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June 12, 2011

「ユーロマンガ」最終号!

 フランスBDをフルカラーで邦訳紹介してきた雑誌「ユーロマンガ」が、今回発売の6号で最終号となりました。

●「ユーロマンガ」6号(2011年Euromanga合同会社/飛鳥新社、1500円+税、amazon

ユーロマンガvol.6

 編集のかたからご恵投いただきました。ありがとうございます。

 いやー、感慨深い。2008年秋「ユーロマンガ」が創刊されたとき、わたしこう書きました。

アメコミですら日本に定着しないのに、これを創刊するとは思いきったことをするなあ。

 はっきりいいまして、ちょっと無謀?な試みと思ったのですね。

 ところがユーロマンガが着実に巻を重ねるうちに、昨年から今年にかけてのBD邦訳ブームですよ。すばらしい作品が次々と邦訳されるようになりました。その先陣を切り、かつ牽引してきたのがユーロマンガ。功績は大きい。

 「ユーロマンガ」最終6号では、わたしが大好きだった『赤いベレー帽の女』が完結しました。ハードボイルド探偵モノの『ブラックサッド』はあいかわらずかっこいい。早川書房版の『ブラックサッド』は、発売後6年たつのに最近増刷されたそうですね。長く売れてるなあ。
 
 しかしあれですな、最近オールカラーの日本マンガも登場するようになりましたが、はっきりいいましてカラリングの面では、日本マンガはBDより10年以上は遅れてると感じてしまいます。

 えっとですね、日本マンガはモノクロで発達してきました。その結果、心理描写や劇的効果のため、空間を斜線や集中線で満たす工夫をしてきました。あるいは完全に空白にしたりベタにしたりして「間」をいれたりする。

 ところがオールカラーになるとそこに色を置くわけで、そうなると空間処理はまったく別のものになります。いろんなカラーの日本マンガを読むと、人物の背景空間にどんな色を置いていいのか迷い、四苦八苦してるのがよくわかります。「ユーロマンガ」に掲載されてるようなBDはそこを軽々と乗り越えてて、感心するばかり。これが歴史のチカラか。

 「ユーロマンガ」は雑誌形式としては最終号となりましたが、本年秋からは単行本出版にシフトして、まずはエンキ・ビラル『MONSTER』完訳版が刊行されるそうです。1998年に河出書房新社から第一巻だけ刊行されたシリーズです(ま、そのときは二巻以降は本国でもまだ刊行されてなかったのですが)。今後も楽しみにしてます。

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