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October 28, 2007

日記、のようなもの

 ここ数日ちょっとどうかというくらいマンガを買ってるのですが、それも「月刊IKKI」2007年12月号を買おうと、ほぼ連日近所の複数の書店に通ってたから。行くたびに何かしら買ってきちゃうのですね。

 それなのに竹熊/相原表紙のIKKIは見つかりません。その後わたしが見のがしてるのじゃなくて、書店(しかも複数)がIKKIを入れてないということがわかりました。イナカの書店では、小学館の月刊誌にしてこういうことになってるわけです。とほほ。

     ◆

 10/22にNHKでポアンカレ予想についての「100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者失踪の謎」という番組を見て、イキオイがついてしまって思わず買ってきてしまったのが、数学読み物の傑作と名高いサイモン・シン『フェルマーの最終定理』(新潮文庫、青木薫訳、amazonbk1)。これをやっと読了。

 これもBBCのTV番組をもとに作られた本で、著者はインド系イギリス人で素粒子物理学博士、訳者が理学博士。わたし高校二年の時、数学で5段階評価で2の通信簿をもらいましたがそれなりに数学好きだったんですよ。でも微分積分ほとんど忘れてますね。インテグラルって何だったっけ。

 『フェルマーの最終定理』はわかりやすくわかりやすく書いててくれてて、読むのに数学的知識をほとんど必要としません。ただしどうしようもないところもありまして、以下の記述など誰がわかるというのかしら。

 残念ながら、モジュラー形式は紙の上に描くことはもちろん、頭の中に思い浮かべることすらできない。正方形のタイル張りであれば二次元平面内に収まるから、x軸とy軸によって定義することができる。モジュラー形式も二つの軸で定義されるが、その軸は二つとも複素軸なのである。つまり、それぞれの軸に実部と虚部があって、実質的には二本の軸があるのと同じことなのだ。したがって、一つ目の複素軸を表すだけでもxr軸(実)とxi軸(虚)の二つが必要になるし、二つ目の複素軸にはyr軸(実)とyi軸(虚)の二つが必要になる。厳密なことを言えば、モジュラー形式はこの複素空間の上半面に存在するのだが、ここで重要なのはこの空間が四次元(xr, xi, yr, yi)だということだ。

 ああ…… ただし、このあたりは読者のほとんどが読みとばてます(←そうでしょ、そうだと言ってくれ)。読み物としての価値はこういうところにあるわけではありません。数学に人生をかけたひとびとのドラマが実に感動的でありました。

     ◆

 TVについては、これも10/21にNHK教育で放映されてた「21世紀を夢見た日々 日本SFの50年」が永久保存版クラスでしたね。

 貴重映像がいっぱいなのですが、1970年の大阪万博で日本SFの黎明期が一段落、という史観にちょっと違和感がありました。個人的には1970年のハヤカワSF文庫創刊がSF体験の始まりだったので(同時期に新潮文庫や角川文庫でも、日本SFの初期作品が一斉に刊行され始めたのです)、1975年の神戸での日本SF大会(ここで「浸透と拡散」がテーマになりました)までをひとくくりにしたほうがわかりやすいかなと。1974年「宇宙戦艦ヤマト」放映、1978年「スター・ウォーズ」日本公開、同年「月刊スターログ」創刊となります。

     ◆

 そして今日、チャンネルNECOでやってたのが、1981年に放映されたNHK特集「わが青春のトキワ荘 現代マンガ家立志伝」。トキワ荘がもうすぐ取り壊されるということになり、トキワ荘グループが集まって同窓会をする企画がメイン。

 わたし初放映のときに見てます。すでにビデオレコーダー持ってましたから録画したはずですが、当時のビデオテープはすべて捨てちゃってましてずいぶんひさしぶりに見ました。

 今見ますとなんとも物故者が多くて、手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子F、石森章太郎、森安なおや。昔を懐古する番組なのに、それを見てすっかり放映当時を懐古してしまいました。当時のコミケの様子(すでにコスプレあり)と、手塚賞授賞式でデビュー前の荒木飛呂彦が映ってるのには驚きました。

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Comments

理解できるひとがいるんですね…… 数というものを、実数軸と虚数軸が交差する平面として考えるところまではなんとなくわかるんですがその先になると、もうあきませんです。

Posted by: 漫棚通信 | October 30, 2007 09:09 PM

フェルマー定理の問題の箇所、私にはだいたい理解できます。
これでも理系挫折組!

Posted by: あ~ | October 30, 2007 03:42 AM

ごめんなさい。修正しました。

Posted by: 漫棚通信 | October 29, 2007 09:00 AM

ヤマトに関しては実際にブームになるのは
劇場版公開(76年)ぐらいですね。

このあたりはしかし、SFブームというより、
ビジュアルSFブームと称した方が適切でしょう。
ちなみにwikipediaのSFの項目やSFブームに関する説明はあまりにいい加減で、
失笑ものですね。

Posted by: TOSHI | October 29, 2007 12:56 AM

すみません、リンクがうまくいきませんでした。ウィキペディアの「スターウォーズ」「宇宙戦艦ヤマト」で検索してください。
SWの米公開が77年で、ヤマトの読売テレビでの放映開始が74年です。

Posted by: N | October 29, 2007 12:25 AM

スターウォーズ公開時期とヤマト放映時期に誤解を招くような表記があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BA
ヤマトTV放映のほうが先ですから。

Posted by: N | October 29, 2007 12:19 AM

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