベストテン雑感
年末ベストテンがいろいろと発表されてます。
●おなじみ宝島社『このマンガがすごい!2012』の選者は、有名人、書店員、雑誌編集部、大学漫研、中学校、小学校、マンガ学部+マンガ専門学校。さらに「各界のマンガ好き」(オトコ編55名、オンナ編41名)を合わせて、計オトコ編が111名、オンナ編が81名。
表紙には「400人以上のマンガ好きが選ぶ」とあります。それはちょっとマユツバですが、実際の選者はオトコ編オンナ編、それぞれ100人前後となり、かなりの人数です。基本的に昨年「2011」と同様の選考方法です。
『このマンガがすごい!』は、一昨年「2010」で集票に全国アンケートを加えるという愚を犯してしまいましたが、さすがに昨年、今年とそれはやめてます。日本でダントツに売れてるマンガはここ数年ずっと『ワンピース』なんですから、それしちゃうとね、もうブックガイドじゃなくなっちゃう。毎年『ワンピース』が上位にくるに決まってますから。
今年の『このマンガがすごい!』の結果は、オトコ編一位は『ブラック・ジャック創作秘話』、オンナ編『花のズボラ飯』という(わたしにとっては)意外な結果でした。両方とも楽しく読んだけど、ノーマークだったなあ。
●メディアファクトリー「ダ・ヴィンチ」2012年1月号のコミックランキングは読者投票です。有効投票数が約五万というからこりゃすごい。この全員がマンガにも投票してるわけではないでしょうけど、数万のアンケートですからね-。
これだけの人数による投票になりますと、当然ながら一位は『ワンピース』、以下ずらずらと有名作品が並びます。
「ダ・ヴィンチ」も本来ブックガイド雑誌のはずですが、コミックランキングに関しては、ブックガイドとしてはまったく機能してません。
ま、なんつってもミステリー・エンタメランキングの11位にはあの、水嶋ヒロ『KAGEROU』がランクインしてますので、ランキング全体の信頼性はどうよ、というところではありますが。
●エンターブレイン「オトナファミ」2012年2月号(新春特大号なのに2月号とはこれいかに)には「全国3000店の書店員が選んだ」マンガランキングが掲載されてます。
ウワサによると書店員のみなさんは、出版社からこういうアンケートを報酬なしで依頼されているそうで、ごくろうさまです。
これがなかなかヒネった結果になってておもしろい。一位『HUNTER×HUNTER』はともかく、二位が『ドリフターズ』、三位は『鬼灯の冷徹』。なるほどそうきたか。マイナーからメジャーへ境界線を少し越えたところ、という微妙な選択なのかな?
●「フリースタイル」17号の特集は「THE BEST MANGA 2012 このマンガを読め!」でした。選者55人。こちらの特徴は、選者の年齢がそうとうに高いところ。60歳以上、50歳以上がずらずらと。でもとんがってるのはこっちです。
一位はいがらしみきお『I 【アイ】』。
「このマンガを読め!」と「ダ・ヴィンチ」のランキングを見比べていたのですが、なんとベストテンは一作もかぶっていない。どころか、それぞれを20位まで見ても、一作もかぶっていません。ちょっと驚いた。これはまったくのベツモノですなあ。
「このマンガを読め!」の今年の特徴は、海外マンガが20位以内に二作、40位まで広げると五作もランクインしたところですね。確かに昨年末から本年にかけての海外作品邦訳ラッシュはすごかった。海外作品プッシュの漫棚通信としては、喜ばしいことです。
わたしも末席ながら「このマンガを読め!」のアンケートに参加させていただいてます。よろしくどうぞ。
Comments
宝島社『このマンガがすごい!2012』の9位に「めしばな刑事タチバナ」が入ってたそうで、私としてはよしよしであります。
Posted by: かくた | December 25, 2011 11:14 PM