「COM」についての雑誌記事
手塚治虫がらみの話題ばっかり続いてもうしわけありませんが、もひとつ。
不定期刊の雑誌「スペクテイター」20号(2009年エディトリアル・デパートメント、952円+税、amazon、bk1)に、虫プロの雑誌「COM」についての記事が掲載されています。
「『COM』の時代 あるマンガ雑誌の回想」というタイトルで、分量は25ページ、取材・文章は赤田祐一。
「COM」はわたしにとっても思い入れのある雑誌です。以下は「漫画の手帖 TOKUMARU 」3号に寄稿させていただいたわたしの文章より。
1966年12月25日クリスマス、虫プロ商事から新しい雑誌が創刊されました。誌名は「COM」。
今の目から見ますと「COM」は、オルタナ系のマンガを掲載するマニア向け雑誌、というくくりになるのかな。しかも出版されていたのは実質五年間と、短命に終わりました。ではありながら、「COM」は日本のマンガ史に大きな足跡を残した雑誌です。
創刊時の表紙には「まんがエリートのためのまんが専門誌」というコピーがありました。今でこそ「エリート」には「エリート主義」のようにネガティブなイメージありますが、当時はまだ新鮮なことばでした。これを見た読者は、何か新しいものが始まったと感じたのです。
多くのマンガ家やマンガ関係者がこの雑誌から巣立っており、作り手も読者も熱い雑誌でした。最近では浦沢直樹がマンガ『20世紀少年』内でちらっと話題に出したりしてましたね(10巻10話)。
記事で証言しているひとびとは、石井文男、大塚豊、校條満、野口勲、山田幸旺、萩原洋子、水谷光作、故・岡田史子、山口芳則、秋山満、飯田耕一郎、金子博亘、塩野米松の各氏。
選ばれてるのは手塚治虫のマル秘エピソードが多いようですが、ほかの作家の話など、もっと読みたいなあ。
今回は第一部ということになってまして、あと数回連載されるみたいです。
Comments
今回記事のインタビューに登場している萩原洋子氏のCOM在籍が70年2月号から72年12月号まで。いっぽう長谷先生の「長谷邦夫パロディー劇場」が1969年。それに続く「盗作世界名作全集」が70年1月号から9月号まで。「フロイト」が70年10月号から71年2月号まで、という経緯ですね。
Posted by: 漫棚通信 | July 03, 2009 09:52 PM
ぼくにとっても、得難い雑誌でした。
何しろ『バカ式』など一連の<盗作シリーズ>を
描かせてもらったんですから!
当時の編集長は石井文男さんです。
全くクレームを付けられるなどは
無かったんです。
調子に乗って次のシリーズを描き、
さらに『フロイト』なる
ヘンな失敗作も発表!
担当さんは、女性。
お名前が、分りません。
Posted by: 長谷邦夫 | July 03, 2009 07:37 PM