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July 27, 2007

これは盗作とちゃうんかいっ・決裂篇

この文章は以下の記事の続きです。
これは盗作とちゃうんかいっ
続・これは盗作とちゃうんかいっ
新・これは盗作とちゃうんかいっ
これは盗作とちゃうんかいっ・途中経過
これは盗作とちゃうんかいっ・途中経過2
これは盗作とちゃうんかいっ・だらだら篇
これは盗作とちゃうんかいっ・無断引用篇
これは盗作とちゃうんかいっ・これは困った篇


 お騒がせしております。

 『新・UFO入門』ブログ記事盗用事件に関する、わたしと唐沢俊一氏および幻冬舎との交渉は、決裂いたしました。

 もう少しで合意できそうな気もしていたのですが、甘かった。最後の最後になって、唐沢俊一氏と幻冬舎は、これまで互いに同意できていた重要項目をチャラにする要求をしてきました。

     ◆

 わたしの最初の意図とは違いましたが、二か月にわたる交渉の結果、ほぼ同意できていた主要な部分は以下のとおりです。

(1)『新・UFO入門』の幻冬舎社内在庫分の断裁。

(2)問題部分を書き直した版を至急作成し、刊行する。差し替え部分については漫棚通信の確認、了解を取る。

(3)書き直された『新・UFO入門』にその理由文を付記する。

 (1)(2)はわたしからの要求というより、唐沢俊一氏からの提案でした。いわゆる「絶版・回収」については話に出たこともありません。ま、断裁とか言われてもホントになされたかどうか、わたしに確認できることでもありませんが。この部分的書き直しというのはあまり聞かない方法ですが、田口ランディ事件のときもそうでしたし、盗用事件が起きたときの幻冬舎お得意のパターンみたいですね。

 ただしこの部分の交渉中も、突然、書き直した版を刊行するかどうかは最終解決がなされたあとで検討する、とか言いだされちゃって、これには驚いた。そうなると、書籍そのものには何のアクションをおこさないかもねー、と言ってるのと同じでしょう。

 さらに最初のうち唐沢俊一氏と幻冬舎は、書籍には謝罪や理由を書いた文章を付記しない、という主張をされてました。おーい、それでは唐沢氏が6月5日にネットに掲載した

当該の記述部分に関しては増刷以降削除または上記の内容を付記させていただき

という文章と一致しないじゃないですか。

 その後、ごちゃごちゃあって、最終的には(1)(2)(3)についてはほぼ同意でき、書籍へ付記する文章の文案もできあがっていました。

     ◆

(4)ネット上に謝罪文を掲載する。期間は六か月。

 わたしは、現在唐沢氏のサイトにある「※ご報告(6/5)」は、謝罪文ではなく読者へのお知らせと考えています。しかも、消そうと思えばいつでも削除できる文章。

 実は最初に「これは盗作とちゃうんかいっ」という記事を書いたとき、まだまだ先がどうなるか、自分でもよくわかってませんでした。イキオイだけで突っ走った文章です。

 わたしが腹をくくってきっちり交渉しようと決心したのは、6月5日に、(1)唐沢俊一氏からの最初のメール、(2)唐沢氏のサイトに書かれた「※ご報告(6/5)」、そして(3)裏モノ日記2007年6月4日の記述(これは早くも6月5日のうちにアップされました)を読んでからです。

 わたしあてへのメールには、「大いに参考にして」「大変似通った文章で表現」と書かれ、「※ご報告(6/5)」にも「大いに参考」「非常な類似」という表現が見られました。さらに裏モノ日記には「確かにあのサイトは参考にしている」「つい文章に、コピーと取られる類似性を持っていた」という記述が。

 ふーんそうか、コピペすなわち参考と類似か。ここがどうしても納得できなくて。裏モノ日記にあるとおり「原稿チェックを怠っていたのが原因」というからには、あくまで不注意によるミスであったということですね。謝ってんだか言い訳なんだか。

 そこで、今回の交渉でわたしの最大の目標がこの部分になりました。「参考」や「類似」という言葉ではない、きちんとした謝罪文の公表。

 ところがこの項目についても、途中で、謝罪文は非公開を条件に誠意を持って対応する、とか言われちゃって、このときはよっぽどちゃぶ台ひっくり返してやろうかと思いました。

 隣の家のおばちゃんと、ゴミ出しのやり方でもめてんじゃないぞっ。ネット上に公開された文章が、一般に販売されている書物に盗用された問題についての話し合いであります。非公開の謝罪文になんの意味があるのか。こんなものに「誠意」の言葉を使うとは。

 だいたい謝罪文を非公開にするなんてのも、唐沢俊一氏が最初に提案したこととまったく異なる主張であります。ほんとにもう。

 その後、唐沢俊一氏と幻冬舎は非公開の主張を引っ込めましたけどね。どうしてこういう発言が途中で出てくるのかしら。

 掲載期間については、唐沢氏および幻冬舎側が「弁護士と相談して」一か月を主張。わたしは一年を希望して、その次にアチラが三か月、ときて結局六か月に落ち着きました。何か、屋台で買い物してるようなやりとりですが。

