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December 23, 2008

盗作事件もいろいろ

 今回刊行された『パクリ・盗作スキャンダル事件史』(2008年宝島SUGOI文庫、533円+税、、amazonbk1)、文庫化にあたり「唐沢俊一・漫棚通信ケース」についても記述が追加されております。

 えー、書かれてる当事者の口からいうのもなんですが、この本、なかなかココロザシの高い、いい本でした。

 本書では、文芸、マンガ、音楽についてのもろもろの盗作事件例を紹介してますが、盗作を非難するばかりでなく、創作においては模倣やリミックスをすべて否定することはできないという立場で書かれてます。

 パクリ・盗作と著作権侵害は別のもの、ですね。あとは各人の心にある倫理観の問題です。

 本書を読むと、それぞれの事件はほんとにケースバイケースで、じつにバリエーションが多彩だなあと感じますが、そのひとつひとつにわたしたち自身がこりゃ白だろ黒だろと判定をくだしていくことになります。いろいろと考えさせられる本でした。

 おそらく盗作と呼ばれるもののうちでもっともいやしいものは、本書の守備範囲外ですが、学術論文系の盗作でしょう。で、その次あたりにくるのが、ネット上の文章をコピペして文末をいじるだけの自称作家の所業ね。

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Comments

>文庫化にあたり「唐沢俊一・漫棚通信ケース」についても記述が追加されております。

唐沢さんの『社会派くんがゆく!復活編』での問題発言、漫棚通信さん以外の新戸雅章さんや藤永茂さん、オモロイドさんからの「盗用疑惑」についてもきちんと言及しており、初めて事件について知る人にもわかりやすくいい記事だったと思います。

Posted by: 古賀 | December 23, 2008 at 09:19 PM

「盗作の文学史」も読みましたよ。もうちょっとパクラレたほうに同情した書き方をしてもいいんじゃないかと思いました。裁判でも訴えたほうが負けてるのが多い。「チャーズ」対「大地の子」とかね。なかなか有罪にできません。ノンフィクションがやられやすい。

「(禁)盗作コピペ病」という本をコンビ二で買いました。この中にかいてあるのでは、「七人の侍」対NHKドラマ「宮本武蔵」もNHKが白々しいウソをついて逃げています。勝ったのは音楽の小林亜星くらい。

松本零士対槇原敬之も疑惑をかけられたほうが裁判に持ち込んでいる。パクラレた方もうっかりすると返り討ちに遭います。

だれでも模倣から出発するので、新人がベテランを真似するのは、大目にみたらいい。その逆はいけない。

マンガなどの画像は類似点がわかりやすい。WEBで類似点を指摘したサイトがゴマンとある。マンガの構図をファッション雑誌から借りたりすると、世間は広いもので、両方見ているひとはけっこう居て、たちまち指摘される。イタリアの画家そっくりの絵を何枚も描いていた日本画家がいましたが、裁判するまでもなく一目瞭然。スジやアイデアはパクっても、絵はパクらないほうがいい。

学術的な盗作には、(1)先生が弟子の業績を自分の手柄にしてしまう(2)他人のデータでなく、架空のデータを真実として発表する(いわゆる捏造)ということがあり、芸術とちょっと違う事情があります。もっともいやしいかどうかはわかりません。

Posted by: しんご | December 27, 2008 at 03:49 PM

>零士さん事件。
返り討ち!にあいましたね。
お金が<欲しい>タイプとしては
相当なショックでしょうね。

どう反論されるのかな??
裁判に持ち込むにしても
こう認定されてしまうと
「弁護」しましょう!という
弁護士さんがいるのかどうか?

