最終童貞降臨
いやー、笑った笑った。大和田秀樹『ドスペラード』(2007年秋田書店、552円+税、amazon、bk1)であります。
魔法が支配する世界。国境の街ブックロウでは、ふたつの魔法使いギルドが勢力争いをしていた。そのひとつ、聖竜会のボスが暗殺され、抗争の火の手があがる。そこに帰ってきた伝説の魔法使い、エイジ。彼の魔法にはある秘密が隠されていた! 『仁義なき戦い』のテーマ曲を思い浮かべながらお読みください。
表紙イラストの「萌えです」とか言ってるお兄ちゃんが着ているのは、メイド服です。その理由は、読んでからのお楽しみ。異世界魔法ファンタジー+任侠モノ。そこに萌えとメイド服と「童貞」をぶちこんで、このごった煮から発生するテンションの高さの持続はすごい。
その後、「最終童貞」(オビによると「=ファイナルファンタジー」)が降臨するに及んでは、読者の想像のはるか上。さらに萌えの神として登場するのは、なんと、あのお方であります。
このマンガにおける「萌え」は、「童貞男子の、人間以外のモノに対する性的関連づけ妄想」のようです。そして妄想力が高い方が勝ち、という考え方は、徳光康之『濃爆おたく先生』などのシリーズに通じます。
「萌え」も勝負の手段に。でもその後、主人公が解脱への道へ向かうかと思えば、ラストで男は再度、迷いの道に戻るのです。いやー、深い(かもしれない)。
惜しむらくは、連載打ち切りらしくて、この巻でお話が終了しちゃってるところ。連載時は第一部完の形だったそうです。単行本が売れたら第二部開始だそうですから、ここは大プッシュ。
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