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December 30, 2010

バクマンより燃える!『エロ漫の星』

 いやーこんな熱血展開になるとは。

●金平守人『エロ漫の星 素人からのエロ漫画入門』上下巻(2010年少年画報社、各762円+税、amazon

エロ漫の星 上 (ヤングコミックコミックス) エロ漫の星 下 (ヤングコミックコミックス)

 エロマンガ家をめざしている金平守人(ペンネーム・クソ虫ゴロ太、38歳童貞)の下宿に、突然乱入してきた謎の美女。彼女の指導のもと、主人公は「エロ漫の星」をつかむための道を歩むことになる……!

 書店で平積みになってたのでジャケ買い、というよりタイトル買い。上下二巻で上巻が入門編、下巻が実践編となっています。

 上巻は、オッパイや尻をいかに描くべきか、チラリズムとは何か、そして擬音や液体はどうあるべきか、というハウツーマンガ。いわゆるマンガ入門書のエロ版パロディであります。

 マンガにおけるエロとは何か、という批評的部分もあって、ギャグやパロディ満載でけらけら笑いながら読んでたのですが、下巻になってびっくり。下巻はストーリーマンガモードとなって、クソ虫ゴロ太が実際にまんが道を歩んでいくお話が展開します。

 良い師匠と悪い師匠が登場したりします。トレスばっかりしている悪い師匠のモトでエロマンガの暗黒面にとらわれそうになった主人公は、良い師匠に再会して更正。しかし持ち込みをすると一回だけはすぐ掲載してくれるけど、連載にはならないエロマンガ特有の持ち込み無間地獄に落ち込むことに……

 といったベタな展開のお話ですが、これがまあ基本ギャグマンガなのに燃える燃える。

 タイトルは『バクマン。』と『巨人の星』を混ぜたパロディタイトルとなってます。梶原一輝/川崎のぼるコンビには、マンガ家をめざす熱血マンガ『男の条件』てのがかつてありましたが、本書はその『男の条件』なみに熱血。それなりにエロいので、年末年始、家族に隠れてこっそりお読みください。

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December 24, 2010

「コミPo!」で遊んでます

 クリスマスなのでいつもとは違うことを。「コミPo!」で非実在青少年の局部アップ描写に挑戦してみました。つくってるほうは楽しい。

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December 23, 2010

今年はBDの年でした

 2010年の話題、ビッグニュースは何じゃろかと考えますと、まずは出版不況、マンガ不況。でもって電子出版のプラットフォームがつぎつぎと販売されましたけど、電子書籍ビジネスそのものはまだまだ試行錯誤が続いています。

 そして「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案」が可決されました。マンガ表現規制はひとつレベルがあがったわけで、電子出版における表現規制とか児ポ法改正とかもからんで、今後も目が離せません。

 身近なところでは「ゲゲゲの女房」のTV化「コミPo!」の発売がありますね。「コミPo!」は遊びはじめるときりがないおもしろいソフトで、いろんな使い道がありそう。

 また本年は、海外マンガ、とくに多くのBDが日本に紹介されたことでも記憶されるでしょう。

 数年前から「ユーロマンガ」が不定期ながら雑誌としてBD紹介を続けていましたが、この年末になって各社から一斉に単行本が発売。ニコラ・ド・クレシーが飛鳥新社と小学館集英社プロダクションから。国書刊行会からはモノクロBDがシリーズとして刊行。さらにメビウスの『アンカル』ですよあなた。

●ニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』(2010年飛鳥新社、2700円+税、amazon
●ニコラ・ド・クレシー『氷河期』(2010年小学館集英社プロダクション、3000円+税、amazon
●パスカル・ラパテ『イビクス ネヴローゾフの数奇な運命』(2010年国書刊行会、2500円+税、amazon
●クリストフ・シャブテ『ひとりぼっち』(2010年国書刊行会、2500円+税、amazon
●メビウス/アレハンドロ・ホドロフスキー『アンカル』(2010年小学館集英社プロダクション、3800円+税、amazon

天空のビバンドム 氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト― (ShoPro Books)

イビクス――ネヴローゾフの数奇な運命 (BDコレクション) ひとりぼっち (BDコレクション)

