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January 12, 2008

ジョージ秋山の場合

(以下の記事の続きになります)
史上最も忙しかったマンガ家
水島新司の場合


 ジョージ秋山のほうがもっと忙しかったかもしれない、とのご指摘をいただきました。V林田さま、すがや先生、ありがとうございます。

 たしかに、ジョージ秋山の1970年はハンパじゃないです。既存の情報をもとに整理しなおしてみます。

 まずは1970年のマガジンから。

●ほらふきドンドン:「週刊少年マガジン」31号まで
●アシュラ:「週刊少年マガジン」32号から

 ほらふき和尚が主人公のギャグマンガから、一号の休みもなく突然、あの問題作「アシュラ」にチェンジされてるのがまたスゴイ。

 そのころジャンプでは。

●デロリンマン:「週刊少年ジャンプ」39号まで
●現約聖書:「週刊少年ジャンプ」41号から

 「デロリンマン」は、のちにマガジンにも連載されます。

 サンデーにはそれまであまり描いていませんでしたが、この年、満を持してこれを連載。

●銭ゲバ:「週刊少年サンデー」13号から

 「少年チャンピオン」は1969年の夏に創刊。最初は隔週刊として出発しましたが、一年後に週刊化されました。先行するジャンプと同じやり方ですね。1969年は1号から10号まで。1970年は1号から13号までが隔週刊、14号からが週刊になりますが、ジョージ秋山は創刊号からこれを連載。

●ざんこくベビー:隔週刊「少年チャンピオン」13号まで
●ざんこくベビー:「週刊少年チャンピオン」14号から

 そしてキングでは。

●ズッコケ仁義:「週刊少年キング」20号から46号まで

 講談社のマンガ月刊誌「ぼくら」は、1969年の秋に週刊誌化されて「週刊ぼくらマガジン」になりました。少年向けマンガ週刊誌としては六誌めです。マガジンの内田勝が編集長を兼務。残念ながら1971年23号で休刊します。

●どくとるナンダ:「週刊ぼくらマガジン」23号まで
●ギョロメンハカセ:「週刊ぼくらマガジン」36号から

 1970年、その他の連載を見ていきましょう。少年画報社の「少年画報」は、末期には月刊から月二回刊になっていました。

●コンピューたん:月二回刊「少年画報」6号まで
●ヒトモドギヒョウタンゴミムシ:月二回刊「少年画報」7号から13号まで
●サド伯爵:「月刊冒険王」:7月号まで
●ほらふきドンドン:「月刊別冊少年マガジン」連載中
●黒ひげ探偵長:「月刊別冊少年ジャンプ」1月創刊号から6月号まで
●ざんこくベビー:「月刊別冊チャンピオン」:12月創刊号から

 というわけで、ジョージ秋山は1970年の夏以降、月刊誌や月二回刊誌の連載を減らして(月刊誌連載は「別冊少年マガジン」だけ)、「マンガ週刊誌同時六誌制覇」をなしとげています。

 なんつーかもう、人間わざじゃないですね。しかもその間に描かれてたのが、あの「アシュラ」や「銭ゲバ」なんですよ。

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Comments

手塚治虫、石森章太郎の両氏については、どの年が最も忙しかったのかアタリをつけることさえタイヘンですので、今回はパスさせていただきます(^^;) 

Posted by: 漫棚通信 | January 12, 2008 10:58 PM

 ジョージ先生の場合、ほとんどの作品がギャグマンガでしたので、1回につき12~13Pくらいでした。1日1本のペースで徹夜もすることなく、コンスタントに仕事をしていましたよ。アシスタントも週末は休みだったし。

 忙しさ……という意味では石ノ森先生の方が凄かったですね。マンガの原稿が月に600ページくらいあって、そのうえにテレビや映画の仕事がドッサリでしたから。マンガはギャグもありましたが、『リュウの道』みたいな線が一杯の作品もありましたし。

 手塚先生の場合も、マンガのほかにアニメがあって、編集者もアシスタントも大変だったようです。

 水島先生は、本当に早いんです。下絵も表情なんて入ってなくて、顔の当たりも丸に十字線くらい。これでペンが入ってしまいます。

Posted by: すがやみつる | January 12, 2008 08:20 PM

手塚忘れてね?
43年=516ヶ月
150,000枚÷516ヶ月=290.69枚
生涯平均で月産300枚だったみたいよ。

Posted by: nanashi | January 12, 2008 05:50 PM

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