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August 28, 2009

夏も終わりですが

 夏休みをとって家族旅行で沖縄に行ってました。

 知り合いの消防士さんとこのご一家は、インフルエンザが大流行中(現在のところ全国平均の十数倍)の沖縄で消防士/救急隊員がインフルエンザをもらってきてはまずいだろう、という理由で沖縄旅行を中止してしまいましたけどねー。ウチのご近所では塾で流行ってたりするし、もうどこもいっしょじゃん、というわけで決行。晴天が続いて良かったですよ。

 ただしわたしのパターンは、昼はひたすらビーチとプールサイドで寝っ転がってビール飲みながら本を読んでるだけ、夜はさらに飲んだくれてるだけ。今年のプールサイドのおともは藤岡真『七つ星の首斬人』(2009年東京創元社、1900円+税、amazon
)でありました。おそらく殺人方法に関しては空前。

七つ星の首斬人 (創元クライム・クラブ)

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 マンガショップ/パンローリングからは「寺田ヒロオ全集」というべき復刻が続いてますが、講談社からはこういう本が発売。

●『少年のころの「思い出漫画劇場」 寺田ヒロオの世界』(2009年講談社、2000円+税、amazon

少年のころの思い出漫画劇場 スポーツマン金太郎 寺田ヒロオの世界

 マンガ作品の復刻、書影などのカラー写真、作品紹介、年表、寺田ヒロオの評伝を書いた梶井純や本人の文章などから構成されてます。

 みずから筆を折り一線から退くという人生をおくったひとですが、作品はあくまで明朗闊達で今読んでもすばらしい。

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 雑誌「idea アイデア」2009年9月号の特集は、「漫画・アニメ・ライトのベル文化のデザイン(後編)」でありました。

●「idea アイデア」336号(2009年9月号、誠文堂新光社、2829円+税、amazon

idea (アイデア) 2009年 05月号 [雑誌] idea (アイデア) 2009年 09月号 [雑誌]

 書影左が特集の前編が載った334号(2009年5月号)で、書影右が今発売中のもの。

 日本のマンガ単行本やマンガ誌のデザインはどのようなものであるのか、これだけ集められるとすごい。

 今号には手塚治虫の自作タイトルレタリング400点以上一気掲載、などの壮観な企画もあります。

 おもしろかったのは、内田明「来るべきマンガタイポグラフィ研究のために」という記事。マンガのフキダシに使用される書体をアンチゴチと称するということは以前コメント欄ですがやみつる先生に教えていただきました。マンガのフキダシ内では、かなは明朝体(アンチック体)で漢字はゴシック体にするというアレです。

 これの起源がどこにあるのか、から始まって、マンガにおけるタイポグラフィ表現を考える一文です。

 それにしても書店にずらっとならんでるマンガ誌の表紙を見ると、わたしなどはどうしようもないなあと感じてしまうことが多いのですが、マンガ誌ならマンガを表紙にしようよ。

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 映画「20世紀少年」がテレビ放映されるたびに、検索でウチのブログにたどりつくひとが増えるのですが。今晩はどうかな。

 映画がらみなのか、浦沢直樹の露出が増えてる感じがしますね。

 「Casa BRUTUS 浦沢直樹読本」(2009年マガジンハウス、933円+税、amazon)というものも出てますが、「フリースタイル」9号(2009年フリースタイル、888円+税、amazon)の江口寿史×浦沢直樹対談のほうがずっとおもしろかったです。

CasaBRUTUS特別編集 浦沢直樹読本 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS) フリースタイル 9

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August 23, 2009

ブルックリンのタンタン

 興味深い記事を読みました。

 電子版ニューヨーク・タイムズ、2009年8月19日の記事。

A Library’s Approach to Books That Offend

 冒頭部分を抄訳かつ意訳してみます。

●怒れる利用者に対する図書館の対応

「タンタンの冒険」がスピルバーグの手で2011年映画化されることになり、原作者であるエルジェの人気が高まっている。

しかしブルックリン公共図書館で、『タンタンのコンゴ探検』(フランス語版)を借りたいと思っても、数日待たされることになる。

図書館員によると、本書は79年前に出版されたのだが、2007年になって開架から閉架へ移されたということだ。

きっかけはひとりの女性利用者からの抗議だ。本書でのアフリカ人の描写が問題にされた。「この本の内容は黒人に対して攻撃的だ」 彼女はとくに「黒人がサルのように描写されている」と感じた。

