秋の海外マンガ(その3)
さて、じつはこれから出る海外マンガのラインナップがちょっとすごいことになってるのですよ。参考にさせていただいてるのはコチラのページ。いつもお世話になってます。
まず、ニコラ・ド・クレシー。『ユーロマンガ』に邦訳連載され、日本読者の度肝を抜いた『天空のビバンドム』が単行本として出版されます。
●ニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』(飛鳥新社、10/29)
アマゾンではまだ取り扱いが始まってないみたいですが、10月29日ごろ発売らしいです。絵の完成度を追求して限りなくアートに近づいた「マンガ」。日本マンガとはまったく別方向に進化した作品です。
【追記】発売は11/8に決定したそうです。http://www.euromanga.jp/category/news
そして、ニコラ・ド・クレシーでもう一冊。
●ニコラ・ド・クレシー『氷河期』(小学館集英社プロダクション、11/9、amazon)
『氷河期』はルーブル美術館が依頼して描かれた作品で、ルーブルを題材にしたシリーズの一冊。日本からは荒木飛呂彦が、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』という作品でこのシリーズに参加したことで話題になりましたね。
国書刊行会からは、「バンドデシネ・コレクション」というシリーズでモノクロBDの刊行が始まるそうです。第一弾が11月発売のこれ。
●パスカル・ラパテ『イビクス:ネヴゾーロフの数奇な運命』(国書刊行会)
原作はアレクセイ・トルストイだそうです。わたしアレクセイ・トルストイの大長編をなぜか浪人中に読んでまして(何やってんだか)、個人的に思い入れのある作家なんですよ。続いて下記作品も刊行予定です。
●クリストフ・シャブテ『ひとりぼっち(仮)』(国書刊行会)
●エマニュエル・ギベール『アランの戦争:アラン・イングラム・コープの回想録(仮)』(国書刊行会)
小学館集英社プロダクションからは以下も発売されます。
●マーク・ウェイド/アレックス・ロス『キングダム・カム 愛蔵版』(小学館集英社プロダクション、10/30、amazon)
●マーク・ミラー/ジョン・ロミータJr.『キック・アス』(小学館集英社プロダクション、11/19、amazon)
●メビウス『アンカル』(小学館集英社プロダクション、今冬)
『キングダム・カム』は名作の復刊。『キック・アス』は映画化されたおかげの邦訳です。でも最大の期待作はメビウスの『アンカル』。かつて1巻だけ邦訳されたことがありますが、長らく幻の作品でした。わたし仏語版で何冊か持ってますが、まあフランス語読めませんし。すごく楽しみにしてます。
ヴィレッジブックスからは下記が予定されてます。
●『X-MEN/アベンジャーズ:ハウス・オブ・M』(ヴィレッジブックス、10/30、amazon)
●『グリーンランタン:リバース』(ヴィレッジブックス、今冬)
●フランク・ミラー/デビッド・マツケリー『デアデビル:ボーン・アゲイン』(ヴィレッジブックス、今冬)
古典的名作の『デアデビル』が楽しみ。それにしてもDavid Muzzucchelliは、邦訳されるたびにマッツケーリとかマズッケリとかマツケリーとか表記が変わるんだけどどうにかならんか。
さらにこの春アメリカで発売されベストセラーになった話題作。11月にソフトバンク・クリエイティブから出ます。
●ステファニー・メイヤー/キム・ヨン『トワイライト』(ソフトバンククリエイティブ、11/13、amazon)
ご存じ、美少年吸血鬼が登場する英語版ライトノベル(全世界で大ヒットして映画化もされました)「トワイライト」シリーズがマンガ化されたもの。絵を描いてるのは韓国人女性ですね。もの好きなわたしはすでに英語版で読んじゃってますけど、日本語版も買うことになるんだろうなあ。
とまあ、この秋から冬にかけての海外マンガ邦訳は目が離せません。
Comments
あうう、「スコット・ピルグリム」はこの夏に挑戦して、残り二巻のところで挫折してるんですよ。あの本はセリフばっかりで比較的簡単な英語なのに……
Posted by: 漫棚通信 | October 18, 2010 09:53 PM
こんにちは。
http://www.famitsu.com/news/201010/14034733.html
じつは「スコット・ピルグリム」も12月に急遽発売決定したんですよ。
こうして見ると海外コミックの絵柄のパターンは全部そろったという感じですか。
Posted by: 国立珠美 | October 17, 2010 09:51 PM