あー胃が痛い。
昨夕、ソファに寝っ転がって、唐沢俊一『新・UFO入門 日本人は、なぜUFOを見なくなったのか』(2007年幻冬舎新書)を、へらへらと楽しく読んでおりましたところ。
自分がかつてブログに書いた記事と、ネタがかぶってるところもあるなあ。ふーん。
アレ?
……
アレレレレ?
こ、これは、オレが書いた文章と、まるっきりおんなじやんけっっっ!!!
はぁはぁ。待て待て。落ち着け。というわけで風呂に入ってからもう一度、過去の自分の記事と見比べながら読み直し。
これは似てるというレベルじゃねえぞっっっ!!!
棒を飲んだよう、というのはこのことかしら。胃のあたりがどーんとしてきて、結局昨夜はもんもんとして眠れませんでした。
『新・UFO入門』のどの部分かといいますと、山川惣治とUFOのかかわりを書いた「第6章 影響を受けた者たち-三島由紀夫と山川惣治」の、「『少年ケニヤ』の原作者もUFOを目撃した」「UFOから生まれた漫画『太陽の子サンナイン』」の項。133ページから140ページにかけてになります。
ここは、『少年王者』『少年ケニヤ』で有名な絵物語作家、山川惣治が、空飛ぶ円盤を呼ぼうという団体、CBA(宇宙友好協会)にいれあげてたことを書いた部分。
これに対して、わたしがブログに書いた記事がこれ。
山川惣治と空飛ぶ円盤(その1)
山川惣治と空飛ぶ円盤(その2)
山川惣治と空飛ぶ円盤(その3)
2005年11月11日より三回に分けて書いてます。
問題部分のひとつは、平野威馬雄『空飛ぶ円盤のすべて』からの要約と引用。もひとつは山川惣治『太陽の子サンナイン』からの要約と引用部分。
◆『空飛ぶ円盤のすべて』
以下、『新・UFO入門』134-135ページから↓。
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平野威馬雄『空飛ぶ円盤のすべて』(高文社)によれば、山川氏はあのハヨピラのUFOピラミッド建設にまで関わっていたというのである。平野氏の本には、
「わたしが始めて(ママ)空飛ぶ円盤と呼ばれている宇宙船を見たのは、昭和三六年の六月である」
という、山川氏のUFO体験談が雑誌『たま』2号からの転載という形で紹介されている。山川はもともと円盤に興味があり、実在を確信して『少年エース』という作品内に円盤を登場させたところ、CBAから接触があり、彼らから宇宙人とのテレコン(テレパシー・コンタクトの意)を勧められたという。まず山川夫人が風呂上りに自宅屋上でテレコンをしてみると、果たして円盤がやって来た。だが、家族みんなで屋上へ駆け上ってみると、もう消えている。山川だけ仕事に戻るが、今度は屋上に残っていた夫人・長男・長女・次男・次女の5人が円盤を目撃。だが、呼ばれて山川が上ってみるともう消えている。
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(ネット上で読みやすくするため段落で一行空けています)
対してわたしのブログはこんな感じ↓。
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この本に、雑誌「たま」2号から転載される形で、山川惣治の手記が掲載されています。
わたしが始めて(ママ)空飛ぶ円盤と呼ばれている宇宙船を見たのは、昭和三六年の六月である。
山川惣治はもともと円盤に興味があり、実在を確信して「少年エース」という作品内に円盤を登場させたところ、CBA(宇宙友好協会 Cosmic Brotherhood Association)から接触があり、彼らからテレパシー・コンタクト、略してテレコンをすすめられたという経緯。テレコンとは、頭の中で円盤を呼んでいると、それに答えて空飛ぶ円盤が飛来するというものだそうです。
まず山川夫人が風呂上りに自宅屋上でテレコンをしてみると、円盤がやって来ます。家族みんなが屋上へ駆け上ってみると、もういない。山川惣治だけ仕事に戻りますが、今度は屋上に残っていた夫人・長男・長女・次男・次女の5人が円盤を目撃。山川が上ってみるともういない。
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引用部分が同じなのはしょうがないとしても、要約の部分は、似てる似てないというより、わたしの記事を修正して使ってるだけじゃんかよっ。
その後『新・UFO入門』ではこう続きます↓。
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これが繰り返されて、その夜は円盤が7回飛来したが、結局彼だけは円盤を見ることはできなかった。しかし、その2日後、彼もやっと、円盤の目撃を実現させる。
乳白色の洗面器ほどの大きさの円盤が幻のように目の前の空をかなりゆっくりと飛んでゆくのを目撃(その夜、円盤は12回も飛来したという)して以来、山川は円盤を何度も目撃するようになる。あるときはダイダイ色に輝き、青白く輝き、乳白色に見えるときもあった。その速度は音速の10倍以上であろう。空を見上げる視界のはじからはじまで、ひゅーっとまっすぐに横切る。または中天から垂直に降下したり、空中で円を描いて飛び去ることもあったという。
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わたしのブログではこれ↓。
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これが繰り返されて、その夜は円盤が7回飛来しましたが、結局山川は円盤を見ることはできませんでした。彼が初めて円盤を目撃したのはその2日後のことです。
ほどなく、乳白色の洗面器ほどの大きさの円盤が幻のように目の前の空をかなりゆっくりと飛んでゆくのを初めて目撃した。
