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January 24, 2007

近過去イッキ読み

 今年の第52回小学館漫画賞が発表されておりますが、審査委員特別賞として、ホイチョイ・プロダクションズ(以前は“ズ”なしの表記だったのにいつのまにか変わってる)「気まぐれコンセプト」が選ばれております。

 思えばバブル期のホイチョイには、「見栄講座」とか「極楽スキー」(←ビデオがおまけについてる本もありました)とか映画とか、いろいろ楽しませてもらいました。でも、なんでまた今ごろ漫画賞? と思っておりますと、書店には「気まぐれコンセプトクロニクル」というぶ厚い本がどーんと積んであって、そのオビには「バブルへGO!!」の文字が。なーるほど、ホイチョイ/馬場康夫監督の新作映画に合わせたプロモーションというか、タイアップというか、オトナの事情による漫画賞受賞のようですね。

 で、この「気まぐれコンセプトクロニクル」ですが、広告業界を舞台にしたおちゃらけ四コマ「気まぐれコンセプト」がビッグコミックスピリッツに連載開始されたのが1981年。以後、連載は現在まで続いていますが、単行本になったのが1984年の一回きり。今回の「クロニクル」では、1984年以来23年間の連載分の抄録です。

 抄録とはいえ、1000ページ弱の大著であります。1ページに2本の四コマ漫画が載ってますが、文字が多いマンガなので1ページ読むのに30秒かかるとしても、読破するのに500分=8時間。これをイッキ読みするヤツ(←わたしのことです)は、バカです。読んでも読んでも終わりません。

 で、その感想。バブル期→不況という近過去を、流行したものを中心にだだーっとふり返る読書体験は、なかなかけっこうなものでした。

 将来作品が古びるからハヤリモノを題材にしないというのは、たしか星新一の方針だったと思います。最近なら、いしいひさいち「ののちゃん」も、あえてハヤリモノを廃しているような印象があります。ところがこの作品、流行だけを追いかけるという、真逆の方針で描かれておりまして、これはこれでいさぎよい。

 テレビドラマや流行りの飲食店など、ほんっとに上滑りの流行のこと“だけ”しか描かれていませんが、ま、この手のものがいちばん歴史から消えてしまいそうな気がしますから、それなりに貴重な記録になるかもしれません。ケータイが出まわり始めたたころ、とか、嫌煙がしきりに言われ出したころ、とか、こうした形でまとめられることで、そうそう、そんなのあったあったという気分にさせられる年寄り向けマンガでもあります。

 マンガとしましては、とくに前半、なぜかダジャレネタがやたらに多くてデキが悪いのですが、後半、ハヤリモノ紹介と業界の裏話に徹しているほうがよろしいようです。いやー、それにしてもわたしのようなイナカのおっちゃんにとっては、トーキョーは別世界ですなあ。

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Comments

そういえば「新・BJによろしく」は小学館漫画賞を貰うでしょうか?
なんと講談社漫画賞は貰っていないんですよね(手塚治虫文化賞と等しく辞退したのかなぁ?)。
ところが手塚治虫の「ブラック・ジャック」は1977年に取ってるんですよー、秋田書店なのに。

「もやしもん」にもやってほしいッス(微笑)

Posted by: トロ~ロ | January 25, 2007 10:33 AM

そういえば手塚の講談社漫画賞受賞も、講談社版全集刊行開始とほぼ同時。これも当時、オトナの事情と感じてました。

Posted by: 漫棚通信 | January 25, 2007 11:01 PM

ホイチョイ・マンガは、ある意味、風俗史の一面をカバーして
いますよね。
今回、まとまったかたちで読む~大変そうですが…、
個々に読んできたのとはまた別の「読み」が出来る
かも知れません。
「時代」を概観するためにも、必要になる可能性大
ですね。

ぼくも、すぐアマゾンで買っておこうっと(笑)

Posted by: 長谷邦夫 | January 26, 2007 04:53 PM

もしかしたら将来、アレがはやりだしたのは何年だっけ、という資料になるかもしれません。でもこの本、読み始めたら、ホントに読んでも読んでも終わりませんので、その覚悟で。

Posted by: 漫棚通信 | January 26, 2007 10:22 PM

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