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November 28, 2008

頭だけじゃなく手も

 特殊職業ものというジャンル(?)があります。あなたの知らないいろいろな職業を、マンガで紹介してくれるわけですな。

 ハデなパフォーマンスが可能な職業(消防士とか弁護士とか医師とか料理人)はもちろんマンガになりやすいのですが、ご近所の鉄工所が舞台ならどうなるか。マンガになるのか? 

●野村宗弘『とろける鉄工所』1巻(2008年講談社、580円+税、amazonbk1

 これがりっぱにマンガになるのですね。

 登場人物は広島の「のろ鉄工所」につとめるひとびと。彼らの仕事は「溶接」です。で、これがいかに熟練の技を要するか、危険と隣り合わせか、をゆるーい笑いとともに描いたマンガ。

 「とろける」とは溶接の火でもって、鉄やら皮膚やらが焼けることらしいです。コワいです。でも男らしいぞ。

 このマンガのどこがすばらしいかというと、登場人物がある技術を持ちたいと望み、技術を持っているひとを尊敬するという態度。これが読者を(ちょっと)感動させます。

 何らかの技術を持っている、しかも熟練者は、かっこいい。おそらくヒトがヒトであるならば、原初より持っているはずの意識です。これは地方の鉄工所でも同じのはず。


 で、方向性はまったく違うように見えるのですが、実は根っこで通じてるんじゃないか、と思われるのがこれ。

●今井哲也『ハックス!』1巻(2008年講談社、552円+税、amazonbk1

 こっちは高校アニメ部に入部したおねーちゃんが、どんどんアニメーション技術を習得して成長していく話(?)らしい。

 技術を習得してうまくなりたい、という気持ちは、溶接もアニメも同じなのじゃないかしら。

 頭で考えるだけじゃなくて、実際に手を動かして仕事するひとびとこそ、尊い。技術を尊敬する態度、これを忘れたくないものであります。

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Comments

http://kohsaku.xblog.jp/ 「かたん工作日記」という鉄工所のブログがあります。

2008年7月13日から6回にわけて溶接工の漫画が掲載されています。しろうとのマンガですが、なかなか読ませます。溶接の職人さんの世界をのぞかせてもらった気分になります。

2008年7月の目次から「続、ウェルドマン。 その1」を選んでください。

吾妻ひでお「失踪日記」のガス配管工の生活もおもしろかったですね。

Posted by: しんご | December 04, 2008 08:39 PM

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