辰巳ヨシヒロがなにやらすごいことになってる
今年の1月に発行された本ですが、書店でこういうのを見つけて買ってきました。
●辰巳ヨシヒロ『限定復刻版 黒い吹雪』(2010年青林工藝舎、1500円+税、amazon)
本書は1956年に描かれた貸本向けマンガ単行本の復刻。手塚治虫文化賞大賞を受賞した辰巳ヨシヒロの自伝マンガ『劇画漂流』(2008年青林工藝舎)によりますと、辰巳ヨシヒロ自身が『黒い吹雪』を描いている最中、これぞ創作のダイゴ味、と手応えを感じた作品だそうです。
『黒い吹雪』のアマゾンでの紹介文を読んでいただければわかりますが、今や辰巳ヨシヒロは、各国で日本を代表するマンガ家として評価されてます。
80年代以降むしろ海外で評価され、国際的なコミック・フェスティバルにノミネートされること多数。2005年の仏アングレーム国際コミック・フェスティバル、2006年の米サンディエゴ・コミック・コンヴェンションでは、マンガを大人の観賞に堪えうる「芸術」へと引き上げた功績が認められ、特別賞を受賞。2009年4月、ニューヨークで行われた世界文学祭Pen World Voices Festivalでは、世界の芸術をリードする作家の一人として、マンガ家としては異例の招待を受け講演、大好評を博す。本書「黒い吹雪」は2010年にはカナダDrawn & Quarterlyより英語版の出版が予定されている他、2008年に出版された「劇画漂流」は英語、スペイン語で既に翻訳され、今後もフランス語、インドネシア語など世界各国で翻訳予定。
『劇画漂流』はついにインドネシア語版が発行されたそうですし、『劇画漂流』の続編も、カナダで出版される予定で描き進められてるとのこと。
ツイッターで教えていただきましたが、イギリスでも辰巳ヨシヒロがずいぶん人気だ、という記事がこちら。
●少女漫画に学ぶ[ヲトメ心とレンアイ学]著者が探るロンドン漫画事情 - 辰巳ヨシヒロが人気! 『DMC』も!?
さらに『劇画漂流』は今年のアイスナー賞二部門でノミネートされてます(「Best Reality-Based Work 」部門と「Best U.S. Edition of International Material-Asia 」部門)。
今年のアイスナー賞の日本勢としては、浦沢直樹が『20世紀少年』と『PLUTO 』でのべ5部門ノミネート、しかも「Best Writer/Artist 」部門にノミネートされてる、というのが話題みたいですから、『劇画漂流』はちょっときびしいかもしんない。賞の発表は7月のサンディエゴ・コミコン。結果が楽しみですね。
さらにさらに、現在、辰巳ヨシヒロ作品がシンガポールでアニメーション映画として制作されているそうです。
タイトルはそのものズバリ、「TATSUMI 」で、監督はエリック・クー。辰巳ヨシヒロの短篇や『劇画漂流』の一部からなる88分の作品だそうです。今年の10月、東京国際映画祭に出品予定。
辰巳ヨシヒロで、シンガポールで、アニメで、ってもうなんつーか、こちらの想像をこえるワールドワイドさですなあ。
この映画、日本語版もつくられるみたいで、「シンガポール在住の大阪弁をしゃべることができる声優(経験者歓迎)」が募集されてました。
声優さん、ちゃんと見つかったのかしら。
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