« 手塚治虫の評伝 | Main | 『血で描く』感想 »

September 18, 2008

こういう楽しみ方はすてき『名作マンガの間取り』

 こういう本が出てまして。

●影山明仁『名作マンガの間取り』(2008年ソフトバンククリエイティブ、952円+税、amazonbk1

 漫画やアニメ(あるいは小説)に描かれた家の間取りを、作品から推理して製図した本。間取りがずらっと並んでいるだけの小さな本ですが、いやもう、楽しいったらありません。

 毎週放送されてるアニメ「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」の家の間取りを、あなたはどう考えているか。マンガ『ブラック・ジャック』の家や『あたしンち』のマンションの間取りをどう思うか。

 いや実はそのあたり、何も考えてませんでした。スミマセン。

 ところがプロのかたになりますと、そこがずいぶん気になるものらしくて。本書を書かれたのは盛岡市で建築コンサルタントをされているかた。ネットに発表したものを書籍化したものです。

 アニメ「ドラえもん」の家を作図すると、階段が急すぎて、ドラえもんのあの体形、短い足では昇れなくなっちゃうそうです。アニメ「カードキャプターさくら」には、巨大な地下図書館が登場しますが、柱や壁がないから、地上の建物をどう支えてるのか、なんてね。

 いちばん感心したのは江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』(マンガ版)から、大空組邸宅を作図したもの。中庭がむちゃ広くて、これは立派な建物ですよ。

 マンガやアニメに新しい発見があります。こういうのは好きだなあ。

 さらに小説からも、『我が輩は猫である』の苦沙弥先生邸はどうかとか、『注文の多い料理店』はどうなっているのかとか。前者はこんなに広いとは思わなかった。後者は平屋にムリヤリ詰め込んで作図されてますが、著者のサイトには二階建ての修正版も描かれてます。

 こういう楽しみ方の元祖は、かつてベストセラーになった『磯野家の謎』(1992年飛鳥新社、今は日本文芸社パンドラ新書)。この本には磯野家邸宅について同様の考察があって、マンガ版からは、どう考えてもトイレは三ないし四つある、との結論になってました。

 そして『磯野家の謎』には、磯野家の間取りをアニメ版から推理した図も掲載されているのですが、これが『名作マンガの間取り』で推理された磯野家と、まるきり同じ。おー、あのアニメの設定はきちんとしてたのですねー。

 わたしが知りたいのは、『らんま1/2』の天道家邸宅です。あれはずいぶんと複雑な建物じゃないかな。

|

« 手塚治虫の評伝 | Main | 『血で描く』感想 »

Comments

なんか正確な考証ではないという意見がありますが…。
http://news.livedoor.com/comment/list/3792014/
ドラえもんって正座ができる→必要とあらば体がある程度伸びるという設定だと思います。

Posted by: てんてけ | September 18, 2008 09:06 PM

アマゾンコメントでも問題にされてましたね。キャッツアイの方はちょっとアレですが、ドラえもんは、文中にも書きましたが足が短くて階段が昇れないという意味の文章と理解しましたです。

Posted by: 漫棚通信 | September 18, 2008 11:36 PM

架空主人公の生活を推理してゆく、一種の知的ゲームはイギリスの「シャーロキアン」に始まるような気がしているのですが、それ以前があるのかどうか良くわかりません。で、現代日本で考えますと「磯野家の謎」の1年半前に発行された「ウルトラマン研究序説」に私は重きを置いてしまいます。それ以前に何かモシあればご教示下さい。でもマアTV「月光仮面」世代の私は、祝探偵(大瀬康一)事務所が宣拡社社長宅の応接室で、どくろ仮面アジトが社長宅のガレージであった、てなミもフタも無い話の方に魅かれちゃうんですけどね。

Posted by: みなもと太郎 | September 20, 2008 04:30 AM

なんと面白そうな本かと思って、さっそく購入しました。
どれもどこかで読んだことのあるマンガ、ドラマ。
間取りという視点から、漫画の登場人物達の暮らしぶりを
あれこれ想像するのはとても楽しかった。

私が購入したのは、2008年9月9日 初版第2刷発行となって
いるものですが、それには「ドラえもんのサイズでは
階段が上れない」等の記述はありませんでした。
キャッツアイの資金調達についてのくだりは、そのままです。

個人的には、間取り図が完璧でなく、空想で補っている
部分や勘違いがあっても問題ない気がします。続編も出て欲しい。

Posted by: とらうま | September 20, 2008 01:54 PM

面白そうな本なので買ってみることにします。

ところでご存知かもしれませんが、鴎外が住み後に漱石が住んで「猫」を書いた家は、そのまま愛知県の明治村に移築保存されています。
http://www.meijimura.com/visit/s09.asp
こちらに間取り図が。
http://namoja.blog90.fc2.com/blog-entry-34.html

平屋の39坪「7K」ですが、天井や鴨居が伝統的サイズで低いため、実際より小さいように感じました。
本が届いたら比べてみたいと思います。

Posted by: 赤ガエル | September 21, 2008 01:07 PM

>漱石が住んで「猫」を書いた家
情報ありがとうございます。リンク先、拝見しました。「名作マンガの間取り」では、惜しいところまで迫っていますね。

Posted by: 漫棚通信 | September 21, 2008 03:57 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference こういう楽しみ方はすてき『名作マンガの間取り』:

« 手塚治虫の評伝 | Main | 『血で描く』感想 »