現在『タンタンのコンゴ探検』は、スタッフだけが入室できる、まるで金庫室のような書庫におさめられている。鍵がかかる部屋で、入室できるのはスタッフだけ。閲覧するのには事前予約が必要だ。

図書館に対しては、このように利用者が不愉快に感じるという抗議がよくある。ブルックリンを含むニューヨーク市立図書館は、2005年以来約24通の文書による抗議を受け取った。しかし唯一、タンタンだけが開架から閉架に移動された。

 記事は、「怒れる利用者」からどのような本に抗議が来るのか、公共図書館や学校図書館はそれに対してどのように対応しているか、と続きます。

 いや日本の堺市立図書館だけじゃなくて、アメリカの図書館もたいへんですねえ、というお話。

 記事の最後のほうには、『タンタンのコンゴ探検』がモノクロ版からカラー版に描き直されたとき、どのような修正があったか、という説明もあり、とくにタンタンに注目した記事になってます。

 ところが、このニューヨーク・タイムズの記事には、決定的に欠落している部分があるのですね。

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 エルジェのタンタンシリーズは、もともとモノクロで描かれ雑誌連載されたものが、そのままモノクロで単行本化されていました。しかし、第二次大戦後の1946年から、それまで出版されていたものをエルジェ自身がカラーで描き直したカラー版の刊行が始まりました。これが現在ふつうに流通しているタンタンです。

 このカラー版の第一作が『タンタンのコンゴ探検』のフランス語版でした。1930年に雑誌の少年記者であるタンタンが、ベルギーの植民地であったコンゴを訪れる、というお話。

Les Aventures de Tintin. Tintin au Congo

 カラー版のタンタンシリーズは各国版に翻訳され、世界じゅうで読まれるようになります。しかし、カラー版のうち第一作のこの作品だけは、植民地主義が露骨に描かれているという批判を受け、英語版が出版されないままになっていました(スペイン語版やドイツ語版はふつうに存在します)。

 のちに黒人のマンガ的表現(とくにぶ厚い唇)も問題になったのは、上記の記事にもあるとおり。

 タンタンはのちにアニメーション・シリーズにもなりますが(日本のテレビでも放映されました)、コンゴのお話はなかったことになってます。

 1991年、Casterman社から英語版の『Tintin in the Congo 』が発行されましたが、これはカラー版じゃなくてモノクロ版の復刻。まあコレクターズ・アイテムですね。今はサンフランシスコのLast Gasp社のものが手にはいります。

The Adventures of Tintin in the Congo: Reporter for Le Petit Vingtieme

 そして2005年、やっとイギリスのEgmont社からカラー版『Tintin in the Congo 』が発行されました。カラーのフランス語版が発行されてから、実に60年が経過していました。

Tintin in the Congo

 これを受けて2007年、日本の福音館書店からも『タンタンのコンゴ探検』の日本語版が発行されました。

タンタンのコンゴ探険 (タンタンの冒険旅行 22)

*****

 さて、ニューヨーク・タイムズの記事に戻ります。

 この記事中で『タンタンのコンゴ探検』は『Tintin au Congo 』と記述されています。つまりこの記事はすべて、フランス語版のタンタンについて書かれた記事なのです。

 じゃ、英語版はどうなっているのかといいますと。

 アメリカで英語版タンタンを発行しているのはLittle, Brown社ですが、現在にいたるも『Tintin in the Congo 』は発売されていません。

 アメリカで英語版『Tintin in the Congo 』を読もうとしますと、イギリスから輸入しなきゃならないのです。

 ところが、ニューヨーク・タイムズの記事では、こういう事実=イギリスでは英語版が発売されているけどアメリカでの発売はされてないこと、にまったく触れられていません。

 しかもアメリカアマゾンではイギリスEgmont社版は取り扱いがありません。もちろんアメリカ在住のひとでも、アメリカアマゾンのマーケットプレイスで古書として買うことは可能ですし、直接イギリスアマゾンに注文すれば新刊として手に入れることもできますけどね。

