やっと春めいてきましたね
最近読んだマンガからいくつか。
●中村明日美子『鉄道少女漫画』(2011年白泉社、714円+税、amazon)
小田急線を舞台にした短編連作。どれもいいデキだけど、ひとが出会いすれ違う、人生の大切な一瞬を切り取った『彼の住むイリューダ』がすばらしい。
●ゆうきまさみ『鉄腕バーディー EVOLUTION 』7巻(2011年小学館、524円+税、amazon)
『パトレイバー』でもそうだったけど、「正義」とは何か、っていうのが作者にとって大きなテーマらしい。本書ではいよいよ正邪が相対的なものであることが示されてきました。
●星野之宣『宗像教授異考録』15巻(2011年小学館、1238円+税、amazon)
前シリーズも含めて15年、ついに完結。ぱちぱちぱち。宗像伝奇(むなかたただくす)の名前のモデルは南方熊楠だけど、『JIN -仁-』の南方仁もそうですね。二作とも終わっちゃったなあ。
●きら『僕らはみんな死んでいる♪』2巻(2011年集英社、419年+税、amazon)
密閉された空間に閉じ込められた複数の男女、という設定のサスペンスはいっぱいあります。たいていはその中で殺人がおこるのですけど、本書は内部で恋愛を成就させれば脱出できる、という設定。こういうのはオチまで読まないと評価保留ですが、今のところわくわくさせる展開がなかなか。
●池田邦彦『シャーロッキアン!』1巻(2011年双葉社、600円+税、amazon)
わたし中学時代にホームズものは完全制覇してますが、そういうひとは多いのじゃないか。シャーロッキアンというのはホームズが登場する作品の細部の矛盾とかを、あれこれ研究して楽しむひとたちのこと。本書はそのウンチクと現実の小事件を組み合わせたミステリの短編連作。限りなく地味。極限的にへたな絵(パースむちゃくちゃ)。でもハートウォーミングなお話ばかりでほっとしました。
●唐沢なをき『まんが極道』5巻(2011年エンターブレイン、660円+税、amazon)
前にも書きましたが、わたしも親から「まんが極道」と呼ばれてました。描くほうじゃなくて、買ったり読んだりするほうですけどね。先日、全巻読み直したところですが、ネットでマイナーな作品を誉めて評論家ぶるやつ、とかが登場しててコレハオレノコトカ。平静な心では読めない作品ですが、5巻はさらに過激で狂騒的。
●小林じんこ『JUNKIN' GAP CLASH ジャンキンギャップクラッシュ』1巻(2011年小学館、619円+税、amazon)
すっごいひさしぶり?の小林じんこ。これおもしろいおもしろいおもしろい。親元を離れて大学寮で新生活を始めた大学一年生。彼には全身タイツを着て性的興奮を得たいという欲望があった! というヘンタイ的「性」の問題を前面に押し出したコメディ。裸で暮らすルームメイトとか、理想のオナニーを求めている(らしい)ルームメイトとか、下品なガールズトークが大好きなヒロインとか、細部の描写がたまりませんわ。
Comments
え? じんこ先生が、ZENTAI漫画?
どっひゃあ~
ちなみに海外のコア・マニアな方々にも、ZENTAIで通じるそうです。
うっひゃあ~
Posted by: トロ~ロ | March 08, 2011 07:29 PM
『まんが極道』はまだ未読なんであんま突っ込んで言えませんが、マイナーマンガ作品を紹介してくれるだけでもけっこうありがたいですね。
それと古い漫画の情報とかは若い世代の感性じゃ書けませんから
Posted by: yuu | March 08, 2011 03:44 PM
『鉄道少女漫画』をアマゾンに注文。
『ウツボラ』は、読んだりしています…が。
Posted by: 長谷邦夫 | March 07, 2011 03:35 PM