ゲゲゲの家族
自分の妻と娘が書いた本がほぼ同時発売、しかもテーマは自分、てのはどんな気分なんでしょ。
●武良布枝『ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければ、すべてよし!!』(2008年実業之日本社、1200円+税、amazon、
bk1)
●水木悦子『お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常』(2008年やのまん、1200円+税、amazon、
bk1)
前者は、水木しげるの妻の自伝。後者は次女の書いたエッセイです。
水木しげるは自伝をいっぱい書いてますし、足立倫行による評伝もあるのですが、家族に見せる水木しげるとなるとこれはまた別です。生の姿が登場してます。
今やすっかり自然体のように見える水木先生も、かつては
読者やファンに対しては意識して「水木しげる」の役を演じなければならないと思うようになっていた(『ゲゲゲの女房』)
そうですから、やっぱりこれらの本に書かれてる水木しげるは貴重ですね。
これまでも知られていたいろんなエピソードが示すように、水木先生、奇人です。しかし偉人が奇人であるのは当然で、だからこそそのひとの書いた本を読むのだし、そのひとのことを書いた本がおもしろい。
仕事も生活も、徹底してワンアンドオンリーのひとですねえ。
ふたつの本でエピソードがダブってることもあって、似た読後感です(アタリマエか)。『お父ちゃんと私』の著者、水木悦子は1966年生まれでわたしよりずいぶん年下のはずですが、逆に年上に思えてしまうくらい、家庭内が昔ふうでのんびりしている。水木家の時間はわたしの生きた時間とはずれて流れてる感じがしてなりません。
ちょっとおどろいたエピソード。
●東映が「墓場の鬼太郎」アニメ化を申し入れたとき、映画にするかテレビにするかを聞かれた水木しげるは、迷わずテレビを選びました。「一年でも二年でも、飯が長く食えるほうがいいからだ」(『ゲゲゲの女房』)
●「鬼太郎」が「墓場」というタイトルのため、アニメ化企画が頓挫しているとき、少年マガジン連載マンガのテーマソングを作る企画が立ち上がりました。このとき作られたのが水木しげる作詞の「ゲッゲッ、ゲゲゲのゲ」というあの歌(いずみたく作曲、熊倉一雄歌)。この歌の評判が良くアニメ化が再始動しますが、タイトルを「ゲゲゲの鬼太郎」に変更したのも水木しげるの発案だったとのこと。(『ゲゲゲの女房』)
●水木しげるがゲーテに傾倒してたのは他の著作にも書かれていましたが、ゴーギャンやムンクにもずいぶんくわしい。(『お父ちゃんと私』)
Comments
水木さんの変わった 癖については昭和史という漫画に詳しいのですが 覚えているのだけでも
軍隊に引っ張られ 水木さんはいよいよ明日特高となり遺書を書かされたそうですが 水木さんは 「クジラがもし陸上生物だったら(!?)」 という作品を残して日本軍に提出したそうです 軍隊に入った時は ラッパ吹きをやっていたそうですが 音が出ないので 陸軍にいれられたそうです ダカルカナル島を 敵を視察中 南国の花や 鳥に目を奪われて 気がついたら自分の持ち場だった中隊が全滅していた
逃げている最中に ぬりカベに 遮られたそうです
軍隊で 受けたビンタは電撃が走る様に感じた痛さだったとか パイナップルの缶の間切が見つからないので
親指で 缶詰を開けた 怖かった上官に糞まみれの靴を洗った ご飯をだしたら 無理やり食べさせられた
腕が無くなった時 いままでいじめていた上官が
「水木 生きろ!! 生きろ!! 」と激励してくれた
宝塚で その上官 宝塚の次長にあって 一緒に
旧戦地に行った 蝶々が お香のまわりについた
などなど 面白い話はたくさんありますね
石を食べたり 動物の骨を集めたりドーナツを食べるために20キロ歩いたり
Posted by: SさんP | April 26, 2008 12:05 AM