 どうやら当該記事の図書館は、フランス語版『Tintin au Congo 』はコレクションしていても、英語版『Tintin in the Congo 』は蔵書していないようです。

 アメリカの図書館で今も『タンタンのコンゴ探検』がこのような扱いを受けているのなら、アメリカでの英語版発売は、まだまだ期待できないのでしょうね。


 タンタンに関するわたしの過去記事

このページの「タンタンはコンゴで何をしたのか」
日本におけるタンタンの現在(その1)
日本におけるタンタンの現在(その2)
タンタンのコンゴ探検
タンタン完結!

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August 22, 2009

唐沢俊一盗作問題についての感想

 「唐沢俊一検証blog」のkensyouhanさんが『唐沢俊一検証本VOL.1』を出版され、これが驚異的に売れているという展開がありまして、唐沢問題は新たな段階にはいったようです。

 あるかたから唐沢問題に関する意見を求められ、それに対するわたしの返答メールを少し修正してアップしておきます。現時点での漫棚通信の感想です。

*****

はじめまして。
ネット上では漫棚通信と名のっております。

メールありがとうございます。

わたしと唐沢俊一氏との一件は、
(1)唐沢氏がネット上に謝罪文を掲載し、
(2)幻冬舎が記述を修正した第二刷を発行したことで、
一応終了しています。

ただし上記(1)(2)ともに、わたしの了解を得てなされたことではなく、
唐沢氏および幻冬舎側の一方的な措置でした。そのため、わたしにはいつまでももやもやした感情が残っています。

わたしにとってもっとも腹立たしかったのは、山川惣治の「絵物語」を読んでその要約をするという行為に、そうとうな時間と労力を要していることでした。

絵物語が絶滅してしまった現在ではわかりにくいかもしれませんが、新書判で全三巻の「絵物語」は、まさに大長編です。

あのころの絵物語は現代のマンガと違い、読むだけで相当な時間がかかります。「サンナイン」は中日新聞に連載されたもので、新聞連載小説のようなものを想像してみてください。

ましてその要約は、複雑な物語のどこを選びどこを捨てるか、が腕の見せどころ。複数の人間が別々にこれをおこない、同じものができるはずがないのです。

ネット上の文章をコピペして文末をいじるだけという唐沢氏の行為は、まさにわたしの時間と労力を「盗んだ」ものであり、謝罪の有無は別にして、今も腹にすえかねております。

唐沢氏および幻冬舎との交渉の過程につきまして。

(1)途中で交渉相手を幻冬舎のみとした件。

これは当然の処置であると理解はしているのですが、この経緯に関して唐沢氏から何の説明もなく、わたしからの問い合わせに対しても無視するだけだったことは不快に感じました。

(2)最終的にそれまでの合意事項をすべてひっくり返した件。

これについては本当にあきれました。その結果、キレて交渉中断を宣言したのはわたしのほうです。

ただし、わたしもあの当時は頭に血がのぼっておりましたので、交渉窓口であったY氏に対しては、いろいろと失礼なことを言ったと反省しています。

(3)書籍「社会派くんがゆく!復活編」での唐沢氏の反論。

内容については言いがかりに近い部分もあり、読んだときにはもちろん腹がたちましたが、今となってはそれほど気にしていません。

書籍上での唐沢氏からの反論に対し、わたしもネット上で再反論しています。ある事件について、対立する双方の当事者が公開の場で意見を述べ合うことは、それなりに健全なことだと思っています。

