マンガスタイル
「日本マンガのスタイルで描かれたアメリカンコミックやドイツのコミック」 これをどう呼称していいのかよくわかんないのですが、とりあえず、アメリカンマンガ、ドイツマンガ、と呼んでおきますが、これらをネット上で読むことができることを、コメント欄でhawawa氏から教えていただきました。これをせっせと読んでた、というか言葉がよくわかんないので眺めてたのですが、いやー、おもしろい。
TOKYOPOPアメリカやTOKYOPOPドイツでは、自分のところで発行してるアメリカンマンガやドイツマンガを、サイトで立ち読みできるようになってます。
TOKYOPOPドイツでは、トップページの上の方、「STÖBERN」から「Manga Player」を選んで、その次のページの「MANGA PLAYER STARTEN」をクリックするとプレイヤーが立ち上がります。現在は約30のマンガの一部が読めます。多くは日本や韓国のマンガですが、ドイツオリジナルのマンガが少しあります。
TOKYOPOPアメリカのほうは、トップページから「Online Manga」をクリック、どこか適当なマンガの紹介ページの「Read」の下を選べばプレイヤーが立ち上がります。こっちは40以上登録されてますが、ほとんどがアメリカンマンガ。メンバー登録が必要ですが簡単です。なぜか1巻1章は読めなくて1巻3章だけ読めるマンガもあります。
ドイツでは、Anike Hage作の「Gothic Sports」にびっくり(リンク先Manga Playerからも読めます)。ドイツのギムナジウムを舞台にしたスポーツもの少女マンガ。まるっきり日本マンガスタイルで、これでドイツ人読者は登場人物をフツーにドイツ人少年少女と認識してるんだよなあ。しかもセリフは当然横書きですが、ページめくりは右から左に進む日本マンガスタイルだもんだから、日本の雑誌に載ってても全然違和感ありません。
アメリカのほうのSvetlana Chmakova作「Dramacon」は、初めてコミック/アニメコンベンションに出かけた男女のドタバタ(リンク先Readの下からも読めます)。こっちは日本マンガスタイルの漫符=汗、涙、怒りの血管、額の斜線、さらにバックのベタフラッシュなどが頻発しますし、登場人物はまじめな顔とくずした顔の二種類を持っている。コマワリも少女マンガふうに複雑なところもあって、文法的にも絵的にも、日本マンガと変わるところがありません。
そうかといえば、ほとんどアメコミ、でもキャラクターの顔だけマンガスタイル、ていうのもありますし、かつてのガロのマンガみたいのもありまして、いろいろな発見があって楽しいなあ。
これに加えて、TOKYOPOPアメリカには「我 MANGA」というコーナーがあって、読者投降のマンガが読めちゃうんですねこれが。1ページだけのものもあれば、ちゃんとストーリーになってるのもあります。小中学生レベルのものも多いのですが、みんなマンガアーティストをめざしてるのかな。
さて、こういうアメリカンマンガやドイツマンガをいろいろと読んでますと、「マンガスタイル」っていうのが何なのか、よくわからなくなってきました。おそらくは、目の大きなキャラクター、モノクロ、多様な漫符、コマ構成の複雑さ、多彩なテーマ、心理描写などがマンガスタイルなのでしょうが、実を言うと、それまでの古典的なアメコミやヨーロッパのマンガがどんなものかよくわかってないうえに、日本マンガにどっぷりつかって生活してきたものですから、かえって海外読者が日本マンガのどこに惹かれてるのか、もうひとつ理解できないところがあるのです。
おそらくは、アメリカやドイツの読者のほうが、これらの比較をきちんと語れるのじゃないかな。日本人でありながら、日本マンガの魅力や特徴をさらっとすらっと語ることのできない自分が、はがゆいのでありました。
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