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May 26, 2008

マンガ雑誌の発行サイクル

 今はなき講談社の「少女フレンド」が週刊から月二回刊になったのが1974年。小学館の「少女コミック」が週刊から月二回刊になったのが1978年。

 そして集英社の「マーガレット」が週刊から月二回刊になったのが1988年。この年には「セブンティーン」も週刊から隔週刊になってます。

 マンガの中でも、少女マンガ系は早々に週刊サイクルから撤退してしまいました。理由の第一は雑誌売り上げの問題なのでしょうが、制作側にも「少女マンガ」の量産はきびしい、という理由があったのかどうか。いずれにしても、再度少女マンガ週刊誌が登場することは、ないと思います。

 この四月から五月にかけて、ひさしぶりにマガジンとサンデー二誌を毎週買い続けてたのですが、読者としてもわたしのような年寄りになりますと、週刊サイクルはきつかった。読み終わる前に次の号が発売されちゃいますからね。どんどんたまって書庫のスペースを占めること。

 ほぼ同時に、これもひっさしぶりに月二回刊であるところのビッグコミックを買い続けてたのですが(『中春こまわり君』を読むため)、習慣的に買うのなら、これくらいがちょうどいいんじゃないかと感じてしまいました。

 「週刊ヤングサンデー」が休刊かも、というニュースもありますが、日本では、若年読者はマンガ離れ、高年齢読者は週刊サイクルについてゆけず。すでに週刊マンガ誌は読み切れないほどの量を、読者に提供し続けているのかもしれません。

 アメリカじゃ「Shonen Jump 」も「Shojo Beat 」も月刊誌ですね。いつか週刊誌化される可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。日本でもこれからすぐに週刊→月二回刊→月刊の流れが加速するのか、というとそうでもない感じ。

 『サルまん2.0 』が連載終了したそうで、残念なことです。ただし、かつて週刊の「ビッグコミックスピリッツ」に連載されイキオイで突っ走っていた作品が月刊誌に連載される、というのがわたしの最大の不安でもありました。やっぱ週刊誌と月刊誌はちがうものですし。

 読者の立場になると、今の時代、読切ならともかく月刊誌で連載作品を読むのはちょっときびしくて、わたしなどは、だったら単行本で読もうか、という気にもなってしまうのですね。

 あと月刊誌は、なぜか買いのがしちゃうんですよ。はっきり言いまして「月刊IKKI 」と「モーニング2」は、ともに大手出版社発行にもかかわらず、ウチの近所の書店では手にいれにくいったらありません。よほど少ない発行部数なのか?

 雑誌をマンガ単行本の供給元と考え、赤字でもかまわないと完全に割りきるようなビジネスモデルはまだ確立していないはずですから、これからも雑誌発行サイクルの試行錯誤は続くでしょう。

 ところがねー、自分で買わない雑誌=喫茶店とかラーメン屋に置いてある雑誌になりますと、これはもう週刊誌がタイヘンありがたい。読者は勝手ですな。「週刊漫画ゴラク」とかは、個人よりもそういった飲食店方面に売れてたりして。

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Comments

ヤングサンデー休刊=廃刊になってしまいました。「とめはねっ!」はどうなるのでしょうか。

Posted by: misao | May 30, 2008 11:54 AM

私は「好きで買う」マンガ雑誌が何故かいつも「隔週誌」になっていた時期があります。

スピリッツは「美味しんぼ 連載第1回」から知っていますが(あの時は、こんなウンチク・グルメ漫画は受けないよ~と思ったのに、あら、びっくり)週刊化に伴って各連載作品の内容が薄くなり、止めました。
次が、ビジネス・ジャンプ。「銃夢」の連載を読みたくて。著者の都合というか何と言うか、隔週誌なのに2回に1回、8ページしか掲載されなくなり、ようやくの連載終了により購買終了。
現在はイブニング(中途半端な印象を感じる作品が多いのが不思議)。これは「もやしもん」狙いです。5月から3勤1休ペースになってしまい、休載号はパスします。
「もやしもん」はアニメ化でブレークして、グッズ販売に手塚治虫文化賞・大賞受賞などという望外のオドロキと喜びに、あらまあ、びっくり。

約30年前の朝日ソノラマ刊「月刊マンガ少年」は面白かった。捨てずに残しておけば、と悔いております。
今は同じ系統(?)の隔月誌の「ネムキ」を買っております(連載作家とか作風とか似てますね)。これは「百鬼夜行抄」狙い。
それから電話帳こと「月刊アフタヌーン」(おまけが付いていて今では珍しい)。「おおきく振りかぶって」と「ヴィンランド・サガ」狙いです。

「少年ジャンプ」は小学校卒業に伴って「卒業」したような記憶があります。働き出したら周囲の大人が皆読んでいるので、これもびっくり。いまも集英社とは縁遠いですねー。

大学生時代の先輩に、売れていない共同ペンネーム(実際はアシスタントなのかも)の漫画家がいまして「女性の漫画家には、体力的に無理させられないんだよー、倒れちゃうし」などとのたまっておりましたっけ。

いやいや、長文失礼しました。

Posted by: トロ~ロ | May 27, 2008 12:51 AM

>『SHONEN JUMP』週刊化

わたしもこれは難しいと思います。創刊時には「創刊から3年で100万部」という数字も挙がっていました。

↓わたしのブログの記事です。古いですが参考までに。
http://d.hatena.ne.jp/ceena/20060904/1157383215

Posted by: ceena | May 26, 2008 10:46 PM

そうだったんですか。たしかに供給だけを考えるなら、日本の旧作中心ですから可能ですねー。

Posted by: 漫棚通信 | May 26, 2008 03:48 PM

「Shojo Beat 」はともかく「Shonen Jump 」は「週刊化を目指す」との旨、創刊当初のリリースでは謳われていたはずです。現在もこの方針を保持しているかは不明ですが、いちおう。

Posted by: boxman | May 26, 2008 03:21 PM

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