あと、唐沢氏ならこれくらいのことは言ってくるだろうな、という予測の範囲内でしたし、唐沢氏の論旨が破綻していて、反論しやすかったこともあります。


わたしが現在も唐沢氏に対してある種の感情を持ち続けているのは、あくまでわたしの内面の問題です。大人げないといえばそのとおりです。

しかしその後も唐沢氏には良くない噂が絶えませんでした。2ちゃんねるや複数のサイトで、コピペと文末いじりを続けていることが報告され、今回、kensyouhanさんの『唐沢俊一検証本』の出版にまでいたりました。

すでに唐沢俊一氏は、
「わたしにとってイヤなヤツ」
というレベルから、
「みんなにとってイヤなヤツ」
まで格上げされてしまったようです。

ここまできますと漫棚通信としては、唐沢俊一氏の謝罪を受け入れて和解する、ということはすでにできなくなっていると考えています。

といって何をするというわけでもありません。ネットの片隅でぶつぶつグチを言い続けるくらいのことでしょうか。

唐沢俊一氏は、今後もこれまでと同じような行為と態度を続けるでしょうが。

乱文失礼いたしました。


漫棚通信

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August 19, 2009

『ダニー・ボーイ』のモトネタに関するつれづれ

 島田虎之介『ダニー・ボーイ』(2009年青林工藝舎、1200円+税、amazonbk1)が発売されています。

 『ラスト・ワルツ』『東京命日』『トロイメライ』に続く四作目。前作の発行からまる二年たってます。どれもホラとたくらみに満ちた複雑な構成を持った作品です。今回も喜んで手に取りました。

 短いプロローグのあと著者が登場します。

あーどーも シマトラです

一九七六年の夏
アメリカ建国二百年を記念して
当時のNET 現在のテレビ朝日が
一本のミュージカルを深夜に中継放送したんですね

それが『極東組曲』だったのですが…(略)

ミュージカル『極東組曲』は同名のデューク・エリントンの
同名アルバムをモチーフにして
『ジャック・ザ・リッパー』や『R&J』で知られる
ブロードウェイの鬼才
ソール・ゼンハイムが書き上げた
異色づくめの作品である

第二次大戦直後の日本が舞台なのも異色なら
その敗北から民主憲法制定までを描く
ストーリーもまた異色

 このミュージカルでトニー賞助演男優賞にノミネートされた日本人俳優が伊藤幸男(いとうさちお)。伊藤の歌唱力は絶賛されました。物語は彼の人生を追う形で展開します。

 おお、あいかわらずの大風呂敷。楽しいなあ。

*****

 デューク・エリントンの「極東組曲」はホントにあるアルバムですからややこしいのですが、いつものように、すべて著者によるホラです。信用しないように。

 今回はモトネタがはっきりしてます。1976年にブロードウェイ・ミュージカルが日本のテレビで放映されたのはホントですが、タイトルは「極東組曲」ではなく、「パシフィック・オーバーチュア 太平洋序曲」でした。

 わたし、これ見てます。深夜の放送じゃなかったような記憶がありますね。幕末、ペリーが来日して日本が開国にいたるまでが第一部。第二部はその後一気に1976年までの日本の近現代史を描くという作品。近年、宮本亜門がリメイクしたので知ってるひとも多いのじゃないでしょうか。

 「パシフィック・オーバーチュア」は、アメリカの建国二百年にあわせてハロルド・プリンスが製作しました。音楽がスティーヴン・ソンドハイム。ソンドハイムは「ジャック・ザ・リッパー」なんて作品はつくってませんが、この翌年「スウィーニー・トッド」を作詞作曲してます。

 演じる俳優はすべてアジア系。ビリング・トップは本作品で狂言回しやショーグン役など複数を演じたマコ岩松でしたが、実質上の主役は、ジョン・万次郎と侍のカヤマ。このふたりの目をとおして、幕末の日本が描かれます。

 このカヤマを演じたのがイサオ・サトウでした。

 イサオ・サトウは劇団四季出身。当時から歌唱力は抜群で、越路吹雪と競演したこともあるそうです。テレビで見ただけのわたしにも、イサオ・サトウは強烈な印象を残しました。ネイティブじゃないのに、英語の歌であれほどの感情を表現できる日本人がいるんだ。

