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February 12, 2009

アニメ「鉄腕アトム」最終回

 2月9日から本日2月12日までの四日間、NHKBS2で「手塚治虫・現代への問いかけ」という番組がありました。

 2月9日には、アニメ「鉄腕アトム」(モノクロ版)の最終回「地球最大の冒険」を放送してくれてましたが、いやー、これ1966年の大晦日に放映されたものなんですよ。わたしじつに42年ぶりに再見しました。

 太陽の熱暴走を抑えるため太陽につっこむアトム。アニメオリジナルの「アトムの死」というラストシーンには泣いたなあ。手塚お得意の、「自己犠牲による主人公の死」の典型例です。

 でね、Wikipediaを見ていたら、

最終回は1966年の大晦日に最終回になるという予告なしで放送された。内容はアトムが地球を救う為に爆弾を抱え太陽に突入するという内容で、当時の子供達に与えた影響は大きかった。

てな記述がありまして。

 ちょっと待ったらんかーいっ。

 アトムが抱えていたのは「爆弾」じゃなくて、「核爆発を抑える物質」「太陽の熱冷ましみたいなもの」である、という点はともかく、アトムのようなビッグな作品が予告なしに最終回になるわけないでしょうが。常識で考えてくれよー。

 アトムの放送枠だったフジテレビ土曜日19時といえばゴールデン枠。しかもあと番組は、同じ虫プロ製作、同じ明治製菓提供の「悟空の大冒険」です。アトム終了の翌週、1967年1月7日から放映開始されました。

 新年から新番組が鳴り物入りで始まろうとしてるのに、その宣伝がされずに始まるはずがありません。もちろんアトムの終了と悟空の開始は大きく告知されました。

 わたしの記憶では、アトムが太陽につっこんで死ぬらしい、という情報も放映前に流れてたような気がします。

 アトムが最終回をむかえることが明らかになってから、番組を終わらせないで、という嘆願があったことは確かです。

 虫プロ「COM」1967年2月号の記事より。

「鉄腕アトム」をやめないで! 八十九名の児童から連判状とどく

 四年もの長い間、多くの人たちの人気者だった「鉄腕アトム」が、昨年十二月三十一日を最後にTV放映を終了した。
 ところが、このところ、アトムファンから、アトムをつづけてほしいという手紙が、虫プロにどんどん送られてくる。
 その中でも十二月はじめに送られてきた“アトムをやめないで!”と戸田優子さんはじめ、八十九名の名前をかいた連判状はすごい。
 それには、
「アトムはほんとうに終わってしまうのですか、もしそうなら、お願いです。やめないでください。アトムの後に“悟空の大冒険”をやるそうですが、なんとか別の時間でやれませんか。(後略)

という具合です。すでに11月ごろにはアトム終了が予告されていたことがわかるでしょ。

 さて、アトム最終回に泣いたはずのわたしですが、「悟空の大冒険」が始まると、これに夢中になってしまいました。カラーだしポップだしギャグは多いし歌は名作。妖怪連合との闘いにもわくわくしました。アニメとしては今でも、アトムより悟空のほうが好きなんですよ。

 子供は移り気ですねえ。

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Comments

ありがとうございます。
kさんへの解答は漫棚さん
私への解答はくもりさんですね。
積年の疑問が晴れました。

Posted by: かくた | February 15, 2009 12:00 AM

え?三つ目がとおる?
…の原型って…アトムにあるのか?とかふと思ってしまいました。(笑)

Posted by: woody-aware | February 14, 2009 10:26 PM

多分言われているのは1972年小学四年生4月号から連載の『アトム還る』のほうかと思います。第三の眼がついたアトムです。

Posted by: くもり | February 14, 2009 05:36 PM

アニメ終了直後、1967年1月からサンケイ新聞に連載された「アトム今昔物語」です。名作です。

Posted by: 漫棚通信 | February 14, 2009 09:05 AM

> 「視聴者から嘆願がいっぱいあったので、アトムが宇宙人に修理されて帰ってくるっていう形で続編を書いたんですよ。これがウケないんですねー」

アニメでなくマンガですね。
サンコミックス版の別巻に収録されてるはず。

でもこの作品、初出はいつなんでしょう。
ガキの頃('70年代)いとこの家で、小学館の学年誌に載ってるのを読んだ記憶があって。
「少年」連載よりはるか後です。
再録だったのかなあ。

Posted by: かくた | February 14, 2009 01:58 AM

うろ覚えで恐縮ですが・・・
どこかのテレビ番組(確かテレビ探偵団)にて
「視聴者から嘆願がいっぱいあったので、アトムが宇宙人に修理されて帰ってくるっていう形で続編を書いたんですよ。これがウケないんですねー」
と笑いながら語っている手塚先生を見た記憶があります。
それを見たときはまぁ、そんなもんかな、って気がしたんですが。
子供の声に応えた、ってのはいい話ですねぇ。

Posted by: k | February 14, 2009 01:38 AM

>でね、Wikipediaを見ていたら、
(略)
>てな記述がありまして。
> ちょっと待ったらんかーいっ。
なら、書き換えておいて下さいよ。
知ってる人が正しく書き直してくれないと、延々とデマがデマを呼び続けるのですよ?
「wikipediaによると、アトムの最終回は~」うんぬんと。
で、既成事実化します。

Posted by: noname | February 13, 2009 11:04 PM

今週のNHKのシリーズの中では、私が一番おもしろかったのは、野田秀樹氏に手塚氏が一度、『火の鳥 鳳凰編』の上演を許可しておいて、のちに断ったというその前後の話でした。
野田版『火の鳥』も見たかったような気もしますが。

Posted by: tomikyu | February 13, 2009 11:14 AM

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