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April 09, 2007

マンガ雑誌の将来

 今ごろでもうしわけないのですが、NHKで今年の1月18日に放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」の浦沢直樹の回を、やっとこ見ました。録画してあったビデオをようやく発掘したのですね。

 『20世紀少年』の中途半端な中断に対する読者の不満に対してあれほど作者サイドが敏感になってるとは、ちょっと驚きました。読者の声はネット時代になって届きやすくなったのかしら。さらに『20世紀少年』が犯人当ての推理ものとして読まれることに、作者が不本意であることも意外。あの作品は謎で読者の興味をひっぱる展開をしてるとしか思えないんですが。

 それにしても、作者が毎回毎回の雑誌連載に全力投球する姿は感動的でありました。で、気になったのが雑誌連載というマンガのシステム。

 日本マンガの代表作品は雑誌連載の形で描かれてきました。マンガ雑誌あっての日本マンガ文化です。しかし現在、マンガ雑誌は売れなくなってきているそうです。マンガ家および出版社の双方で、雑誌連載では採算がとれなくなっている。

 マンガ家も出版社も、雑誌だけの収支ではとんとん、あるいは赤字。単行本でやっと黒字になるそうです。雑誌は安価で提供されており、マンガ原稿料もけっして高いものではない。これはすでにマンガ出版の構造的な問題となっており、各現場での努力でどうなるものでもないらしい。

 この状況に対して、中野晴行『マンガ産業論』では、「雑誌が元気にならなくてはいけない」と雑誌再生に期待し、竹熊健太郎『マンガ原稿料はなぜ安いのか?』では、描き下ろしマンガ出版の可能性を提言しています。

 わたし自身は、実はマンガ週刊誌の将来には悲観的であります。少女マンガ誌が週刊から月二回刊になってきた経緯を見ると、少年マンガや青年マンガもどうなるか。そもそもが週刊少年マガジンや週刊少年サンデーの創刊自体が週刊マンガが求められたものではなく、単に週刊誌創刊ブームにのったものでした。

 牧歌的な月刊マンガ時代を知ってる者として、そして現在の月刊マンガ誌のおもしろさを認めている者として、マンガは月刊でもええやん、とも考えてしまいます。

 しかし、作者そして読者の熱気に浮かされたような作品は週刊誌だからこそ描かれたもの。そうなるともう、『巨人の星』、『あしたのジョー』、『ドラゴンボール』、『20世紀少年』のような作品は存在しなくなるかもしれません。でも違った何かが描かれることに期待しましょう。かつての関谷ひさし『ストップ!にいちゃん』のような傑作は、月刊誌だからこそ生まれた作品なのですから。そして描き下ろしでも何か新しいものが生み出されることになるといいなあ。

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Comments

私、何故かマンガ雑誌は隔週誌を購入してしまうのです。
かつては、ビジネス・ジャンプ、いまはイブニング。

月刊誌は二十数年前の「マンガ少年」が懐かしい。
火の鳥再連載のための復刊だったようですが、
内容が十~二十代のアレのように濃くて濃くって(下ネタ御免)。

今の週刊誌はコマが大きくて誌面がうるさくて読めないのです。
それから、何故か隔月誌のネムキとか歴史群像なんかも好きでして。
飛び飛びが良いのかしらん。

撮りとめの無い感想文で申し訳ありません。

Posted by: トロ~ロ | April 10, 2007 at 03:45 AM

週刊誌の売り上げが下がる一方、単行本は健闘している。
つまるところ、手元に残す価値が無いモノに手を出されなくなってるんでしょう。
自分が購入する漫画誌はアフタヌーンですが、この本には
しばしば単行本化されない短編が載っていたので購入してました。

週刊誌も、手元に残したいと思わせる価値を付加できるなら
生き残る道があるかも知れないですね。でも週刊誌を溜め込むと
かさばるから、残すにせよ一部分だけでないと逆に困るか。

