日本初ベーデー雑誌「ユーロマンガ」
アメコミですら日本に定着しないのに、これを創刊するとは思いきったことをするなあ。
●「euromanga ユーロマンガ」1号(2008年飛鳥新社、1500円+税、amazon、bk1)
日本初のバンドデシネ(BD=ベーデー)専門誌です。オールカラー120ページ。内容はBDが四作品と、あとはBDの歴史を書いた小文、作者紹介やインタビューなど。それぞれの作品は原著一巻の半分ほどが収録されてるそうです。
収録作品はこれ。
●バルバラ・カネパ/アレッサンドロ・バルブッチ『スカイ・ドール』
●エンリコ・マリーニ/ジャン・デュフォー『ラパス』
●ファーノ・ガルニド/ファン・ディアス・カナレス『ブラックサッド』
●ニコラ・ド・クレシー『天空のビバンドム』
書影の表紙イラストが『スカイ・ドール』。ディズニー系の絵で、セクシーなロボットのヒロインを描くとこうなります。お話は、掲載されてるぶんがほんとにプロローグなので、まだよくわかりません。
『ラパス』はホラー。四作のうちでは日本マンガにもっとも近い感触があって読みやすいのじゃないかしら。
『ブラックサッド』はすでに早川書房から邦訳があります。これもディズニー系で、あいかわらず達者な絵と展開。
で、必見なのが、ニコラ・ド・クレシー。なんとも圧倒される絵で、内容は難しくてよくわかんないけど、なにやらスゴイものを見てしまった、という感想です。
かつて日仏作家のアンソロジー『JAPON 』(2006年飛鳥新社、1238円+税、amazon、bk1)で、ひときわめだつ作品を描いていたのがド・クレシーですが、あれはモノクロ。カラーではこんな絵を描くのかー。ページごとに画材やタッチがどんどん変化していってて、これって気合いがはいりまくってるのか、それともすごく飽きっぽいひとなのか。ともかく続きが読みたいっ。
ユーロマンガ2号は来年三月発売だそうですが、お願いですから休刊せずにずっと刊行続けてくださいよー。
Comments
uを抜いたらeromanga。
それはともかく(w この本の企画、制作に関わりの深いBD研究会のHPができたそうです。
http://1000planches.org/
Posted by: boxman | September 17, 2008 09:49 AM
せっかくBDなのに無関係な話題ですみません、とお断りしておいて。
例の「(設定が多分に嘘っぽい)イキガミ」ですが、星新一氏の「生活維持省」に酷似していると、老齢の未亡人に代わってお嬢さんの星マリナさんが活動されているそうです。
筒井康隆氏の縦書きブログで読みました。
そいえば、この設定どこかで見たことあるな、と感じていました(典型的後知恵)。
今後の展開にちょっと注目です。
Posted by: トロ~ロ | September 12, 2008 04:05 AM
アマゾンから申し込んでみました。
昨日、書店で見かけたもんで。
飛鳥新社、変ったものを出しますね。
イラスト系の雑誌が、そこそこイイのか?
かつて「日刊アスカ」で
お世話になった社です。
Posted by: 長谷邦夫 | September 11, 2008 12:05 PM