ちょっと雑談
映画鑑賞の世界では、年間365本を見るというのがひとつの基準になってるらしいです。この本数をこえると周囲のひとびとにいばれる。
むかし田舎の映画館では三本立て上映というのが普通でしたし、オールナイトの名画座では五ないし六本が上映されてました。ですから年間365本というのはそれなりにクリアできる数のはずでした。まして今やレンタルDVDがあるわけですから、努力次第でこれは可能。
批評、評論の世界では、数は力であります。数を見てるひとはエライ。
さて、マンガの世界ではどうか。
わたしのようにネットでマンガに関する文章を書いているマンガ読みは、基本的に単行本でマンガを読んでるひとが多い、のだと思います。ですから年間にどれだけのマンガ単行本を買ってるかというのが、マンガに関する文章の信頼性を担保するものなのじゃないか。
でね。実際にわたしんちでどのくらいのマンガを買っているかというと。
数年間継続的にチェックしてみたところ、年間に70万円というのがわたしのマンガに対する支出でした。マンガ単行本一冊が500円弱から1000円超であることを考えると、単価1000円として700冊。
わたしは平均一日に二冊のマンガ単行本を読んでいることになります。
ただし、購入している量としては多いと思いますが、マンガ読書の絶対量として多いかというとそうでもないようです。
わたしの同僚で毎日のように喫茶店で昼食を食べ、そのとき店に置いてあるマンガ雑誌を読んでいるというひとがいます。おそらく彼はわたしより多くのマンガに接しているのではないか。実際のところ、彼が読んでるマンガでわたしが読んでないものは多く存在します。
日本マンガだけに限っても、評判になった作品のすべてを読むのは不可能です。わたしは世間のひとより比較的あちこちにアンテナはってるつもりですが、それでもある程度評判になってても読んでない作品は多い。
たとえば『神の雫』なんか、自分でワインも飲むし大ヒット作品なんだけど、立ち読みした上でマンガ読みとしてはああいうのはパス、なんてね。
世間にはそういう作品をすべて読んでる、あるいは自分で新しい作品を発見しているプロのライターのかたが多くいらっしゃるようです。そのかたがたに比べると自分などはダメダメなのを自覚します。
いや何が言いたいかといいますと、すべてのマンガを読むことは不可能である。だからこそすぐれたマンガに対する批評(ネット上のそれを含めて)は必要である。という話なんですけどね。
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