妻が人気らしい『うちの妻ってどうでしょう?』
居間のソファに寝ころんでいると妻がやってきて、「僕の小規模ななんとか」はどこにあるのかと聞く。なんとかというのは「生活」か「失敗」かと問いますと、古いほう、と言うので、『僕の小規模の失敗』なら書庫の真ん中あたりじゃなかったかな、と答えました。しばらくするとまたやってきて、ない、と言う。
しょうがないのでわたしもいっしょに書庫のあちこちを探しましたが、これがなかなか見つからない。ついに妻が、なぜお前はきちんと整理をしないか、とか怒り出すわけです。
はいはいごめんごめんわるいわるいいつかちゃんとするから、とか受け流しさらに探していると、やっぱり書庫の真ん中のあたりで見つかるじゃないか。これはわたしが自分のために買った本だよ、なぜこんなことで文句を言われなければならないのか。ふんっ。
●福満しげゆき『僕の小規模な失敗』(2005年青林工藝舎、amazon、bk1)
●福満しげゆき『僕の小規模な生活』1・2巻(2007~2008年講談社、amazon、bk1)
●福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう?』1・2巻(2008~2009年双葉社、各743円+税、amazon、bk1)
買ってきた新刊の『うちの妻ってどうでしょう?』2巻をそのあたりに置いておいたら、なぜかわが家の女性陣に人気で、いつも誰かが読んでいる。
どこがおもしろいのかと聞くと、「妻」がカワイイと言う。
えーっ、そうなのか。わたし自身はあの「妻」の言動にはムッとくることが多いので、カワイイと言いきることができるかというと、たいへん微妙です。ああいう理不尽なことを言ったり怒ったりするのが女性であるとわかっているつもりではありますが(以下略)
いっぽうで主人公が辛気くさくてイヤ、などと言う。
こらっ。人間はああいうふうに考えこんだり行動に出せなくてうじうじしたりさらにやってしまったことをいつまでも後悔するのがアタリマエなのであってあれは読者自身の姿でもあるのだからそれをきちんと表現している作者がエライとなぜ考えないのかお前たちは人間というものが男というものが(以下略)
とまあ、家庭内不和の原因になりかねないマンガ。
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