どろろ対鬼太郎
世間では今、スピリチュアルブームで、妖怪ブームなんだそうです。
と言っても、霊能者たちは過去に誰かが言ったようなことを繰り返ししゃべっているだけですし、フィクションでも過去の遺産の再利用ばかり。今ひとつ新しくないなあ。
かつて、1968年をピークとして妖怪ブームというのがありました。やっぱいつの時代も、日常の影に潜む超常なるものは怖いけどおもしろいのですね。
妖怪マンガの代表作はこんなところ。
■藤子不二雄:怪物くん
1965年から「少年画報」に連載開始。のち「週刊少年キング」にも。
■水木しげる:墓場の鬼太郎
鬼太郎が「週刊少年マガジン」に登場したのが1965年。
■水木しげる:悪魔くん
マガジン登場は1966年。
■水木しげる:河童の三平
これももとは貸本版ですが、1966年から「ぼくら」、1968年から「週刊少年サンデー」に連載。
■ムロタニ・ツネ象:地獄くん
わたしがいちばん怖かったのがこれ。1967年から「週刊少年サンデー」。のち「少年」に連載。
■手塚治虫:バンパイヤ
狼男ネタですが、どちらかというとSF風味かなあ。1966年から「週刊少年サンデー」連載。のち第二部が「少年ブック」に連載。
■手塚治虫:どろろ
1967年から「週刊少年サンデー」。のちアニメ化のときに「冒険王」連載。
■楳図かずお:猫目小僧
1967年から「少年画報」連載。のちに「週刊少年キング」「週刊少年サンデー」にも連載。昨年、実写映画化されました。
この時期の妖怪モノは、正義の妖怪ヒーローが悪の妖怪をやっつける、という勧善懲悪パターンが主でした。貸本時代の水木しげる作品は、妖怪ヒーローの活躍、というのとはちょっと違いますので、このフォーマットの先駆は藤子不二雄『怪物くん』ということになるのでしょうか。
アニメ作品が以下。
■悟空の大冒険:1967年1月から
後半の敵は「妖怪連合」でした。
■ゲゲゲの鬼太郎:1968年1月から
■怪物くん:1968年4月から
■妖怪人間ベム:1968年10月から
昨年アニメがリメイクされました。
■どろろ:1969年4月から
妖怪ブームの最末期作品。ちょっとブームに乗り遅れてます。後半はタイトルが「どろろと百鬼丸」に変更されました。
実写がこちら。
■ウルトラQ:1966年1月から
ウルトラQが妖怪モノかと言われれば、ホントは違いますが、ま、その手の番組の先駆として。
■悪魔くん:1966年10月から
■怪奇大作戦:1968年9月から
これも、妖怪モノとはちょっと違いますが、一応「怪奇」ですし。
■河童の三平 妖怪大作戦:1968年10月から
■バンパイヤ:1968年10月から
1965年の「W3事件」で手塚治虫が少年マガジンから少年サンデーに移ったあと、マガジンで始まったのが水木しげるの「鬼太郎」。そして1967年、大人気の鬼太郎に対抗してサンデーで開始されたのが手塚治虫「どろろ」であると言われてます。で、その「どろろ」は1968年夏に未刊のまま終了。入れかわるようにサンデーで始まったのが水木しげる「河童の三平」、という因縁であります。
この「どろろ」と「鬼太郎」ですが、もうすぐ実写映画「どろろ」が公開ですね。予告編とか見ると、けっこうお金かかってそうで、ちょっと期待。
いっぽう実写映画「ゲゲゲの鬼太郎」のほうは今年のゴールデンウィークの公開ですが、予告編によるとかなり子ども向けみたいです。おいおい大丈夫かよー、という不安がいや増しますな。
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