怪人ヒイロのオリンピック:完結編
韓国で世界陸上やってますねー。今回はボルトのフライングで記憶される大会になっちゃいました。
さて陸上競技を扱ったマンガとして忘れられないのが、どおくまん『怪人(ミラクル)ヒイロ』。1985年から1988年にかけて「週刊少年チャンピオン」に連載されていました。
この作品が忘れられない理由のひとつが、そうとうな人気作品だったはずで単行本も19巻まで発売されたのに、完結編となる最終20巻がついに刊行されることがなかったこと。これは奇妙なことでした。
かつて『怪人ヒイロ』について書いたわたしの文章がこちらです。
最終20巻が刊行されなかった理由として、ベン・ジョンソンのドーピング・スキャンダルの影響か、とか、どおくまんのメンバー鈴木信治氏が亡くなったことが影響したせいなのか(※)、とかの説が出ておりました。
しかしこのたび、ついに、『怪人ヒイロ』最終20巻が、電子出版の形ですが刊行されました。
●未単行本化の『怪人(ミラクル)ヒイロ』第20巻、電子書籍としてついにリリース!
なんと二十数年ぶりですよ。いやー感慨深い。さっそく買って読みました。
雑誌連載でちゃんと完結してたのですね。ただし19巻のラストでは陸上21種目にエントリーしてたはずのヒイロですが、20巻で描かれてるのは100メートルの準決勝と決勝。その他の競技はちらっと予選風景が出てくるだけです。
でもやっぱり100メートル決勝は燃える展開ですね。二十年前に読みたかった。
しかしこの20巻のマンガ部分、100ページ足らずしかありません。こりゃ単行本化できないわ。
そのあたりの事情が「どおくまんプロブログ」に書かれています。
●どおくまんが語る幻の「ミラクル怪人ヒイロ」の生原稿発見秘話
これによりますと、(1)担当編集者がページ計算をまちがえて、単行本にするにはページが不足した。(2)さらに「名編集長のK氏」からは読み切りの続編をちゃっちゃと描けばいいと言われてしまった。
ここに登場するのは、あの、壁村耐三編集長ですね。
どうも作者としてはこれにキレたようです。結局続編は描かれず、最終20巻も刊行されることはありませんでした。以後作者は、秋田書店とも疎遠になったみたいです。
さらに今回(3)最終巻部分の原稿も秋田書店から返却されていなかったことが判明。というわけでまさに踏んだり蹴ったりの経緯ですね。
しかしなんとか刊行できたわけですから、読者としてはたいへんうれしい。ヒイロに再会したいかた、そういうひとはいっぱいいそうですが、ぜひ読んであげてください。
Comments