手塚治虫いろいろ
生誕80周年の記念企画が続いてますが。
その一。三月発売予定。
●『手塚治虫 予告編マンガ大全集』(2009年ジェネオンエンタテインメント、6500円+税、amazon)
アマゾンやジェネオンのe-shopで予約受付中です。本の詳細はコチラ。
予告編マンガというのは、来週号からこんなマンガが連載開始されますよー、という予告ページのことだと思います。きっと実際に始まったマンガとは細部がいろいろと違ってるでしょうから、これは楽しそうで読んでみたくなります。
でも2000部限定ですし、お値段や内容からいっても完全にファンアイテム。いやもうどんどん出版がマニアックな方向へ行ってます。マンガでも古書の復刻なら高価な限定版とかありますけどねー。
その二。こちらはすでに発売中。
●『完全復刻版 リボンの騎士(少女クラブ版)』(全三巻、2009年講談社、各1752円+税、amazon、
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えー説明が複雑になるのですが、手塚治虫『リボンの騎士』はまず講談社「少女クラブ」に1958年1953年から連載され、その直後にはサファイヤの子どもたちが活躍する続編『双子の騎士』も連載されました。ただし連載中にはこっちのタイトルも『リボンの騎士』でして、ああややこしい。
その後、1963年から講談社「なかよし」で、手塚自身が『リボンの騎士』をリメイクし、現在一般的に読まれてるのはこの「なかよし版」ですね。
で、古いほうの『少女クラブ版リボンの騎士』、雑誌連載中には美しいカラーで描かれてたので有名。この雑誌連載版をカラーで復刻したのが、2004年にジェネオンエンタテインメントから発行された『リボンの騎士 少女クラブ カラー完全版』(2004年ジェネオンエンタテインメント、5000円+税)であります。
今回講談社から出版されたものはそれとも違ってて、『少女クラブ版リボンの騎士』がかつて講談社から最初に単行本化されたときのもの、全三巻の復刻。
原著の発行は、1954年、1955年、1958年。「講談社の漫画文庫」というシリーズ名ですが、いわゆる文庫ではなくてA5判のハードカバー。一巻には四色口絵が四枚ついてて、二巻と三巻は巻頭の16ページが四色になってるそうです。
この版のラストは、雑誌連載のものや講談社全集版とも違ってるそうで、そこが売り。三冊バラ売りもしてますが、スペシャルボックス(5600円+税、amazon)を買うと、ストーリーの違いや雑誌連載中の扉絵を掲載した小冊子が付いてきます。三冊バラで買うよりボックスのほうが、360円だけお高くなってるのが微妙ですが、この小冊子のお値段ですな。
しかし希望を言わせていただければ手塚プロダクションさん、『リボンの騎士』はもういいですから、『ジャングル大帝』のほうをなんとか。<(_ _)>
その三。三月発売予定。
●『完全復刻版 新寶島』(2009年小学館クリエイティブ、税込2000円、amazon)
●『完全復刻版 新寶島 豪華限定版』(2009年小学館クリエイティブ、税込7980円、amazon)
詳細はコチラ。
戦後マンガ最大の封印作品、ついに復刻。ということで本年最大の話題がこれであります。
でもって、バージョンが二冊あって、どこが違うかというとお値段が違う。これがもう購入者が迷って泣くほど違う。
限定版のほうには、手塚治虫の習作『オヤヂの宝島』と昭和22年発行の『タカラジマ』、あと複製原画三枚が付録につきます。
でもなー、『オヤヂの宝島』はかつて「手塚治虫漫画大全集DVD-ROM」が発売されたとき付録についてたものですし、『タカラジマ』は本文が14ページしかない小品だしなあ。よほどの研究者かマニアでもないと。
ここはとりあえず2000円の通常版ということでご勘弁。
Comments
>宝物
>1953年
失礼しました。修正しました。
Posted by: 漫棚通信 | January 22, 2009 05:33 PM
とおりすがりのものですがひとこと。
『リボンの騎士』の『少女クラブ』での連載開始は1953年です。
1月号ですから実際は1952年の内に発行されているのでしょうけど。
>しかし希望を言わせていただければ手塚プロダクションさん、『リボンの騎士』はもういいですから、『ジャングル大帝』のほうをなんとか。<(_ _)>
これはほんとにそう思います。いや、『リボンの騎士』も好きですが。
Posted by: とおりすがり | January 22, 2009 03:57 PM
>限定版のほうには、手塚治虫の習作『オヤヂの宝物』と昭和22年発行の『タカラジマ』、あと複製原画三枚が付録につきます。
『オヤヂの宝島』ですよね。
『オヤヂの宝物』は、子どもには見せられないものでしょうか。
Posted by: misao | January 22, 2009 03:12 PM
今は小クリサイト、特設頁共に表記が「新寳島」となっていますが、一月位前の特設頁のおよび、それをもとにした現在の書店向けポスターの表記は「新寶島」なんですよね。これは発行側が表記を二種類使っていたので発売したら混乱するのではと一人で思っていたのですが、修正統一されたみたいで良かったです。
話は変わりますが、「手塚治虫マガジン」(Webの方)はインターネットを知らない人間が企画と金を出し、中途半端に始めたら失敗したといういい例だと思いますです。
Posted by: くもり | January 22, 2009 07:57 AM
うわあああああああー!
慢棚さんが通常版でイイんデスかー!?
ひよったらあきまへん、豪華版を所有してこその「ステイタス」ちゅうもんが(レクサスじゃないって:笑)。
理性的に考えると通常版でじゅうぶんですネ。
Posted by: トロ~ロ | January 22, 2009 06:10 AM