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November 30, 2009

風呂マンガというジャンルの誕生?『テルマエ・ロマエ』

 いやー、おもしろいおもしろい。前代未聞の風呂マンガ。

●ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』1巻(2009年エンターブレイン、680円+税、amazon

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)


 書影では、全裸のローマ彫刻像が風呂桶持って肩に手ぬぐい引っかけております。

 タイトルになってる「THERMAE ROMAE」というのはラテン語ですな。現代イタリア語などでは「テルメ」と発音されますが、古代ローマに存在した公共浴場のことです。英語版Wikipediaに図版がありますのでどうぞ。

 こういう建築物がいっぱいあったローマには当然、浴場専門の建築技師もいただろう、と。そして新しい風呂の形を求めて、日々精進していただろう、と。

 というわけで本書の主人公は紀元一世紀ローマ帝国の、進取の気性に富んだ浴場専門の建築技師。このあたりがすでにもう空前のずっこけ設定。

 彼が現代日本の銭湯にタイムスリップ。言葉の通じない古代ローマ人と日本人のコミュニケーションに関するギャグがいくつかあります。違う文化の「風呂」に触れて勉強した主人公、トラブルもなくすぐに古代ローマに戻り、日本銭湯ふうの風呂をつくり評判になる、というのが連載第一回のお話。なんじゃこりゃ。

 って、このまま第一回だけで終わってたら、一発ギャグみたいなものだったでしょうが、これを不定期ながら連載するのだからビームはえらい。

 この後、主人公はくりかえし昭和から現代の日本を訪れ、異文化の風呂を体験することになります。

 古代ローマの街並みや服装、風俗はかなり考証されて描かれてるみたいだし、外部の目から日本の風呂とはなにかをあらためて見ることにもなり、風呂とは何かの比較文化論みたいなものでもあり。

 コントとして読んでも楽しく、知的好奇心も満たされる。おもしろくてためになる、新しい学習マンガでもありますね。

 著者はイタリア留学の後イタリア人と結婚。現在はポルトガル、リスボン在住だそうです。ワールドワイドな風呂マンガ、というえらいものが誕生しました。

 タイムスリップという時空をこえる反則技を最初から使ってるのですから、こうなりゃもう、江戸の銭湯とか世界の風呂めぐりもやってくれないかな。

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Comments

満棚通信さんは、どうしてこうも私の好みのツボを押さえたような新しいマンガ本を、幾度も紹介されるであろうか。
こうとなっては、金に糸目を着けないマンガ生活にどっぷり浸ってみたいものです。

Posted by: トロ~ロ | November 30, 2009 11:55 AM

あ。
失礼しました。

× 満棚通信さん
○ 漫棚通信さん

Posted by: トロ~ロ | November 30, 2009 12:00 PM

一読病み付きになりました♪
いやあ、これは思う以上に面白い。

「顔の平たい民族」って良かったです。

温浴を好む民族って思ったより少ないかもしれませんね。
アフリカやアジアの暑い地域は川で水浴だろうし。
アメリカとヨーロッパはシャワー中心でバスタブは一部の富裕層とか上流階級だろうし。ジャグジーとか。
北欧はサウナですね、凍った湖に飛び込んで汗と火照りを冷ましますよね。
シベリア・アラスカあたりは夏は水浴、冬は拭くだけでしょうね。

水と温泉に恵まれたニホンジンとローマ帝国人に幸いあれ。

Posted by: トロ~ロ | December 07, 2009 01:48 AM

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Tracked on November 30, 2009 01:39 PM

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