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July 26, 2010

混沌だなあ「ネメシス」

 編集のかたからご献本いただきました。ありがとうございます。

●「NEMESIS 」1号(2010年講談社、905円+税、amazon

NEMESIS No.1 (KCデラックス)

 「月刊少年シリウス」別冊の形で刊行された季刊誌の創刊号。

 じつをいいますと、本を開いてまず塩野干支郎次による巻頭イラストピンナップ(=美少女系パンチラ)を見たときは、これをいったいおれにどうしろと、と頭をかかえました。いやわたしも一応女子高校生と女子中学生の父親なもんで。

 でもね、雑誌のラインナップはけっこう統一性がなく、ぐっちゃぐちゃしてていい感じ。カオスというか混沌というか(同じだ)。ホラー・サスペンスと萌えと軽エロとギャグ。イイ話系がひとつもない、というのが編集方針?

 イチオシはすぎむらしんいちのゾンビもの。女ゾンビが跋扈する世界で生き残るのは引きこもりの童貞だけ、というステキな作品で連載第一回、以下次回となってます。これは骨太で読みごたえあるなあと思った三作(岡村星『誘爆発作』、木葉功一『ディザインド』、西野マルタ『五大湖フルバースト』)は、WEB連載の「MiChao!」で連載されてたものの再録でした。友美イチロウのギャグマンガ読んで、そういえば単行本持ってた、と思い出したり。

 オッサン的には、清野とおる(北区赤羽のひと)のエッセイマンガとか柳沢きみおのエッセイ(マンガじゃないよ)が息抜き。雑誌にこういうのがあるとほっとしますね。

 「ゲゲゲの女房」の昔から「講談社の雑誌に作品が掲載される」というのは大きな目標でありました。今もそれは変わらない、はず。デジタル出版元年といわれる今、あえて新創刊する紙の雑誌にはがんばっていただきたい。

 あとシリウス/ネメシスは、編集長が酒場でひとをどついてたいへんだったみたいですが、うちにご献本いただいたのはその事件よりずっとあとですので。

 もひとつ。月刊少年シリウスのサイトでWEB連載している、まがりひろあき「魔女っ娘つくねちゃん swf(ふらっしゅ)」は毎回腰がぬけるほどおもしろいので、みんなチェックするように。

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