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November 16, 2008

作家は変身する『神戸在住』『巨娘』『からん』

 講談社の新雑誌「good!アフタヌーン」は読んでて楽しかったです。それにしても付録のフィギュア、上着が着せにくいったらなくて、あれは無理でしょう。ウチでもなんとか組み立てようとしましたが、結局、右腕がぽっきり折れちゃいました。一応ボンドでくっつけてますが。

 新雑誌の中でもやたらとおもしろかったのが木村紺『巨娘』。あれれ、このひと『神戸在住』のひとだよね。

●木村紺『神戸在住』全10巻(1999年~2008年講談社、457円~514円+税、amazonbk1

 『神戸在住』は神戸を舞台にしたしっとり系女子学生日常活写マンガ。マンガで震災をきちんと描いた、という点でも歴史に残る作品でしょう。

 その作者が、こんなつきぬけたギャグを描いてたのかっ。しまった、単行本が昨年末に出てる。出遅れました。

●木村紺『巨娘』1巻(2007年講談社、514円+税、amazonbk1

 連載一回が30ページと長いコメディ。昔ならストーリーギャグと呼ばれたかしら。

 主人公のジョーさん(♀)は身長181cmの巨娘(きょむすめ)。焼き鳥店の店長をしてます。体もでかいが態度もでかい、乱暴者の正義漢、力は強いしケンカも強い。歩く姿はまさにゴジラ。

 いや笑った笑った。

 キャラクターのバックグラウンドを徹底的に書きこむのが作者の得意技ですから、『巨娘』でもその線でストーリーが組み立てられてます。

 規格外の彼女やその周辺のひとびとの場合、生活がいやがうえにも過激になっていくのをギャグにしたマンガです。『神戸在住』で善人ばかりを描くのに飽きたのか、ろくでなしがいっぱい登場するのがたいへんけっこうです。

 『神戸在住』と同じように、コマとコマの間に書かれたキャプションがアクセント。

 『神戸在住』ではキャプションの語り手は主人公の女性でした。つまり主人公の心の声という昔ながらの少女マンガ的手法(マンガを描いているのが主人公自身らしい、ということも匂わせてましたが)。

 『巨娘』のほうではキャプションの語り手は、神の声=作者自身。作者が登場人物の行動にツッコミを入れる「ちびまる子ちゃん」パターンですな。同じような手法が、『神戸在住』では抒情、『巨娘』では笑いのために使用されています。

 でもって、作者はさらに変身します。キャプションをぐっと減らした作品がこれ。

●木村紺『からん』1巻(2008年講談社、543円+税、amazonbk1

 内容もがらっと変わって、今度はなんと京都が舞台の女子高柔道部のお話です。熱血です、スポコンです。『柔道部物語』か『帯をギュっとね!』か。ただし雰囲気としては『少女ファイト』に似てるかな。

 時代は現代、のはずだけど、今はもう廃駅となった京阪電鉄蹴上駅が出てきます。あそこが最寄り駅の女子高といえば、ダム女か? でもダム女の制服はセーラー服じゃなかったよねえ。

 ローカルな話題はさておき、1巻ではまだ人集めの段階なのでお話は進んでません。それでも多数の登場人物をきっちり書きわけようとする意図がはっきりとしてて、おもしろくなりそうなニオイがぷんぷんと。

 ゆっくりじっくり話を進めてて、前二作より「普通」に近いマンガです。絵や演出はこれまでとはまったく変化してます。別名義で発表されたら、同一作者の作品とはわからないかもしれない。

 ただどの三作とも、作者はかっこいい女性キャラクターをじっくり掘り下げて描きたいと思ってるようです。目的のためには手段は選ばんっ、みたいな?

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Comments

巨娘は「ロリっぽい彼氏」を「やっちゃっている」のでしょうか?
いつもながら下世話な話題で申し訳ない。

Posted by: トロ~ロ | November 19, 2008 04:41 AM

トロ~ロさんへ
>巨娘は「ロリっぽい彼氏」を「やっちゃっている」
ガンガンやっちゃってます。

ロリ彼氏が、恥ずかしげにモジモジする姿が、どストライクのようです。

Posted by: ペタ | November 24, 2008 09:50 AM

>ガンガンやっちゃってます。

おお~~、ベタさん、情報ありがとうございます!!
う~ん、巨娘に組み伏せられて××されちゃう美少年・・・
21世紀だナァ♪

Posted by: トロ~ロ | November 24, 2008 09:59 PM

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