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October 29, 2006

ビミョーな「チェーザレ」

 惣領冬美「チェーザレ 破壊の創造者」1・2巻が同時発売。モーニングでじっくりゆっくり連載してますし、オビのコピーに「大人には本物を。」とありますから、雑誌のほうもこのマンガをオトナ向けとしてかなり力いれてるのでしょう。単行本カバーもオビがなければ字だけで構成されてますし、オトナっぽい、かな?

 毒殺で有名なボルジア家のお話です。チェーザレ・ボルジアをヒーローとして描こうという試み。

 チェーザレでマンガといえば、川原泉「バビロンまで何マイル?」がありました。こっちは、意に反して時間旅行をしてしまう日本人高校生男女が主人公という、TVドラマ「タイムトンネル」型のお話でしたが(←例が古いねどうも)、行ったのは恐竜時代と15世紀のイタリアだけ。ほとんどがチェーザレ・ボルジアとその妹ルクレツィアのエピソードに終始しました。

 作品の構成としては破綻しているのですが、陰惨な物語をなんとか軽く語ろうとする川原泉調と、本来のボルジア家物語の力によって、なかなか魅力ある作品になってました。チェーザレ・ボルジアっていかにも少女マンガにぴったりという感じがするし、ほかにもマンガ化されてるのかしら。

 「チェーザレ」のほうは、文献いっぱい調べてますし、何と日本語に訳されてない本も参考にしてるというのが売り。絵のほうも気合いがはいっていて、「ミケランジェロの天井画が描かれる前のシスティーナ礼拝堂」などが登場します。意欲と熱意を持って時間をかけて描いてるんですが、この作品がおもしろいかというと、これがまあ、微妙。

 1・2巻かけて何が描かれたかというと、これがひたすら状況の説明。物語はほとんど進行しません。登場人物はみんな腹芸ばかりしてます。お話はチェーザレと同じ学校に通うアンジェロという少年をとおして語られるのですが、こいつがまた信じられないぐらい天然で、世知に暗いものですから、まわりのひとが親切にいろいろと教えてくれるという設定です。というわけで、ずーっと説明セリフが続くのでした。いやマジメにがんばってんのはわかるんですが、あまりに何にも起こらないのでドキドキ感には欠けます。

 まだ2巻と考えるか、もう2巻と考えるか。おそらく10巻以上は続く物語の2巻でどうこう言おうとするのがまちがいなのか、せっかち読者としてはこのあたりで結論出すべきか(→買い続けるかどうか)。でも先は長いよー。まだルクレツィアも登場してないしね。悩めるところであります。

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Comments

突然失礼します。楽しく拝見しております。
チェーザレ・ボルジアの登場する漫画といえば、私にとっては星野宣之さんの『妖女伝説』です。その印象が強いので、モーニング誌のチェーザレはアクとゆーか色気が足りなくて読めません。。。

Posted by: 三月子 | October 30, 2006 at 12:50 AM

漫画をたくさん読んでいる方のブログを拝見できて嬉しいです^^

ボルジア家といいますか、チェザーレが主人公の少女漫画としましては、プリンセスコミックの「カンタレラ」氷栗優が現在10巻まで発売されています。先が気になるテンポになってますので、いつになるか分かりませんが、完結してから読むことをヒトには勧めています。

Posted by: ペリカン | October 30, 2006 at 10:47 AM

コメントありがとうございます。
>三月子さま
おー、星野之宣。そうでした、毒=カンタレッラの謎解きでげろげろげーのオチがあったのを忘れてました。読んだときの女はコワイなあという感想を思い出しましたです。
>ペリカンさま
「カンタレラ」 この作品は不勉強で知りませんでした。聞くところによると悪魔登場してるみたいですねー。BL系?

Posted by: 漫棚通信 | October 30, 2006 at 09:21 PM

>BL系
昨今、少女漫画とBL系の境が難しい作品もできていますが、「カンタレラ」もその部類でしょうか。BL的要素はしっかり入ってます。チェザーレ(男)が悪=闇だとして、対する光側も男です。作者さんはBL系も描かれている方です。

Posted by: ペリカン | October 31, 2006 at 09:08 AM

別方面から、青池保子「イブの息子たち」5巻に登場する「無名の端役の秘書」がチェーザレだと教えてもらいました。やっぱBL系の元祖ね。

Posted by: 漫棚通信 | October 31, 2006 at 06:00 PM

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