ついったーをマンガ化すれば『中央モノローグ線』
すてきな二色のカバーデザインに引かれジャケ買いしたけど、これはよかった。
●小坂俊史『中央モノローグ線』(2009年竹書房、743円+税、amazon)
一巻だけで完結してます。えっと四コママンガです。
中野から武蔵境まで、東京の中央線沿線、8つの街に住む8人の女性のお話。彼女たちは互いに知り合いというわけでもありません。
彼女たちがモノローグでいろいろとつぶやいているマンガ。そのつぶやきの内容の多くは、自分の生活と住んでる街とのかかわりについて。
四コママンガですから四コマ目で一応のオチがあるのですが、すべって転んでぎゃふんというようなものではありません。しようがねえなあ、という感じのオチが多いし、そもそもオチてないのもあります。だって彼女たちのモノローグは、日々の生活のなかでのつぶやきですからね。
個人的つぶやきがそれぞれの街の姿を描き、さらにその集成が中央線沿線という大きな地域を描いていく。わたし最近「Twitter」始めたもので、それにちょっと似てるなと感じました。みんながかってにつぶやいているのに、総体として作品になってるじゃないか、なんてね。
わたしが好きなのは、武蔵境に住む中学生、キョウコちゃんの話。土地勘がなくてよくわかんないのですが、武蔵境と隣の三鷹との間には大きな「中央線のカベ」があるらしい。
そこからむこうは都会、こっちは田舎、なんだそうです。ですから彼女はこの壁を越えること=大人になることと考え、いろいろとトライしては挫折し、さらに未来を夢見ます。
知ってる地域のあるあるネタというわけでもなく、これは普遍だよなあ。
というわけでわたしとしてはたいへんお気に入りなのですが、この作品ウチの家族には、中央線ったってなじみないしー、ジミやしー、とあまり人気がありません。お前らはわかっとらんっ。
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Comments
数年前に二年弱、東小金井に住んでました。
武蔵境から西が田舎ってのは、何となくわかります。西武多摩川線ってのが凄いローカル線で。
でも俺はその「東京の田舎」がとても気に入ってて、
20年近く関東を転々とした中でも一番好きな地域です。
Posted by: けおら | October 28, 2009 12:31 AM
> お前らはわかっとらんっ。
「あんたにゃわかるめー」と叫ぶところでしょうか(笑)。
Posted by: かくた | October 27, 2009 12:01 AM
はじめまして
ワタシも、特に、キョウコの物語に魅かれました。
東北で生まれ育ち、三十歳を過ぎて上京したものですから。
Posted by: toriharu | October 24, 2009 09:06 PM
こんにちは
小坂俊史さんは現在『まんがライフ オリジナル』で、『中央モノローグ線』の続編である『遠野モノがたり』を連載中です。そちらもぜひ。
Posted by: redstuff | October 24, 2009 02:12 PM
>お前らはわかっとらんっ。
その通りでございます!!
Posted by: トロ~ロ | October 24, 2009 02:47 AM