L'INCAL アンカル (ShoPro Books)

 『天空のビバンドム』は「ユーロマンガ」連載中に何度も読んでました。だって「ユーロマンガ」は発売間隔が長いから前のストーリー忘れちゃうし、作品そのものがもともと難解。

 「ユーロマンガ」が発売されるたびにくり返し読んだはずですが、ストーリーが理解できてるかどうか今も自信がありません。しかしド・クレシーの美麗な絵は、日本マンガになれてしまってる読者にはまさに衝撃です。

 対して『氷河期』はお話が(比較的)わかりやすいのがいいです。絵や彫刻という「美術」が忘れ去られた未来。ある探検隊が雪と氷に覆われたルーブル美術館を発見します。封印を解かれたルーブルで幻想と現実が出会う……

 ルーブル美術館からの依頼で、ルーブルそのものを題材にした作品。ルーブルの収蔵品を紹介しながらおもしろいお話を語る、というすっごく特殊な学習マンガみたいな作品。

 で、ついに出た『アンカル』。名のみ高いメビウスですが、雑誌での紹介は別にして単行本としての邦訳はほんの少し。『アンカル』の原著は全6巻で、1986年に1巻だけ講談社から邦訳されたことがありますが、それっきり。

 わたしも仏語版で数冊持ってますが、フランス語、ぜんぜん読めませんし。絵をながめてただけです。

 今回の邦訳は全6巻を一冊にまとめたハードカバー、330ページ、オールカラー。330ページったって、日本マンガじゃないですからね。りっぱな大長編であります。

 惜しいのは、邦訳の判型がB5判に近いものになっちゃったこと。原著はでかいからなあ。「ユーロマンガ」よりさらに大きく、福音館書店版タンタンよりもっと大きい。

 あとカラリングは古いバージョンのものを採用してて、最近フランスで発売されてるコンピュータ彩色のものより単調で、絵の印象がかなりちがいます。ま、これはこれで味があるんですが。

 いずれにしても、連載開始が1980年、6巻が発売され完結したのが1988年。メビウスの代表作として世界中で評判になったのはご存じのとおり。その作品が20年以上たってやっと邦訳されたわけです。ただただ、めでたい。

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December 18, 2010

年末ベストテン勢ぞろい

 年末恒例、アンケートによる年間マンガランキングが各種刊行されてます。

●「フリースタイル14号 特集:THE BEST MANGA 2011 このマンガを読め!」(2010年フリースタイル、888円+税、amazon
●「このマンガがすごい!2011」(2010年宝島社、476円+税、amazon
●「ダ・ヴィンチ 2011年1月号」(2010年メディアファクトリー、467円+税、amazon

フリースタイル14 特集:THE BEST MANGA 2011 このマンガを読め! このマンガがすごい! 2011 ダ・ヴィンチ 2011年 01月号 [雑誌]

 雑誌「ダ・ヴィンチ」のはねー、数千人規模の読者によるアンケート結果ですから、売れてる作品が勝ち、というすっきりした基準を持ってます。ただしある程度マンガを読んでるひとにとっては知ってる作品ばっかりだから、ブックガイドとしてはちょっとものたりないのじゃないかな。

 「このマンガがすごい!」は、昨年から集票方式を変更しました。多めにマンガを読んでる選者+一般読者の投票という折衷案を採用したわけです。でもこれってトンがった意見が埋もれてしまうんだよなあ。レア作品にだれかひとりが最高点つけたとしても、ベスト50にもはいらない。

 だもんで、ひとりひとりの選者の意見を読んでも、楽しさ、おもしろさがもひとつ伝わってこないのですね。

 漫棚通信は昨年に続き本年も、フリースタイルの「このマンガを読め!」のアンケートに参加させていただきました。どうぞよろしく。

 伊藤剛氏によると「フリースタイルは中高年向け」なんだそうです。たしかに選者の平均年齢も高そう。

 「このマンガを読め!」では、あの作品とかこの作品とか、「このマンガがすごい!」ではかすりもしなかった(50位圏外)作品が、三作もベストテン入りしてます。

 わたしなどはフリースタイル「このマンガを読め!」のベストテンのほうが、しっくりくるんですよね。読んでて楽しいのも、じつはこっち。中高年だから、かな。

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December 15, 2010

今日は何の日?

