ルーヴル展とやなぎみわと巨大ラバダック
誰が名づけたかシルバーウィーク、世間では五連休だそうですね。ひとが休みのときにわたしが仕事してるのはいつものこと。土曜も仕事、日曜も仕事、明日の火曜も仕事。
というわけでぽっかりあいた本日は、家族サービスで高速使って大阪へ行ってきました。
中之島の国立国際美術館で、もうすぐ終わっちゃう「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」と「やなぎみわ 婆々娘々!」。
ルーヴル展はねー、終了が近づいたせいかすさまじい混雑でして、わたしの認識が甘いのでしょうか美術館じゃこれくらいの混雑はたいしたことないっ、とおっしゃるかたもいらっしゃいますでしょうが、いやどうもまいりました。
わたしのうしろに立ってたおばちゃんたちの会話。
ぜんぜん動かんなー、前のほう行ってもあっちも混んでるしなー、そうやまじめにこの順番守ってんのがいちばんやで、それにしても全然動かんなー、係のひともっとちゃんとせなあかんわ、でもまじめにこの順番守ってんのがいちばんやで、それにしてもぜんぜん動かんなー、係のひともっとちゃんとせなあかんわ。
とまあエンドレスでくり返してて、前に立ってたわたしはその会話のほうに死ぬ思いでした。彼女たちはそのあげく、もう先行こ、と向こうのほうに行ってしまわれましたが、その後どうされたでしょうか。
展示そのものは古代エジプトの彫刻のとなりに17世紀の肖像画があるというぐあいでして、テーマと意欲はわかるけど、あまりといえばあまりの展示方法。
いっぽう、やなぎみわ展はたいへんけっこうでした。細部まで作り上げたフィクションの世界が圧倒的。
展示してある大きな写真では、オタクの部屋という設定(?)の「MIKIKO」という作品など書棚の本(多くはマンガ関係)がすべて判読できます。妻などは、あんたあれ全部持ってるやろ、と言ってましたが、いえいえ存在を知らない本などもあって、ひと知れずくやしい思いをしておりました。
美術館のあとは新しく開通した京阪中之島線で天満橋に出て、巨大アヒル(giant rubber duck )見物。
ありえない物体がそこにあるというだけで、世界が何か別のものに変容してしまってる、という気分。もうでかいというだけでアートですな。
ただしお台場のガンダムほどの衝撃はありませんでした。これはなんなんだろ。
アヒルよりガンダムがでかい、ということもあるのですが、いっぽうが「巨大」ラバダックであるのに対し、もういっぽうが「1/1」ガンダムである点が大きいのではないかと。
「アヒルという生物をミニチュアのオモチャにしたものをさらに巨大化したもの」対「もともと巨大な架空のロボットを“実物大”でレプリカにしたもの」という設定の差。
「こち亀」166巻に描かれていたように、「本物の」「実物大の」「1/1の」ガンダムとはいったい何なのか(もともと単にアニメの設定にすぎないのに「実物」とは何ぞや)、ということでしょうか。つまり「ガンダム」のほうが、フィクションのレベルが上であるぶん勝ち。
あともちろん、巨大アヒルには日本人なら当然付け加えるであろうギミック(目が光るとか煙を出すとか羽根を動かすとか)が存在しないとか、日本的カワイイとは微妙に異なるとかもあると思うのですけどね。
Comments