ちょっとだけオシャレな造本
海外を舞台にしたエッセイマンガは、あまりハズレがありません。海外生活経験者は、そうそうあるある、と読み、未経験者は、へーそうなんだー、とこれもお勉強になるから。
で、こういうのが発売されてます。
●じゃん・ぽ~る西『パリの迷い方』(2008年創美社/集英社、838円+税、amazon、bk1)
著者がパリに留学したときの見聞をもとにしたエッセイマンガ。日本人とフランスの文化摩擦がネタになってます。連載は「オフィスユー」。
他の類似作品に比べどこが違っているかというと、まずちゃんと絵がうまい(ような気がする)。破綻のないきっちりした絵で、エッセイマンガにはぴったり。書影ではわかりにくいかもしれませんが、絵のうまいひとが、わざと単純化してマンガっぽく描いた感じ。
数ページで終わるエピソードを集めたものですが、起承転結でいうなら、転の部分でぶちっと切って終わる作品もあります。
もちろんいちばんは、パリの何をおもしろがるか、という点であります。この本に描いてあるのは、電話やメトロや郵便局やシャワーなどの日常生活。あたりまえですが、オッシャレーなパリはあまり登場しません。そのかわりにこの本、小口のほうからながめますと、青白赤の三色という造本になってまして、おおフランス国旗だ。
それやこれや絵も含めてこのマンガ、センスいいですね。
さて、32歳の著者は何のためにパリ留学をしていたかといいますと、「フランスの漫画に憧れて」「まんが修行を志し」たのだそうです。マンガ内では、バイトしてるか、友人とおしゃべりしてるか、日々の生活の描写はあっても、具体的にどこで何の勉強をしてるのかは描いてないので、謎です。
でもフランスでBDの修行をしてる日本人てのは、そうたくさんいるものじゃないだろう。今度は著者のまんが道のほうを読んでみたいです。
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