 立ってもすわっても寝ても痛い、という身の置きどころのない激痛は去りましたが、あいかわらず首から右肩が痛い、右手に力がはいらない状態が続いております。ずっと禁酒してますからむしろ健康的だったりして。

 さて、2010年12月15日。今日は何の日?

 水嶋ヒロ、処女作の発売日だ!(←買った) 「コミPo!」の発売日だ!(←買った) いえいえ、東京都条例改正案が本会議で可決された日です。

 それなりに名のあるひとたちがあちこちで、単なるゾーニングの問題じゃーん、とつぶやいています。しかし販売規制が表現規制とイコールであることは、考えればすぐわかることですし歴史が証明しています。

 マンガの表現規制は今始まったものじゃなく、戦後ずっと繰り返されてきて、さらに今後もエンドレスに続くものですが、今回の改正案こそマンガ表現および市場に対し、もっとも広くかつ深刻な規制の網をかけるものになるでしょう。

 昭和13年の「内務省通達」以後、戦前日本の子どもマンガはほぼ消滅してしまいました。日本人はかつてそういう歴史を経験していながら、また同じ道を歩もうとするのか。

 これで終わりじゃありません。こういうやつら↓がまだまだうごめいているのです。

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December 10, 2010

ブログ更新が滞っております

 いやーどうにもこうにもですが、持病の頸部椎間板ヘルニアが悪化して、寝込んでおります。症状は痛みと右上肢の脱力ですね。これまでも数年ごとに出現してて、持続は一週間ぐらいだったのに、今年はひどい。

 というわけで、ブログ更新の頻度が減ってます。うちのブログを楽しみにしていただいてるかたには申し訳ありません。歳はとりたくないものですね。

 それはそれとしてゴルゴ13の持病は首のヘルニアだと思うがどうか。

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December 05, 2010

「非実在犯罪規制条例案」だヨ!全員集合

 東京都が性懲りもなく本年6月に否決された「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正案を、修正した上で再度提出してるわけですが。

 前回は珍妙な「非実在青少年」という新語が有名になりました。今回はそれにもましてまさに「非実在犯罪規制条例案」となってます。

 なかでも規制対象が「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)」てのはなんやねん、とあちこちで評判になってますね。石原慎太郎東京都知事の書いた小説とそれを原作にした映画を除くための文言である、との評判がもっぱら。

 しかしマンガの表現規制は昨日今日始まったものではありません。ネット上にはこういうのもあります。ただしこれでは細かいことはよくわからない。書籍なら橋本健午『有害図書と青少年問題』(2002年明石書店)という労作がありますが、微妙に古くなっちゃった。そこでこれ。

●長岡義幸『マンガはなぜ規制されるのか 「有害」をめぐる半世紀の攻防』(2010年平凡社新書、780円+税、amazon

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)

 良書です。勉強になるなあ。東京都は今回の条例改正案を単なるゾーニングの問題であると矮小化しようとしてますが、本書を読めばそんなはずはないことがよくわかります。

 章立てとしては、『第一章:ドキュメント「非実在青少年」規制問題』で本年春の騒動の総括(けっこう知らないことも多かった)。『第二章:規制の論理とその仕組み』では現状でいかにマンガは自主規制されているかのルポ(けっこうみんなきちんとしてるじゃないか)。

 第三章と第四章が『マンガ規制の歴史』で、本書の半分以上を占めてます。ここが読ませどころで、手塚治虫らが批判された「悪書追放運動」や永井豪『ハレンチ学園』などが有害図書に指定された事件に始まり、90年代の「ポルノコミック」規制から現在にいたるまでマンガ表現規制がいかになされてきたか。簡潔かつわかりやすい記述がなされてます。

