東映まんがまつりふたたび!『デビルマン対ゲッターロボ』
まずは歴史的なことから。
1973年「夏休み東映まんがまつり」で、東映動画の劇場用アニメ「マジンガーZ対デビルマン」が公開されました。
当時のマジンガーは集英社「ジャンプ」連載でアニメはフジテレビ、デビルマンは講談社「マガジン」連載でアニメはNET(放映はもう終わってましたが)。掲載誌も放映局もちがうヒーローの競演、という夢の企画がスクリーン上で見られる、というのでこれが大ヒット。
1974年夏の第二作「マジンガーZ対暗黒大将軍」はTVの「マジンガーZ」終了、続編の「グレートマジンガー」開始を劇場映画で先取りした作品でしたが、1975年春の第三作「グレートマジンガー対ゲッターロボ」では再度クロスオーバーが実現。
マジンガーはすでに講談社系に移籍してました。今度は小学館系のゲッターロボと競演(アニメは両方ともフジテレビ系)。こっちのほうが企画実現はかなり困難だったと言われてます。
以後、1975年夏の第四作「グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突」、1976年春「UFOロボグレンダイザー対グレートマジンガー」、1976年夏「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦!大海獣」とクロスオーバーが続いて、当時の子どもたち大喜び。
でね、豪ちゃんの新作がこれ。
●永井豪『デビルマン対ゲッターロボ』(2010年秋田書店、552円+税、amazon)
あー、またデビルマンかよー、と思って読んでみたら、これがまあ、調子のいいお気楽な作品でびっくり。マンガで描かれた「東映まんがまつり」でした。
ゲッターロボと戦う恐竜帝国に、妖鳥シレーヌひきいる悪魔軍団が援軍として参加。そこへふらりと登場する不動明と牧村美樹。
早乙女ミチルと牧村美樹のダブルヒロインが、早乙女研究所の露天風呂でじゃれているところに襲いかかる悪魔軍団! このあざとさを見よ。なぜそんなところに露天風呂がある。
デビルマンとゲッターロボが「誤解」によって戦うシーンもありますし、お約束どおりで楽しくなっちゃいますね。
本作でのデビルマンは、ビジュアルはマンガ版そのままですけど、ノリはアニメ版調でかなりご陽気。デッビール!というかけ声で変身するし、デビルビームなんかも出します。
ラスト、「悪魔軍団+恐竜帝国」対「デビルマン+ゲッターロボ+女性ロボット」の対決は、お見事なアイデアとスペクタクルで痛快。アニメで見たくなっちゃいました。きちんと楽しめる永井豪作品はひさしぶりだなあ。豪ちゃんはこうでなくっちゃ。
次作は『デビルマン対けっこう仮面』かもしれない、と匂わせておしまい。わはは、これはぜひ描いてほしい。
Comments
なんだか徹夜途中のハイテンションで一気にネームを仕上げちゃった、って感じがしていいですねー。
わくわくして眠れないですよ、これは。
脳内麻薬です。
Posted by: トロ~ロ | October 23, 2010 04:02 PM
自分としては「ゲッターは石川さんのもの」という意識が強いので、永井先生がゲッターを描くことに抵抗を感じてしまいます。
Posted by: ぐりぞう | October 23, 2010 12:12 AM