 「パシフィック・オーバーチュア」での歌唱力が絶賛され、この作品でトニー賞助演男優賞にノミネートされてます。

 マコ岩松もこの年、主演男優賞にノミネート。ただしこの年のトニー賞はライバルの「アニー」が席巻しました。

 残念ながらイサオ・サトウの人生はこの年が絶頂だったといわれています。ブロードウェイでアジア系の枠は少ない。トニー賞で「格が上がって」しまったサトウは、他のアジア系俳優よりも使いづらい役者になってしまった、という記事を後年に読んだことがあります。

 イサオ・サトウは1990年3月9日、飛行機事故で亡くなりました。この最期を美しく描いたのが、本作『ダニー・ボーイ』なのであります。

 単体で読んでもぜんぜんかまわないのですが、モデルとなった人物のことを知ればもっとおもしろい。そういう作品でありました。

 こちらはアメリカアマゾンの「パシフィック・オーバーチュア」オリジナルキャストCD。ちょっとだけ試聴できますが、9曲目の「Bowler Hat 」を歌ってるのがイサオ・サトウです。

Pacific Overtures (1976 Original Broadway Cast)

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August 17, 2009

コミックマーケット76 と六周年

 お暑うございます。

 昨日はコミケに参加してきました。

 午後になってわたしが東1ホールに到着したときは、唐沢俊一氏はすでに帰られていたのか席をはずされていたのか、お会いできませんでした。「唐沢俊一検証blog 」の検証班さんが唐沢俊一氏に『唐沢俊一検証本VOL.1』を手渡すというイベントもあったそうですが、見のがしました。残念。

 検証班さんからは、あっというまに完売した『唐沢俊一検証本VOL.1』をご恵投いただきました。ありがとうございます。しかし何にびっくりしたかといって、検証班さんのところにすっごい美人秘書が三人もいらっしゃったことに腰が抜けましたです。あのかたたちはいったい何者ですか。

 藤岡真先生や「知泉」の杉村さんにもお会いできたし、「漫画の手帖」の藤本さま、ササキバラ・ゴウ先生、唐沢なをき先生にもご挨拶できました。残念ながら、すれ違いでお会いできなかったかたも多く、次の機会にはぜひ。

 コミケのあとは、潮風公園に立ち寄って1/1ガンダム鑑賞。いやーこれは壮観でしたね。

 「漫棚通信」としてネット上で文章を書き始めて、昨日がちょうど六周年でした。みなさま、今後ともよろしくお願いします。

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August 13, 2009

『忍者武芸帳』に続き『ジャングル大帝』も!

 今朝ヤフーを見てたら、小学館クリエイティブが「忍者武芸帳 復刻!」の広告を出しているのを見てびっくり。ページの右上のほうにフラッシュアニメで流れるやつね。

 小学館クリエイティブが白土三平『忍者武芸帳』を復刻することは、刊行物にはさみこまれてるチラシや、下記の特設ページですでに知ってましたが、

忍者武芸帳 特設ページ

それにしてもヤフーに広告を出すとはなあ。しかしその後ヤフーを何度リロードしてもその広告には出会えません。マボロシだったのかしら。

 白土三平『忍者武芸帳 影丸伝』全17巻は、貸本向けに三洋社・東邦漫画出版社から1959年から1962年にかけて刊行されましたが、原稿の一部が紛失。大島渚監督の映画「忍者武芸帳」が製作されたとき、紛失部分を小島剛夕がトレスして描き直し、のちに小学館から複数回発行されたものは、それがもとになっているそうです(くわしくは、くもり氏による「白土三平ファンサイト」の、こことかこことかここをごらんください)。

 ほとんどが描き直された旧第2巻は、まったくの小島剛夕タッチになってるみたいですね。

 というわけで、こういうビッグで有名な作品でありながら、一般に読めるものは本来の形ではなかった、と。

 で、さらに中野晴行氏による小学館クリエイティブ川村寛氏へのインタビュー記事。

まんが史に残る名作が続々と復刻!

