映画「ジャイアンツ」をめぐるどうでもいい話
週末には録画してあった「ジャイアンツ」(1956年アメリカ)という古い映画を見ておりました。ジェームズ・ディーンの遺作として有名ですね。
彼は映画公開前に交通事故で亡くなりましたが、この映画でアカデミー賞にノミネートされました。
わたしが昔に淀川長治解説の「日曜洋画劇場」で見たときは、たしか野沢那智による吹き替えだったので、字幕版は今回初めて。彼が猫背で上目づかい、ぼそぼそしゃべるのはなかなかかっこよくて、ずいぶんあちこちでマネされたんじゃないかな。
映画自体はテキサスの大牧場主一家のお話。時代の流れを描いた大河ドラマであり、かつホームドラマでもあります。ジェームズ・ディーンは、そこの若奥さん(エリザベス・テイラー)に横恋慕する牧童、のちに石油であてて大金持ちになる役。
自分のホテル開業パーティーで、飲んだくれてスピーチできなくなるシーンは、おお、中川のもうろう会見はこのパロディだったか、とひとりでウケてました。
ちなみにジェームズ・ディーンの役名はジェット・リンクで、石森章太郎「サイボーグ009」に登場する002の名前はここからとられてます。
で、この映画で、初老になった牧場主、ロック・ハドソンが、夫婦の寝室でベッドに横になって新聞を読んでる。これがカラーのマンガばっかりあつめた別冊で、いわゆるサンデー・ストリップというやつですね。
長回しの多い映画なので最終ページがずっとカメラのほうに向いているのですが、そこに載ってたマンガが「Mutt and Jeff 」というもの。このシーンが1930年代末。
このマンガ、知らなかったの調べてみましたら、かなり有名なものらしい。グーグルで画像検索するとこんな感じ。
このヒゲをはやしたノッポとチビのおっさんコンビは、二次元のキャラクターでありながら、アボット&コステロ、ローレル&ハーディくらいには有名らしい。今でいうとマリオ&ルイージみたいなものかな。無声映画時代にはアニメーションにもなってます。
1907年にBud Fisher により創造され、作者はこのマンガのおかげで大金持ちになったそうです。Fisher の没後も別人の手で1980年代まで描き続けられたといいますから、いやアチラのキャラクターは長命ですねえ。
Comments
始めまして、中村と言います。『週末には録画してあった「ジャイアンツ」』と書かれておりますが、前篇、後篇のある。午後のロードショー の録画版ですか?小生ドジをしまして、前篇は録画出来ましたが、後篇をDVD-Rにダビングしたつもりでしたが、出来ていませんでした。ぜひ見たいので、後篇だけでもダビングして頂けません出ようか?謝礼は、後日ご相談させて頂きたく、何卒宜しくお願い申し上げます。
Posted by: 中村嘉輝 | March 14, 2013 07:35 AM
>今回見直して認識をあらためました
そうなんですか。わたしの場合、熱烈なジェームス・ディーンフアンだった母が、直ぐ脇で、ボロカスに言っていたので、その影響もあるのかも知れません。DVDを見直してみます。
Posted by: SHIN | March 13, 2009 08:33 PM
>ジェームス・ディーンの老け役
実はわたしも無理があるなあという記憶だったのですが、今回見直して認識をあらためました。なかなか良かったですよ。ただし髪のはえぎわ処理のメーキャップが今の目から見るとダメダメでした。
Posted by: 漫棚通信 | March 12, 2009 08:35 PM
「ジャイアンツ」のジェームス・ディーンの老け役は公開当時は不評でした。地のキャラ以外は無理なのではという意見もささやかれていました。「エデンの東」はまさに役柄と本人がピタリと一致していたのに、「理由無き反抗」では早くも微妙なズレが生じていました。そして、「ジャイアンツ」……。むろん、事故さえなければ、演技派としての彼が活躍する可能性は、まだまだあったのでしょうが、こと「ジャイアンツ」に関しては、「大人」のロック・ハドソンに比べて、とっちゃん坊や的な印象は拭えませんでした。
Posted by: 藤岡真 | March 12, 2009 12:55 PM