谷口ジローの描く日本の風景『ふらり。』
NHK「ブラタモリ」の人気もあるのか、古地図ブーム、江戸ブームだそうですね。現代と過去の地図を比較する、というのが流行してるみたいで、わたしも先日それを特集してる雑誌を読みました。みんな江戸時代の「風景」に注目して楽しんでる。
で、谷口ジローの新作もそっち方面といえるかもしれない。
●谷口ジロー『ふらり。』(2011年講談社、876円+税、amazon)
江戸時代後期、寛政のころ、江戸の街を歩く初老の男性。上品な物腰で脇差しだけを帯刀。武士ではなさそうです。彼はすでに隠居の身で街歩きが趣味と見え、江戸のあちこちに出かけていきます。しかしそれだけじゃなく同じ歩幅で歩く訓練をしているらしい、ちょっと謎の人物。
作品内では最後まで主人公の名は明かされませんが、もちろん彼は伊能忠敬ですね。
まだ日本全土の測量を開始する前、家督を譲り隠居してから趣味というか野望というか、江戸で天文学を学んでいたころの彼の日常生活スケッチ。
主人公はちょっとぼーっとした人物で、夢うつつになっては動植物の視点で江戸をながめてる、という趣向です。鳥になって空から、亀になって水面から、江戸の景色が描かれます。
谷口ジローが江戸時代の「風景」にいどんだ作品です。ここで描かれるのは、家屋や道、橋などの街並み、神社や桜、そして富士山です。
もちろん描かれているのは、すでに失われた日本の景色です。現代人でこの風景を見た人は誰もいない。ですからそこに描かれているのは嘘、といえばそのとおり。しかしその嘘でどれだけ読者の郷愁をさそうことができるか。これがねー、すばらしい仕上がり。
本書で著者は浮世絵などを参考に想像力をめいっぱい使って、かつて存在したかもしれない日本を描いてます。これまで山岳やアメリカ西部の大自然、ご近所の風景を描いてきた著者が、さらに歩を進めて、リアルと様式美を混在させた風景画に挑戦しました。
すべてのページが美しい。絶品です。











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