手塚治虫先生の『ジャングル大帝』を掲載誌「漫画少年」から完全復刻します。

 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

 「漫画少年」連載版『ジャングル大帝』は、1990年から1992年にかけて「手塚ファンクラブ・京都」が全五巻で復刻したことがあります。それぞれ千部の発行だったそうです。わたし持ってません。

 最近では、みなもと太郎監修の『手塚治虫WORLD 少年マンガ編 これがホントの最終回だ!』(2008年ゴマブックス)という本に、『ジャングル大帝』連載最終回が収録されています。

 ま、こんなことをいうとアレですが、とくに『ジャングル大帝』に限っていいますと、雑誌連載版の復刻は、著者自身の手で描き直され再編集されてしまった作品を、読者の手に取り戻す運動であるともいえます。作品、とくにフィクションは、作者のものか読者のものか、という話にもなってくるわけです。

 だって今読める『ジャングル大帝』は、新旧の絵がいりまじった、ずいぶん珍妙でヘンな作品ですものねえ。

 なんにしても、買うぞっと。

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August 10, 2009

カード番号流出!?

 どっひゃあ、えらいこっちゃ。

 わたしのカードはVISAでして、いわゆるどこかの百貨店カードにVISAがくっついている、というのじゃなくて、純正の「三井住友VISAカード」であります。

 突然わが家にVISAのセキュリティ管理部から電話がかかってきまして、あなたのカード番号が不正使用された可能性がある、というじゃないですか。

 どっひゃあ、えらいこっちゃ。

 これこれこの日に、アメリカの「iTunes 」と「ClickandBuy 」を使用したことはあるか、と。

 もちろんそんな買い物をした覚えはありません。やっぱりねー、とセキュリティのお姉さんはいうのですね。

 こういうところで、つんつんと1ドル、1ユーロの少額の買い物をしたあと、OKならばどっかんと高額の買い物をされてしまうケースが増えていると。

 そ、それはわたしのカード番号が流出した、ということでしょうか。

 そのとおりです。

 いやそりゃわたしも、アメリカのあんなアヤシゲなところや、フランスのこんなアヤシゲなとこからカードで買い物したこともありますが。そこから流出したのかなあ。とほほ。

 いやーそれにしてもVISAのセキュリティは、わたしがどこでどんな買い物をしたか、すべて把握しているのか。わたしのいつものパターンと違う買い物をするとアラートが鳴る仕組みなのかなあ。ありがたいやら恥ずかしいやら。

 この電話が終了後、あなたのカードおよびそのカード番号は使用不可となります。約一週間後、新しいカードが到着するまでお待ちください。

 というわけで、現在、カードなしの情けない生活です。わたしカードはVISA一枚しか持ってませんので、買い物やガソリンもすべて現金。アマゾンも使用不可。電気やガス、ネットプロバイダも新しいカードが到着すれば設定し直さなきゃなりません。

 とくに今週末、コミケに参加してホテル泊の予定であったのに、カードがないとは。ふにゃふにゃふにゃ。

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August 07, 2009

酒井法子とは何だったのか

 それにしてもNHKの19時のニュースでトップてのはどうなんだ。

 一連の事件がどういう結末になるか、だれも知らない時点でもうしわけないのですが、「マンガ的には」酒井のりピーとは何だったのか。

 酒井法子の顔、とくにその目がすべて。彼女の目は大きすぎず小さすぎず、まさに微妙なバランスで形成されています。

 酒井法子が登場するまでは、日本のアイドルの目は大きければ大きいほど良いと考えられていました。また日本マンガの女性キャラも、ひたすら大きい目をめざしていたのです。

 ところが。酒井法子が登場し、その目を見たとき、日本人はアジア人として理想の目の大きさを発見したのではないか。

 彼女の目のバランスをマンガ化したのは、桂正和。彼が描くすべてのヒロインが、酒井法子です。

 1990年代以後、酒井法子が香港、台湾、中国で人気になったのも、彼女の顔の造作のためでしょう。わたしは、台湾人イラストレーター、陳淑芬/平凡が描く女性(ウチにも画集いっぱいあります)の目のバランスも、酒井法子だと思ってます。