 著者はマンガ規制問題を長く追っかけてきたジャーナリストですが、記述は意外なほど冷静。

 いやーあれですな、表現規制は一見、保護者や消費者運動のように見えても、じつは警察が深く関与してるんだなあと。そしてマンガ表現規制にはマスコミ(新聞、週刊誌、TV)が大きな役割を果たすのですが、彼らは表現問題について少しはマジメに考えてるのか、ほんとにどうしようもないなあと。

 表現規制というのはたいてい警察主導で警察関係の団体が投書かなんかして、その後マスコミが追従して騒ぎになってるのですね。

 本書を読みますと(1)表現規制で性犯罪が増えるか減るかの実証はどうでもいいと考えているひとがどれほど多いか。(2)自分の不快な表現を規制するためには「表現の自由」はどうでもいいと考えているひとがどれほど多いか。

 「規制をしたいひと」というのは何がどうあっても規制をしたいのであって、理屈とか論理とか通じない(のじゃないか)のがよくわかりました。エンドレスの戦いは続くのです。

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December 01, 2010

宝島社のフライング、その他のこと

 宝島社『このマンガがすごい!2011』の予約がアマゾンで始まってるのですが、ありゃりゃ、書影が掲載されてるよ。

●『このマンガがすごい!2011』(2010年宝島社、476円+税、amazon

このマンガがすごい! 2011

 ウチのブログにはあえて書影を小さく掲載しておきますが、書影でオトコ編、オンナ編のそれぞれアンケート1位がわかっちゃうのですね。発売は12月10日。

 同じ宝島社でも『このミステリーがすごい!2011』のほうは書影載せてない。それにもともと『このミス』は表紙だけじゃアンケート1位がわからないようなデザインです。

 うーんそれにしてもこの二作がトップに来たか。わたしの印象ではどちらもビッグマイナーみたいな感じだったけどなあ。

 昨年『このマンガがすごい!』は、選者の数をすごく増やしてああいう結果になりましたが、今年はどんな選考方法にしたんだろ。あと誰が投票したのか。いろいろと発売が楽しみです。


 年末のお楽しみがもうひとつ。こちらはもう発売中。

●『少年画報 昭和35年正月号 完全復刻版』(2010年少年画報社、5238円+税、amazon

少年画報 昭和35年正月号 完全復刻版

 出版社のサイトはこちら

 月刊雑誌「少年画報」の黄金期は、武内つなよし『赤胴鈴之助』、河島光弘『ビリーパック』、桑田次郎『まぼろし探偵』、堀江卓『天馬天平』、手塚治虫『スーパー太平記』などがそろい踏みをしていた1959年正月号。この号で戦後マンガ月刊誌の新記録である80万部発行を達成しました。

 今回の復刻は、惜しくもその一年後、1960年正月号です。『赤胴』『ビリーパック』『まぼろし探偵』はなお連載中。でも1959年3月にはサンデーとマガジンが創刊され、時代は週刊誌時代に突入つつある、というマンガにとっても激動の時代ですね。

 わたしが「少年画報」を買ってたのは手塚治虫『マグマ大使』や藤子不二雄『怪物くん』が載ってた1965年ごろなので、この時代のことはよく知らないのですが、この復刻はすごく楽しみ。明日あたりアマゾンから到着予定。


 さて、『よつばと!』。夏に始まった物語も、秋が深まってまいりました。

●あずまきよひこ『よつばと!』10巻(2010年アスキー・メディアワークス、600円+税、amazon

よつばと! 10 (電撃コミックス)

 でね、主人公のよつばって、漢字でしゃべらないんだよね。基本よつばのセリフはひらがなとカタカナから成り立ってます。

 さすがに五歳だもんね。漢字読めないんだな。これをウチの家族に言うと、あったりまえじゃん、みんな知ってたよー。

 ところが。1巻を引っぱり出してくると、あれれ、1話の初っぱなから、「とーちゃん ここがいっぱいあるな!」

 漢字しゃべってるがな。

 じつは4巻までは、よつば、ときどき漢字でしゃべってるのですね。でもその後よつばが使うのは徹底してひらがなとカタカナとアラビア数字だけとなります。3巻では「牛」だったけど7巻では「うし」ね。

 あ、あと7巻で一回だけ「NO」と、英語しゃべってましたね。

 何の役にもたたない、どうでもいい知識でした。

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