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October 10, 2006

その後の柔侠伝

 バロン吉元「柔侠伝」シリーズは、明治から現代まで続く、柔道家・柳家四代の男たちの物語。1970年週刊漫画アクションに連載開始。「柔侠伝」「昭和柔侠伝」「現代柔侠伝」「男柔侠伝」「日本柔侠伝」と描き続けられ、1980年に連載終了。まさに1970年代を代表する名作でありました。現実の歴史と離れてからの末期の展開はちょっとアレでしたけど。

 歴史に翻弄されつつ歴史にあらがい、権力に立ち向かう、主人公たち。あがた森魚/緑魔子「昭和柔侠伝の唄」なんてのもありました。覚えてます?

 どんだけ人気があったかというと、わたしの友人(←べつにオタクじゃないです)は、自分の子どもに柔侠伝の登場人物の名前をつけちゃったくらい。

 今年になってオンデマンドで出版されるとアナウンスされましたが、「柔侠伝」と「昭和柔侠伝」は昨年発売されたコンビニ本がまだ手にはいるためか(アマゾンにもあります)、今はオンデマンド版は販売休止になってるみたいですね。

 さて、連載終了から20年。2000年になって、リイドコミックに「新柔侠伝」が連載されました。これにはもう、おおっと瞠目かつ刮目したわけですが、残念ながら、単行本二巻で終了。これがどういうお話だったかといいますと。

 主人公は大学三年生の柔道世界チャンピオン、日向遙です。宿敵は幼なじみでもある真武会空手の鳴神紫苑。鳴神のバックには日本の政財界を牛耳る暁光グループがいます。国家権力と結託し、暴力行為で業績を伸ばしてきた世界的コングロマリット。男柔侠伝、日本柔侠伝でもこいつらが悪役でした。男柔侠伝のラストで勘一に倒された斬心流空手の黛環、の息子なんてのも登場します。

 日向遙に接触したのが、「世界じゅうに散らばって地下組織として国際的破壊活動を行っている」と敵からは言われちゃってる梁山泊グループであります。柳勘一が組織した梁山泊の生き残りですね。その総裁は、ビッグエックスと名のる総髪でサングラスの男。車イスで脚が不自由。額の傷を見ると、正体は柳勘平らしい。日本柔侠伝のラストではまだ子どもだったのに、ずいぶん年とっちゃったなあ。

 日向遙は梁山泊に協力して、暁光グループやその手先の暴力と戦うことになります。ところが、さあこれからというところで、オシマイ。ライバルとの戦いにも決着はつきませんでした。

 「新柔侠伝」の連載終了は2001年の春です。その後9.11が起こりましたから、反権力を標榜する梁山泊みたいな連中を主人公にするのは、なかなかむずかしい時代になってしまいました。

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Comments

柔侠伝!!なつかしいです。
サントリーのウオッカのCFで、ヒロインの茜さんが一粒涙をこぼすなんてのが評判になりましたよね。
総合格闘技の世界にグレイシー柔術が登場したときは、柔侠伝みたいだななんて思いましたね。
復活を遂げるにあたり、そっちの方向で話をまとめれば、もう少し反応は違ったかも知れませんね。
悪の権力と闘うというのはいかにも70年代的ですもんね。


>柳家四代の男たちの物語
小さんとか三語楼とか花禄とかの名前がふっとよぎったのはないしょです。

Posted by: 名無しさん | October 13, 2006 at 12:38 AM

柳家と林家は要注意でしたねー。あ、明石家もあった。

Posted by: 漫棚通信 | October 13, 2006 at 04:01 PM

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