川崎のぼるの一週間
昨年末に古い雑誌を調べていて、これはスゴイと思ったもの。
虫プロ「COM」1967年8月号、「この人の一週間 川崎のぼる」という記事です。
同じ号の「COM」でベストテンが発表されてますが、「COM」によるアンケート(その対象は編集者・マンガ家・アニメーター・読者、計305名)でトップになったマンガが『巨人の星』でありますので、まさに川崎のぼるこそ、この年ナンバーワンの人気マンガ家でした。
ちなみに二位以下は、ハリスの旋風(ちばてつや)、おそ松くん(赤塚不二夫)、カムイ伝(白土三平)、墓場の鬼太郎(水木しげる)、鉄腕アトム(手塚治虫)、アニマル1(川崎のぼる)、みそっかす(ちばてつや)、天才バカボン(赤塚不二夫)、と続きます。
このとき、川崎のぼるは26歳。すでに結婚されてて子供がふたり。連載中のマンガは、週刊誌が『巨人の星』(少年マガジン)と『アニマル1』(少年サンデー)。月刊誌が『スカイヤーズ5』(少年ブック)、『いなかっぺ大将』(小学五年生)、『あばれ五郎』(中二コース)の五本。
この年の秋には『スカイヤーズ5』がアニメ化され、翌1968年春には『巨人の星』と『アニマル1』が同時にアニメ化され放映が始まるという時期でした。
川崎のぼるのコメントがこんなふう。
今月は、別冊や増刊号がはいったため、二百七十ページという生まれてはじめての強行軍。ものすごいスケジュールになってしまい子供の顔を見ることもできない!! アイデアがつまり、気分転換に散歩をしようと外出しても、編集者がつきっきりでせわしない。
さて、一週間のスケジュールは。
6月19日(月):『少年ブック』58ページのうち32ページ
6月20日(火):『少年サンデー』オフセット5ページ(←二色か四色ページのことだと思われます)
6月21日(水):『中二コース』16ページ、『中二時代』10ページ(最終回)
6月22日(木):『小学五年生』21ページ
6月23日(金):『少年マガジン』16ページ
6月24日(土):『少年ブック』残りの26ページ:夜から『少年サンデー』の仕事のため、旅館にかんずめになる。
6月25日(日):『少年サンデー』15ページ
川崎のぼるの、あの筆圧の強そうな絵で、これは壮絶なスケジュール。驚くべきは、人気絶頂の『巨人の星』の作画が、たった一日でなされてることです。
Comments