マンガ家協会そのものを<彼>が動かすのかも
ちょっと興味があります。

Posted by: 長谷邦夫 | December 28, 2008 at 02:14 PM

学校で著作権を教えておられる方にしては勘違いが多いですね長谷先生。訴え出たのは槇原側です。盗作かどうかの判断は今回はされていなくて、「槇原が盗作した!」と騒いだから損害賠償になったのでもなくて、「槇原が一度は盗作を認めた」とテレビで公言したのが事実に反する(と槇原が主張したのが通った)ので名誉棄損になったのです。

Posted by: Vol | December 28, 2008 at 10:15 PM

「パクリ・盗作スキャンダル事件史」も買ってよみました。
マンガ

>パクリ・盗作と著作権侵害は別のもの、ですね。
パクリ・盗作と著作権侵害の違いについての山口貴士弁護士のコメントがこの本の白眉で、「(禁)盗作コピペ病」には、このような記事はありませんでした。

パクリであっても盗作とまでは言えない。盗作、盗用であっても著作権侵害とは限らない。

さらに敷衍すれば、「マネ」であっても、「パクリ」とまでは言えない、のではないでしょうか。

手塚治虫の真似、亜流はゴマンとある。これらはパクリとまではいかないでしょう。許される。

実力のある人がマネすると、なんだこれはパクリじゃないかとなる。ばれると恥ずかしいマネがパクリです。笑われる。

パクリのひどいのが盗用、盗作です。これは恥ずかしいだけでなく、怒られる。絶版になったりする。

もとの作品の売れ行きにかかわるとか、元の作品や作者を侮辱したととられると訴えられる。著作権侵害です。でも売れ行きに関わるくらいでないと有罪にならない。

また、短いフレーズは、著作権を主張しにくいんですね。松本零士先生の陣営は、この辺の知識があると攻撃の手加減ができたんですが、ちょっと深追いしすぎたんで、反撃をくったということでしょう。(最初にくってかかったのは松本側なので返り討ちといってもいいでしょう)法律はよっぽどのことが無い限り、違反にならない。証拠不十分、疑わしきは罰せずでしょう。法律で保護されている範囲はせまーい。

いろんなケースで、「マネ」、「パクリ」、「盗用・盗作」、「著作権侵害」のどれにあたるかを考えたら面白いと思います。

Posted by: しんご | December 30, 2008 at 04:56 PM

槇原敬之、松本零士氏との和解が成立 http://www.sanspo.com/geino/news/091127/gnd1127000-n1.htm というニュースが(ちょっと前に)出た機会に、書き込みします。

ワタシはこの二人のうち、歌手の方についてはさっぱりしらず、漫画家のほうについては、「銀河鉄道999」の主人公のキャラクターや、「大四畳半物語」などの貧乏物語には愛着を持っていますので、松本大先生に肩をもった内容になります。

問題の歌詞のような短いフレーズだと、偶然同じようなものができる可能性があり、盗作とまでは言えないのでしょう。

ワタシはちょっとした工作も趣味なのですが、ワタシ独自のアイデアと思っていたら、すでに特許がとられていたものがありました。特許のマネだろうといわれたら、引き下がるよりありません。また他のアイデアが浮かぶチャンスもあるだろうと考えて、その場は引き下がるのです。そのまま消えていった人も世の中にはいっぱいいるのでしょう。

ただ、「勝者」の「仏教の教えによく似た言葉があり、それからヒントを得て考え付いた」というのは、あとからつけた理屈のように思えます。もしこのとおりだったら、最初からそれを相手にいうでしょう。そしたら、怒っているほうも考えなおすでしょう。途中から言い出したのなら、まわりから、あるいはWEBの槇原擁護論からパクッテきた後知恵でしょう。それはちょっと卑怯です。(実際どっちだったのかは、わかりませんが。)

松本センセイも、いきなりテレビで非難したのはやりすぎだったんでしょう。ホットラインで、作詞家本人と話し合うべきだったか、と思います。

このごろ、古いハリウッドの映画をDVDで安くみられるようになりましたが、黒澤作品のあの場面はここからヒントをもらったんじゃないか、と勝手な理屈をこねてみています。ものすごく大量の映画を見た人間が、大量に出現していますので、あの映画のこの場面は、この映画のあの場面のパクリじゃないかという議論に、あいづちのうてるポピュレーションが生まれているのではないかと思います。芸術家のオリジナリティをより公平に、発案者の手柄をかれの手柄に、シーザーのものはシーザーに返す状況が生まれているのでしょう。

しかし「このアイデアは、なんのことはない、こっちのパクリだった」という議論は不毛ですね。その中から、その芸術家の真の独創性はなにかということを感得していかないと。

Posted by: しんご | November 28, 2009 at 12:15 PM

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