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March 02, 2009

ハードカバーとか限定版とか豪華版とか

 洋書を買おうとするとき、多くの場合同じ本にハードカバーとペーパーバックの二種類があるわけです。どこが違うかといいますと、表紙がかたくてカバーがかかってるのがハードカバー。ペラ一枚の表紙でカバーなしがぺーパーバック。

 カラーで描かれてるコミックスの場合、どちらも本文の紙質は同じ、内容も同じ、のことが多いです。ペーパーバックでも本文はつるりんとした上質の紙が使われてることがあり、ちがいはホントに表紙部分だけだったりします。

 ただしハードカバーとペーパーバックのページ数が異なるときは要注意。ハードカバーのほうにボーナストラックというかオマケがはいってることもあります。

 内容が同じなら、ハードカバーかぺーぺーバックかは、自分のサイフと相談すればすむのでそんなに迷うわけではありません。

 ところが内容がちがうときが困ってしまう。

 日本で最近増えてきた「初回限定版」というやつ。これってあれですか、CDとか音楽業界で先にやってました? これはいろいろと悩みが多い。なんせあとから手に入らない「限定」ですから。

 先日ウチの子がCLAMPの『DVD付初回限定版 XXXHOLiC 14巻』が欲しいとか言うわけです。25分のアニメDVDが付いて、560円の本が3700円。さらにこのDVD、前編であって完結していない。さらに『ツバサ』のほうでも同じようなことをやってて、『HOLiC』と『ツバサ』、四巻すべてを集めると14800円となるのですな。とほほ。

 これどうよと思いながらも、わたしも似たようなことをすることもあるし、まあしようがないか。というわけで近所の書店に向かったところ、発売日には二、三部見かけたはずのものが、その二日後にはすでになくなってました。じゃあネットで、と思ったら、ネット上の新刊書店ではすでに扱ってないし、アマゾンのマーケットプレイスやヤフーのオークションでは早くも転売屋さんが活動開始してて、定価で売ってるところなんかありません。

 半年待ちなさい、値崩れするから。という説得はコドモには通じません。こらこら転売屋さんを相手にするんじゃない。その翌日、紀伊國屋まで足をのばしましたら平積みにして売ってました。ふー。

 あと浦沢直樹の『PLUTO』ですね。これは通常版と「豪華版」。どこがちがうかというと、本の大きさがちがうのと、パートカラーなのと、オマケがついてる。価格は550円対1400円~1600円。

 1巻のオマケは手塚治虫版『鉄腕アトム 地上最大のロボットの巻』ですが、すでに持ってますし、2巻のオマケは鉄腕アトムシール。これはいらないなあ。というわけで、ここまでは通常版を買ってました。3巻からオマケに過去の浦沢作品が付くようになって、豪華版のほうを買ってます。やっぱ本が大きいのは絵の感じがちがってて捨てがたいですねえ(と、自分を納得させる)。

 でも6巻のオマケ、『月に向って投げろ!』なんかは掲載誌を持ってましたから、ああ失敗したー、とそのあたりを転げ回りました。

 でね、手塚治虫/酒井七馬『完全復刻版 新寶島』(2009年小学館クリエイティブ)であります。

完全復刻版 新寶島 完全復刻版 新寶島 豪華限定版

 同じに見えますが、左が通常版2000円、右が「豪華限定版」7980円。「豪華」で「限定」であります。

 迷ったのですが、わたし通常版を買いました。復刻本+「新寶島読本」、これが紙製の箱にはいってます。

 たけくまメモによりますと、豪華限定版はこれに加えて(1)金ピカ全面箔押しの箱、(2)習作『オヤヂの宝島』、(3)不二書房『タカラジマ』の復刻、(4)未使用の(つまり酒井七馬にボツにされた?)『新寶島』原画の複製、が付いてるそうです。

 ネックだったのが『オヤヂの宝島』。かつて「手塚治虫漫画大全集DVD-ROM」を買ったとき、立派な箱入り単行本『オヤヂの宝島』がオマケになってたんですよー。

 不二書房『タカラジマ』も読んだことあるしなあ。ただクヤシイのが、複製原画です。欲しくはないけど、欲しいわけじゃないけど、見てみたい。

 というわけで、豪華限定版というものは、買っても買わなくても後悔してしまうのでありました。ふんっ。ま、いいんですよ、わたしゃ別にコレクターじゃないもんねっ。←酸っぱいブドウ。

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Comments

> 半年待ちなさい、値崩れするから。

ちょっと昔の話ですが
学生のころ、金がなくて手に入れられなかった
大友克洋画集「KABA」とか
「ヘンゼルとグレーテル」とか
「Good Wether」とか「Boogie Woogie Waltz」とか
双葉社の吾妻ひでお「Hideo Collection」全7巻とか
後々、すべて古本屋で手に入りました。

で、私は待つことを覚えたのと同時に、
集めることに興味を失ったかもしれません。

芥川龍之介の「芋粥」ですね(笑)。

Posted by: かくた | March 04, 2009 03:29 AM

>半年待ちなさい、値崩れするから。
通用しませんねw

自分も『新寳島』通常版で買いました。
4倍の価格は無理です;

Posted by: くもり | March 04, 2009 03:02 AM

小学館クリエイティブのサイトにある原画を見ると、とても色気のあるペンタッチで、
これだけで、7980円といわれても納得しかねない、芸術品のような感じですね。
http://shogakukan-cr.jp/shintakarajima/furokukaisetsu.html

Posted by: ブログ漫画館 | March 03, 2009 06:42 PM

……出版社も苦しいんですなぁ。
CD業界じゃさんざんやってた手ですが。

Posted by: かくた | March 03, 2009 03:21 AM

限定版、悩みますよね。中身に差があるならともかく、表紙の絵が違うバージョンを複数出されるのも困りますね。
「少女ファイト」の5巻は特装版を買ったのですが、ミチルでなく志乃の表紙が欲しいなあ、などと思ったりします。
逆に一種類しか出さなけれ例え高くても買ってしまうのですが。

Posted by: 小覇王 | March 03, 2009 01:45 AM

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