産業スパイはドロボウです
ちょっと変わったマンガを読みました。
●竹本真『サンスパ』(2008年講談社、695円+税、amazon、bk1)
タイトルの「サンスパ」とは、「産業スパイ」を若い子ふうに略してみた言葉だそうです。
家電大手に勤める技術者、花丸ひな子は首からさげる金メダル型携帯音楽プレーヤーを開発しますがこれが大コケ。左遷されて失意の生活を送っていたところ、社内の謎の部署から産業スパイとしてスカウトされ、ライバル会社に潜入することに。
とまあ、家電業界の産業スパイを扱ったマンガ。情報を盗もうとする側、守ろうとする側のタタカイ。サスペンス+コメディです。
家電業界も技術開発も、さらに産業スパイの存在もまったくわたしの知らない世界です。基本的に犯罪者の話なので、倫理観との葛藤もあります。エンタメの題材としてはいい感じ。現代の世相を斬る、というところまでには踏み込んでいってません。
一巻だけで完結しちゃったということは、雑誌(イブニング)連載としては失敗だったのかもしれません。でも実は、これぐらいの長さのものを単行本で読めるのは、読者としてはありがたい。映画やTVにするとしてもちょうど二時間ぐらいでしょうか。
絵は井浦秀夫に似たタッチかな。ケレンに欠けて地味なのがもひとつですが、奇妙な味があって楽しく読みました。
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