その夜、円盤は12回飛来したそうです。その後も山川惣治は円盤を何度も目撃します。
あるときはダイダイ色に輝き、青白く輝き、乳白色に見えるときもある。その速度は音速の10倍以上であろう。空を見上げる視界のはじからはじまで、ひゅーっとまっすぐに横切る。または中天から垂直に降下したり、空中で円を描いて飛び去る。
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わたしが引用としたところを、『新・UFO入門』では地の文の中に取り入れてますが、内容はまったく同じ。
以下、『新・UFO入門』135-136ページ↓。
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山川自身はCBAの説に沿って、空飛ぶ円盤を以下のように考えていたらしい。
「円盤に乗って飛来する宇宙人は非常に美しい人間」
「発達した遊星の人々は、宇宙連合をつくり、大宇宙船を建造し、それに各遊星の人々がのりこみ、格納庫に円盤をつみこみ、地球の近くの大気圏の宇宙に停滞して地球を観測している」
「すでに戦争という野蛮な時代を終わり、病気もなく、皆長生きで若々しいといわれる宇宙人たちは、宇宙時代にとりのこされた野蛮な星地球を心配して観測している」
「宇宙人たちは地球に愛の手をさしのべ、戦争をやめ、核爆発をやめるよう、地球人と接触しようとつとめている」
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わたしのブログでは↓。
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山川惣治はCBAの説に沿って、空飛ぶ円盤を以下のように考えていました。
「円盤に乗って飛来する宇宙人は非常に美しい人間」
「発達した遊星の人々は、宇宙連合をつくり、大宇宙船を建造し、それに各遊星の人々がのりこみ、格納庫に円盤をつみこみ、地球の近くの大気圏の宇宙に停滞して地球を観測している」
「すでに戦争という野蛮な時代を終わり、病気もなく、皆長生きで若々しいといわれる宇宙人たちは、宇宙時代にとりのこされた野蛮な星地球を心配して観測している」
「宇宙人たちは地球に愛の手をさしのべ、戦争をやめ、核爆発をやめるよう、地球人と接触しようとつとめている」
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おんなじやないかいっ。この引用も、わたしが考えて選んだものなんだよ。だれがやってもこういう引用になると言うのかっ。
◆『太陽の子サンナイン』
続いて、『サンナイン』のストーリー要約。以下、『新・UFO入門』の136-137ページ↓。
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『太陽の子サンナイン』は、1967年に、集英社コンパクト・コミックスの一環として、全3巻で発行された作品である。舞台は、南米・ペゼラ国という架空の国。モデルはベネズエラであろう。実際、作中で主人公たちは国境を越えてブラジルに行ったり、コロンビアに行ったりしている。
主人公は10歳の少年、陽一。 陽一は普通の少年だったが、12歳の誕生日が近づくにつれ、超人的な力を発揮し始める。実は彼の死んだ母は日本人、そして父親は宇宙人だったのである。
12年前の干魃の年、村に空飛ぶ円盤が降りてきて、ミリオンと名乗る宇宙人が現れた。彼は不思議な力で雨を降らし、地球の科学では作れない機械を使って農園を作り、人々を助ける。ミリオンは日本人移民の娘と結婚し、生まれたのが陽一だった。陽一が誕生したとき、天空に9つの太陽(空飛ぶ円盤)が現れた。これがタイトルの“サンナイン”である。
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そして、以下がわたしのブログ↓。
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「太陽の子 サンナイン」の舞台は、南米、ペゼラ国という架空の国です。国境を越えてブラジルに行ったり、コロンビアに行ったりしてますから、地理的にはベネズエラあたりをモデルにしてるらしい。
主人公は10歳の美少年、陽一です。 陽一は12歳が近づくにつれ、超人的な力を発揮し始めます。彼の亡くなった母は日本人、そして父親は宇宙人でした(!)。
ある飢饉の年、空飛ぶ円盤が降りてきて、ヒト型宇宙人であるミリオンが現れました。彼は不思議な力で雨を降らし、先進的な機械を使って農園を作り、人々を助けます。
ミリオンは日本人移民の娘と結婚し、生まれたのが陽一。陽一が誕生したとき、天空に9つの光(=空飛ぶ円盤)があらわれ、これが「サン・ナイン」であります。
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絵物語のストーリー要約ですから、十人いれば十とおりのものができるはず。それがこの類似です。ほとんどそっくり。
さらに続いて『新・UFO入門』137-138ページ↓。
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ミリオンは、インカ帝国の末裔たちの生活のため、インカの宝物を売って資金を得る(いいのか?)。しかし、そのころクーデターでペゼラ国の政権を奪取したゴステロ大統領がこの宝に注目し、ミリオンと陽一の母を殺害してしまう。
サンナイン・陽一は、父譲りの超能力と科学力で、ゴステロ政権に対抗する地下組織や先住民たちと協力して、革命を起こし、ゴステロを倒す、というストーリーである。
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以下、わたしのブログから↓。