 この謝罪文の文面も、できあがってたんですけどねえ。

     ◆

(5)漫棚通信に対する文書による謝罪文の提出。

 ま、これはふつうだと思います。

(6)漫棚通信は慰謝料の請求をおこなわない。

 唐沢俊一氏と幻冬舎が最初に提示した慰謝料の金額は、20万円でした。

 金額が妥当なものなのかどうか、わたしには知識がなくてよくわかりません。でも、なーんかしょぼいような気がしたのと、金額の交渉なんかしてたらいつ終わるかわかんないと思って、いらへんわいっとやせがまんしてみました。ちょっと惜しかったかな。

     ◆

 いちばんもめたのが、この項目。

(7)漫棚通信は、交渉の経過と内容を公開しない。

 つまりは、わたしが今ここに書いてるような文章を書くな、ということですね。

 交渉を開始したときから、交渉経過と内容の非公開なんて条件は聞いてません。ところが、最終段階になってアチラから、非公開に同意する合意書に署名しろとせまってきました。きっと、盗用事件の交渉はいつも非公開、なんて慣習が、唐沢氏と幻冬舎にはあるのでしょう。

 でもねー、最初にまずネット上で盗作の指摘をしたわたしが、そのオチを公表しないはずがありましょうか。わたしは、交渉が合意で終わろうが決裂しようが、どっちにしても交渉経過はネット上に書くかんね、交渉は合意できた方がお互いにいいんじゃないすか、と主張を続けました。

 途中で唐沢俊一氏と幻冬舎の主張は、交渉経過を公表するつもりなら、「固有名詞」と「交渉の具体的な諸条件のやりとり」を出さないように、と変化したこともありました。

 しかしそれもやっと、唐沢俊一氏と幻冬舎も「本件交渉経緯の非公開を含めた合意書の作成」の提案を取り下げ、交渉経過と内容の公開に同意してくれました(というより、漫棚通信に対して非公開を求めない、という表現のほうが正しいのかな)。

     ◆

 と思っていたのが、7月13日ごろのこと。

 ところが、その後ずっと連絡がなく、7月24日になって送られてきた幻冬舎担当者Y氏からのメールに腰が抜けました。

(1)やっぱ交渉経過は非公開にするように。
(2)それに同意できなければ、交渉は打ち切って、「当初弊社がご提案させていただいた」解決案だけを勝手に実行しちゃうからね。
(3)慰謝料は払ってもいいよ。
(4)ネット上の謝罪文の掲載期間は、こっちで決めさせてもらうからね。

 六か月という合意はどうしたっ。なぜ慰謝料の話なんか蒸し返す。交渉で同意できたもろもろをひっくり返しちゃって、これまでの時間と労力はいったい何だったんだよ。

 唐沢俊一氏と幻冬舎の意図は、

これまで合意できていた部分をひっくり返す。
→わたしが同意できないことを再度提案。
→交渉打ち切り。
→自分たちに有利な部分だけを履行。

というものであることはわかってるのですが、それに加えてわたしがキレたのが、このあとに書かれた部分でした。以下、わたしが幻冬舎Y氏に送った最後のメールの一部です。

「なお、漫棚通信様において非公開に同意頂けず、本件にかかる交渉経緯等を公表された場合、公表された内容につき、事実又は弊社側の認識と相違している内容等があった場合、若しくは漫棚通信様において、弊社側より送信した通知内容をそのまま若しくは翻案してご使用した場合、弊社側としましては、これに対して反論し、又は法的措置をとることもありますので、ご了承下さい」

Y○様は上記のように書かれ、再度わたしに交渉経過の非公開を求めておられますが、Y○様の7/12のメールで、「本件交渉経緯の非公開を含めた合意書の作成」の提案については取り下げていただいたはずです。それはすなわち、交渉経緯の非公開をわたしに求めないことについて、同意いただいたという理解をしておりました。そこに突然の「法的措置」の文言には驚きました。

 盗用事件の加害者が、被害者に対して「法的措置」をちらつかせるとは。

 現在、わたしがここに書いているこの文章そのものが、唐沢俊一氏および幻冬舎の「法的措置」の対象になっているということです。これはもう円満解決をめざしている文章とは考えられません。

 唐沢俊一氏および幻冬舎は、合意できていたことを簡単にひるがえして同じところをどうどうめぐりするばかり。さらには自分たちの意に染まない発言は、「法的措置」で押さえ込もうとする。これでは、これ以上メールで交渉を続けても得るものはないと判断しました。

 わたしは、メールでの交渉継続断念を伝え、これまでの交渉でのわたしの同意をすべて撤回しました。今後、唐沢俊一氏および幻冬舎のおこすアクションはすべて、わたしの意思に反しておこなわれることであります。

 おそらく、唐沢俊一氏と幻冬舎はテキトーな謝罪文をちょっとの間だけアップして、あとは知らんぷりするつもりなのでしょうが、もしそれがなされたとしても、わたしの同意を得たものではありません。

 現在もなお、唐沢俊一氏と幻冬舎はわたしの権利を侵害し続けています。二か月かかってこれか。すべては徒労でした。はー。


※次回に続きます。

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