 酒井のりピーの目のバランスは、東アジア人の感覚にストライク、でした。東洋の古典的細い目の美人でもなく、西洋的巨大目の美人でもなく、現代東アジア人の理想の顔。アジア人が自分たちの感性で、西洋に対抗する「美」として、アジアの理想の美とし発見したのが「のりピー」なのです。

 広末涼子も上戸彩も、みんなのりピーの子どもたち。酒井法子こそ、東アジア人が理想とする目を、初めて体現したヒロインであったと思ってます。

ZETMAN 9 (ヤングジャンプコミックス) 藍調―Blue Note―

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August 05, 2009

『ザワさん』が気になる

 西東京の高校野球部(強豪)に属する唯一の女子一年生、都澤さん(通称「ザワ」)。彼女の日常を描いたマンガ。

●三島衛里子『高校球児 ザワさん』1・2巻(2009年小学館、各524円+税、amazonbk1

 

 ザワさんは背が高くてスタイル良くてちょっと美人。ですから同級のチームメイトは彼女を意識しまくっているのですが。

 ザワさん自身は野球にしか興味がない。どこまでも野球中心の生活。下校中、傘でバッティングフォームをチェックする。掃除中、ホウキでバッティングフォームをチェックする。腹筋のキレ具合を気にする。正月早々ガッツリ走り込み。プロテインマニア。授業中はひたすら寝ている。

 というわけで本作は、ザワさんを意識しまくる同級生たちと、それにまったく気づかないザワさんの、すれちがいというか、むずがゆいというか、そういう日常を描くマンガです。

 彼女はいわゆる「紅一点」です。日本製フィクション内における紅一点はある役目があって、彼女はチーム内におけるヒロイン。性格上は妹であったり姉であったりもするのですが、チームメンバーたちの精神的(もしかしたら肉体的にも)性的対象であることは避けられません。

 あばしり菊の助とか白鳥ジュンをイメージしてください。ところが、体育会系女子の多くはそうかもしれませんが、自分がセックス的な意味で男性的物語上のヒロインであるという自覚がない。というかあまりに無自覚。ザワさんこそ、これを体現する存在です。

 実際、現代の男女共学校にザワさんのようなひとがいるとして、男性同級生と性的に無自覚につき合い、学校内の女性コミュニティと無関係に生活できる、彼女のようなひとが存在できるのか。

 これは地域や年齢、さらに時代でちょっとずつ違うはず。だからこそ、『ザワさん』は現代のファンタジーとしてぎりぎり成立するのです。

 すっごく微妙な心の問題を、すっごく微妙な表現で描いたマンガです。野球部の練習で、フツーに男子を背負って神社の階段を登るザワさんを見よ。

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August 01, 2009

16日に会いましょう

 わたしの今の職場にはお盆休みがありません。それに土曜日もふつうに仕事してます。ああもうっ。でもね、今年は夏コミ三日目の8月16日が日曜日。

 そうだ、夏コミに行こう。

 今回は「漫画の手帖 57号」に『マンガの中の先輩後輩』というタイトルで短文を寄稿させていただきました。『みーんな「COM」に投稿していた』という文章を載せていただいた「漫画の手帖 トクマル3号」のほうもよろしく。

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 「漫画の手帖事務局」の参加は、三日目「西ち09」です。

 コミケに行ったとき運が良ければ、ネットやメールだけのおつきあいだったかたがたにご挨拶できるかもしれません。その際にはよろしくお願いします。

 あとマンガ方面ではないですが、「唐沢俊一検証blog」の検証班さんや唐沢俊一氏本人にも“ゴアイサツ”してみたいものだなっと。

 というわけで羽田行きの飛行機を予約してきました。地方から東京に行くときは往復の飛行機搭乗券だけを買うより、東京のホテルで一泊するセットにしたほうがなぜか安くつきますので、16日は東京で泊まって月曜日の朝イチで帰ってくることにしました。17日朝は、空港から職場に直行して始業時間にぎりぎり間に合うかどうかという綱渡りであります。

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