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ミリオンは、インカ帝国の末裔たちの生活のため、インカの宝物を売って資金を得ます(←ちょっとどうか)が、そのころクーデターでペゼラ国の政権を奪取したゴステロ大統領がこの宝に注目し、ミリオンと陽一の母を殺害してしまいます。
サンナイン・陽一が、ゴステロ政権に対抗する地下組織や先住民たちと協力して、革命に成功するまでが全体のストーリー。
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つっこみどころまで同じかよー。
『新・UFO入門』138ページ↓。
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ストーリーは絵物語らしく波瀾万丈、と言えば聞こえはいいが行き当たりばったりで、アマゾン奥地に忍者の一族がいたり、UFOならぬUMA(未確認生物)で有名なジャイアント・ギボンが登場したり、少年活劇ものの王道として話が進むかと思うと、突如陽一が円盤に乗って宇宙母船団を訪れ、宇宙連合の惑星首脳者、グレート・マスターに面会するなどという、コンタクト・ストーリィになったりして、話がかなり迷走する。さらに、地球人と宇宙人の提携を邪魔しようとする陰謀団、ブラック・シンジケート(しかしダイレクトな団名である)が登場してくるのである。
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忍者、ジャイアント・ギボン、グレート・マスター、ブラック・シンジケートが登場しますが、すべてわたしがブログで触れたエピソード。逆に言えば、ブログで触れられていないものは『新・UFO入門』にも登場しません。
そして『サンナイン』のラスト。『新・UFO入門』138-139ページ↓。
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宇宙人の文化が地球にもたらされると、戦争はなくなり、病気もなくなり、人間は神のような存在になる(これを大宇宙主義と言うらしい)。これでは戦争で儲けるブラック・シンジケートは商売あがったりなので、ゴステロ大統領に資金を提供し、水爆ロケットを建造させ、当時戦争中のベトナムに撃ちこんで第三次世界大戦を起こそうという計画を立てる。陽一はグレート・マスターから、ブラック・シンジケートの野望を砕くようにとの指令を受けて、水爆の破壊に見事成功。ペゼラ国の民衆革命も成功するが、ブラック・シンジケートはまだ残っている。最後は円盤からのメッセージで、
「地球はブラックにねらわれている。第三次大戦がおこれば地球はほろびるのだ。おまえの母の国、日本へかえれ! 日本は神にえらばれた国だ、宇宙船の地球への友情をただしく日本の人々にしらせるのだ」
という言葉が伝えられ、その命に従い、ジェット機で日本に向かう陽一を、富士山上空で、宇宙母船群が見守っているというシーンで終わる。
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わたしのブログではこういう終わりかた↓。
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宇宙人の文化が地球にもたらされると、戦争はなくなり、病気はなくなり、人間は神のように気高い人格になる。これを大宇宙主義と言うらしい。これでは戦争で儲けるブラック・シンジケートとしては困ります。そこで、ペゼラ国のゴステロ大統領に資金を提供し、水爆ロケットを建造させ、当時戦争中のベトナムに撃ちこんで第三次世界大戦を起こそうという計画。このあたり007的。
陽一はグレート・マスターから、ブラック・シンジケートの野望を砕くようにとの指令を受けて、水爆の破壊を見事に成し遂げます。ペゼラ国の革命も成功して大団円。ただしブラック・シンジケートはまだ残っています。円盤から声が聞こえます。
「地球はブラックにねらわれている。第三次大戦がおこれば地球はほろびるのだ。おまえの母の国、日本へかえれ! 日本は神にえらばれた国だ、宇宙船の地球への友情をただしく日本の人々にしらせるのだ」
富士山上空で、ジェット機に乗った陽一を宇宙母船群が迎えるシーンでオシマイ。
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さあどんなもんでございましょう。まだ言いたいところもあるけど、このあたりにしておきます。
『新・UFO入門』のこの部分には、わたしが書いた文章以上の情報が何もありません。わたしのブログを読んだだけで書ける文章です。ホントに原著にあたってるのかどうか、疑わしいったらない。
確かにわたしの記事も、本の要約と引用をしてるだけではあります。要約するなら誰がやっても同じと思われるかもしれませんが、その要約と引用に芸があるよう、おもしろく読めるように努力してるつもりです。
本の要約と引用に著作権があるか、創作物か、それともこれはたんなるアイデアにすぎないのか。法律的なことはよくわかりません。しかし少なくともわたしの気持ちの中では、これは盗作、盗用だと思ってます。ほんとにもう。唐沢氏は好きな作家だっただけに、どうにもやりきれませんねえ。
アッチは売れっ子作家にして朝日新聞書評委員。と、飛ぶ鳥を落とす勢いの出版社。対するコッチは零細ブロガー。勝負にはならないかもしれませんが、一応、この記事のアップと同時に抗議メールを送っておきました。どんな反応があるかしら。
あー胃が痛い。
※次回に続きます。
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