Posted by: any | April 10, 2007 at 06:11 AM

かさばる、という問題をどうにかしなくてはいけないでしょう。
実際なんで出版業界が資源ゴミ問題にコミットしないのか不思議でなりません。
漫画を読むのを嫌になる最大の要因って置く場所がなくて漫画に限らず雑誌自体がうざくなるところにあるのに、その問題に言及した人はいまだに聞きません。
日本の住宅環境が非常に手狭なことを知っている人はそんなにいないんでしょうか。
単行本だって千冊もあれば大抵スペースもなくて嫌になってくるのに

Posted by: 一つの例 | April 10, 2007 at 12:16 PM

雑誌のマンガは一誌しか買いません、死んだ親父の読んでいた連載が終わればそれもやめるでしょう
今は雑誌でマンガを読んでも楽しくはないです
ネット情報を集めて単行本を購入する方が面白いものに出会う率は高い、こちらのブログもその参考とさせていただいております・感謝

週刊誌は読み易さを一義に追求したあまりにジャンル自体が平坦になってしまった気がします
そして平易なマンガに慣れた読者は結局のところ楽な読み方しかできなくなるようにも思います
もしも現況がその結果なら、個人的には週刊の雑誌メディアが浮上することはもうないと思いますよ

Posted by: ちんぽぽ | April 10, 2007 at 02:53 PM

雑誌は作品の器というだけじゃなくて時代の記録ですし、コレクションの対象になるのですが、なんつってもスペースをとりすぎるのが難点ですねえ。なんべんも書いてますが、わたし朝日ソノラマ「マンガ少年」全冊そろいと、サンリオ「リリカ」全冊そろいを親に捨てられております。まともな社会生活を送ろうとするなら、まして週刊誌を保存するなどとんでもない話で、ならばやっぱりマンガ週刊誌は読み捨てにならざるをえません。週刊誌時代の日本マンガ文化は雑誌読み捨て文化だったわけですが、いずれは変わることになるのでしょうか。

Posted by: 漫棚通信 | April 10, 2007 at 08:59 PM

こんなのがあったのでのせてみます。
あくまでも一つの例と思いますが【2ch】ニュー速クオリティ:マガジンの発行部数、ついに200万部を切る ジャンプは微増
http://news4vip.livedoor.biz/archives/50958588.html


212 :外資系会社勤務(岡山県) :2007/04/11(水) 19:02:09 ID:itl3oanq0

雑誌が売れない問題は環境問題とリンクしてるよな
前は週一で雑誌捨てれたのに
今は月一でしか捨てれない地域が多い
面倒くさいからむやみに買わなくなってる人多いと思う

Posted by: 一つの例 | April 13, 2007 at 12:22 AM

リンク先を拝見しました

編集氏の「理由は先生のがんばりによって作品がおもしろくなったから」
当然、立場的な回答でしょうが‥マンガ編集者ってこれで良いんですね
『働きマン』とかは真面目に読めなくなりますよ、これじゃ(苦笑)

Posted by: ちんぽぽ | April 13, 2007 at 08:28 PM

今発売中の「創」2007年5月号に掲載されてるマンガ雑誌の発行部数減少のグラフを見ると将来どうなるやら。「月刊少年ジャンプ」は37万部でも赤字だったという話がすごいです。

Posted by: 漫棚通信 | April 13, 2007 at 09:17 PM

 無料のマンガサイトがふえていますが、http://www.enchanting.cside.com/service/freecomic.html

これだけそろうと、未来のマンガ雑誌はこうなるかも、という気がして
来ます。

Posted by: しんご | April 20, 2007 at 06:45 PM

現在のところ、安価な雑誌→単行本で回収。ネットは無料→単行本で回収。過去の作品→コンビニ本で再発売。過去の作品→ケータイマンガを安価で提供。などのビジネスモデルみたいですね。いずれにしても中心となるのは単行本のようですが、これも将来はどうなるんでしょう。

Posted by: 漫棚通信 | April 20, 2007 at 07:56 PM

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